第8話 vsドラゴン 後編
(魔王様、我に力を)
レッサードラゴンは魔王に祈りを捧げた。
そして、レッサードラゴンの身体が光り始めた。
(まずいわ、隼人。カオスフレイムを使いなさい。)
「カオスフレイム!」
すると、隼人の手から黒い火柱が放たれる。
以前のファイアーボールとは比べモノにならない大きさである。
レッサードラゴンを包む光は一層強まった。
隼人の放った火柱がレッサードラゴンにぶつかった。
レッサードラゴンは消滅したのだろうか、火柱による煙が消えるのを静かに待った。
そこには先程より一回り大きくなったドラゴンがいた。
高笑いをしながらドラゴンは口を開いた。
「ガハハハハ。人間よグリーンドラゴンになった我の前に跪け。泣いて謝るなら寛大な我は許してやるぞ。」
「貴様。美里を返せ!」
「この食糧の事か我が美味しく頂いてやる。感謝したまえ。」
(隼人、熱くならないで集中しなさい。あれはグリーンドラゴン、ちょっと厄介だけど勝てない相手でもないわ。)
「どうすれば良いんだ?」
(デスバーストを使いなさい。この辺りは死の海になるけど仕方ないわね。)
「それだと崇と雪が巻き添えに。」
(やりなさい。貴方は悪魔なのよ。人種に情けは無用よ。)
「嫌だ、俺はアイツを倒す。そして、2人も助けるんだ!」
(妬いちゃうわね。)
クスリと悪魔ダミアーニは笑った。
(いい?ならカオスランスを使いなさい。よーく狙いなさい。グリーンドラゴンの脳天をね。クス。)
「カオスランス。」
隼人はグリーンドラゴンに狙いをすまして魔術を唱えた。
するとグリーンドラゴンの脳天を黒く鋭い槍のようなモノが命中した。
「ぐわあああ。貴様よくも・・・」
グリーンドラゴンは力尽きてその場に倒れた。
「頼む。何でもするから我を助けてくれ。」
グリーンドラゴンは命乞いを始めた。流石ドラゴン生命力が強いのかすぐには息絶えないのだろう。
(隼人ちょっと心して聞きなさい。今すぐ美里を助ける方法が1つあるわ。)
「え?本当なのか?」
(但し、美里は人種ではなくなるわ。貴方にその覚悟があるかしら?)