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STORY13:確証

【清淨なる光の加護】でオレも癒してもらっている

痛みが和らいでいく・・・

オレも効果は薄いがエルにかけているところだ。

「アンタも・・ちゃんと使えるのね・・・。」


気がつくクロエが悔しそうに言い放った。

「不覚を取りました、力不足、申し訳ありません・・」

実質膝枕をしているオレを見てるクロエの表情が変わる。

一瞬、より一層悔しそうな顔をしてすぐに戻す。

「エル様も・・大変でしたね。」


目を瞑ったままクロエの声に反応した。

「満身創痍よ、こんなん続けてたらカラダがバカになるわね。」

基本殴打による打撲が多いようだったが、アザなりなんなり付いていた。

エルは女性というよりも【戦士】そのもののマインドであり、そんなことを意識することもなく戦った という事実だけを述べていた。


奇跡なのはアドーだった。

傷一つなく魔法を使った、いやそれはサポートありきではある。

ただきっとオレらと比べると打たれ弱いはずだ、そう思い込んでいる。


みんなの傷が癒えたようだが、体力自体は戻ったわけではない。

すり減った精神もダメージを受けたままと考えてもいい。

生きようとしたことに必死だった。



さっきのガスのある部屋・・・地下にもう1度いく・・。

「みんな、気になってる地下があるんだ、来てくれるか?」


クロエは両腕を組んでポーズを取った。

アドーは杖を床にトン、と置いて

エルはいつものように、ふん!と鼻息を鳴らす。


「問題なさそうだな、フタをもっかい開けるが、ガスの対策はないか?」


アドーが珍しく声を上げた。

「あるよ!光の領域が。」

そうか、便利なものもあるもんだ。


「じゃ、フタを開ける前にみんなを覆うように使ってもらえるか?」


エヘンと顔にでている

「いーよ!お兄様!」

さっきの戦いが終わって緊張もなくなったのかいつもの無邪気さがある。


右側の扉を開き、例の地下室へのフタの前にきた。

「ここでいいかな?聖なる加護のもと、我々を見守り給え!アンチダークネス!!」

光の領域、アンチダークネスは魔除けではあるものの

光の膜が一部の温度やガスなどを遮断する。


これは原作でも知らないやつがそこそこいるので【シャインプリーステス】をPT採用していない面々が課金ポーションがぶ飲みでダメージゾーンを通過する例もそこそこあったらしい。


こういうとこだけメタなんだよな・・・。

しかも都合よくアドーが知っているのも難儀なものだ。


フタをみんなで掴んで開けた

「せーのっ!」

4人だと結構軽い、開いた先に階段がある・・ここを下るんだ。


光の領域が追従したまま地下室に女と子どもがいた

近づくとまたガスが・・・

奥には街の女なのか?なぜか子どもと女を分けて固めて牢に入れている。

シューーーー!!!

ガスが出た、手前の紫のガス発生源は光の弾をぶつけたら壊れて止まった。

しかし奥にはまだでていて充満している。


「アンタたち、下がってて、牢をぶったぎるわよ!!」

ガギン!!バキン!!

牢はアッサリと斬れて出れるようになる。

階段のとこでちょっと待ってて、お願いよ。


一斉に泣きながら子どもは階段まで駆けていく。


奥の女のいるところのガス発生源はピンク色のガスがでている。


クロエが仕込んでいる短剣をまた投げた。

ガスの発生源は止まった。

どうやら短剣は4本くらいホルダーに収まっているようだ。


「抵抗させないための催淫ガスですね・・下衆な。」

目を細めてクロエは口調を荒げる。


エルはヘンな顔して

「催淫?えっちになるガス?アホくさ。」


アドーは顔を真っ赤にして俯いてボソっと

「なんだか・・・イヤ・・だなそういうの。」


オレは大体構図が理解できた。

ため息混じりにオレは

「こどもは臓器や労働力、女はしょーもない目的ってことか。」

オレこういう展開ちょっとイヤなんだよな、だって意図しない人と関係持つんだろ・・?


とはいっても逆の場合も恋愛ではあるってことだけど

これはどういうふうに解釈するのだろうか・・?

いや、こんなことを考えている場合ではない。


同じようにエルが牢をぶった切って解放するが

ガスの影響を受けたのが1人いた。

「ねぇねぇ・・遊んでよぉ・・」


パァン!! 乾いた音。

「目を覚ましてください。」

クロエの手で解いた。

「あ、あれ?わたし・・・。」


クロエは微笑んで

「どこか痛いとことか気持ち悪いとこありませんか?」

街人だったと思われる女性は

「救出ありがとうございます。痛いとことかは・・いえ、まだなにも・・されてないと思います。」


残りの女性も解放したが、少し話を訊くことにした。

「これはどういうことなんだ・・・?」

1人の女性が答える。

「あまり大声では言えないんですが、実は領主様がお金を巻き上げていて、上納デキない場合は子どもと若い女性をここに閉じ込めて売ろうとしているみたいでした。」


クソすぎる、定番の悪人ムーブだ。

それと領主はやっぱりいた。

領主がだれかはわからないが、領主がこの教団を立てて不当に金を巻き上げて、教団と領主だけが美味しい思いをしていたということ。

間違いなさそうだけど、まだ確証に至らないな。

領主の館にどうにかいくか、それとも領主がだれか突き止めるほうが先か?


「お兄様、こんなのを見つけたんだけど、どう?」

手渡されたのは日記だった。

・・・・・?!!


「商人がどうこうって書いてあるがこいつじゃないのか?」

日記主は教祖・・・神父ではないだろうが教祖はどこだ・・?


そういや そこのくるまったのがあるけどそれ、なんだ?

奥にもう1つ大きく布でくるまれてるのがある。


エルが近づいて布を開く。

「う・・・・うげぇ・・カハッ・・・」

嘔吐している・・・。


「どうした!?」


「ゲホッ、ゲホッ・・なによこれ・・・。」

近づこうとする。

「こないで!!!見たら・・ダメなんだから・・・。」


強くエルに制止された。


「尊厳のために、見ないであげて・・・。」

クロエは見ないようにしてその布の付近まで来た。

そして速やかに炎の魔法で布ごと燃やした・・・。


エル、アドー、オレ、クロエはその燃える様を見届ける。

そこに女性が1人駆け寄ってきて、嗚咽をしていた。

なんだか、すごく苦しい気持ちだった。

当事者でなくても、その様子がわかれば泣きもするだろう。


オレは想像しただけで涙を流して、同じように声を出して泣いてしまった。

そんなオレをクロエは胸に頭を抱きかかえるように包んでくれる。

「ホープ様は、優しすぎます・・・。そんな他人のために泣けるような純粋さも、好きです・・。」


うっかり吐露してしまっているのをエルは聞き逃さなかった。

他のことも含めて拳を握りしめていて、軽く血が滲んでいた。


アドーは何かを察しているが、その様子をこの場では見なかった。

聞かなかったことにしているようだった。


燃やしたあと、クロエは骨を拾い集めて箱に詰めて、泣いていた女性に手渡した。

箱を抱きかかえた女性は

「ありがとうございます・・・ありがとうございます・・・。」


クロエは真っ直ぐその女性をみて

「つらいでしょうけど、強く生きてください。きっとその方も報われます。」

それをきいた女性は膝をついて大事に箱を抱え込んで大泣きした。

「ねえさーーーん!!!うゎぁぁぁぁぁあ!!」


オレは残酷なことにより人の死に対して胸を痛めた。

他人であっても残されるものの気持ちがわからないわけではないのだから。


残りの女性に問う限りは誰も傷つけられていないようで

話を訊く限りでは、あの亡くなった女性がなんとか周りに手が及ばないように死ぬまで無謀なことに従っていたと・・・残酷なことだ。


その後この心を引きずるように子どもと女性たちを解放した。

この人数が消えていたのも活気のなさに拍車をかけていたのだろう。


まだだ、まだ残っている。

「領主をなんとかしてこの搾取の図式を完全に撤廃する。」

こんな悲劇を繰り返してはいけない、なにか1つやり遂げることによって

オレの自信が少しつくのではないかと、同時にこれが

【見識を広げる】ことにならないかとそう思うことにした。

いわば自己満足だ、といえばそれまでだけども。


オレの幸福は【見て見ぬふりをしていること】自体認めない。

知ってしまったらとことん向き合ってやる。

そしてもう1度ルミネス領にみんな無事に帰って、やり遂げたことを堂々として幸福の定義としたい。


2度目の幸福と、その続きは・・・

もう少しで1つカケラを得られそうなんだ。


宿へ着く。

また世話になることにした、少なくともしばらくは教団が静かになることを祈る。

教会はあれからもぬけのカラになったのだから。


ドアをゆっくり開けて中が見え始めた、先日と同じ感じで。

入って早々に店主がぎょっとしていた。

「ようこそ!!お待ちしてました!!」


なんだ、このテンション。


「いやぁね、家内が帰ってきまして、他所の人らしき人がすくってくれたって。」


「あなた、どうしたの??」

女性が出てきた、店主の妻らしい。

あっという顔でこっちを見る。


「さきほどはありがとうございます、無事に帰ってこれました。」

そしてさっきの箱を棚の上に飾った。


「まだ少し心はおちつきませんが、救われました。姉の分まで生きようと・・・思います。」

目をうるませるが、前を向いている。


店主が喜びつつ

「今日は恩人から金なんてとれねぇよ!タダでいい!」

クロエはそれを微笑みながら言う

「厚意は感謝しますが、商売なのだし本日もキチンと払います。」

店主の妻である女性がそれを制止して

「実は搾取されたお金、あの教会の中にあったんですよ、あとで回収して再分配するつもりなのです、ですから。」


どうやら領主に上納する前だったようだ。

うっかりしてたな、金庫のようなものがあったのか。


クロエが何かとやり取りしようとしたところをエルが手を掴んだ。

「ちょっとまって、またヘンな部屋割にしようとしてない?その手はもう通じないわよ!!」

そして主導権がエルに移る。

「どこよ!?あいてるのは?!」


店主はちょっとビビりつつ答えた。

「今日は貸し切りのつもりだからどこでも開いてますぜ。」

鼻息をふん!と鳴らしたエル。

「じゃあこうしましょ!」


301:クロエ

302:アドー

303:エル

304:ホープ


「これなら公平でしょ?ね?異論は認めないわ!」

公平でしょ?ってきいといて異論は認めないはおかしいだろ。


クロエが抗議する

「エル様、なんですか?これは。わたしになにか恨みでも?」

エルがいたずらっこのように返答

「アンタ油断ならないからこうでもしないとロクでもないことするでしょー!!!」


「エル様でもそれは看過できないお言葉ですよ!!」

「なにおーーー!!」


「やめなさーーーい!!」

アドーが止めてる・・。


赤裸々な話をしたらどうなるんだよこれ・・・。

はぁ・・・。


クロエとエルは肩で息するほどに大声で叫んでいた。

エルはもはや暴走状態で慣性がついているのか止まらない。

「もう隠せてないのよ!!アンタなにしてくれちゃってんの!?」

クロエが応戦している

「こればっかりはお譲りできません!!!気づかれては仕方ありませんね!」


腕力合戦している、なにこの茶番・・・。


「もーーー!!!なんなのこれーー!!」

アドーも困っている。


オレもさすがに制止させざるを得ないだろう。

「ストップだ。とりあえず今晩はこの提案でいい。オレは精神的に疲れた。」


多分オレが悪いんだけどな、これ。


口を尖らせてオレに絡んでくるエル

「元はと言えばアンタよ、なんでよりによって白紙にしたらこうなってるわけ?アンタクロエが好きだったの?」


地雷だった。

返答次第ではクロエまで傷つく。


「今は黙秘する、余計なことで揉めたくはない。」


クロエが少しがっかりした表情をする

「ホープ様・・・どうして肯定してくれないのですか・・?」


やってしまった。でもこれは避けられない。


エルが調子に乗って責める

「ホラみなさい、アンタそうやって立場とか利用して断りにくくしてるんでしょ?外堀埋めてさ?どんな気分??」


クロエが震えている・・・

目が細く、睨んでいる。


エルのほうに1歩近づいた、エルは少し仰け反った

「な、なによ??なんなの??」


その瞬間大きくふりかぶった

パァン!!!!


・・・その瞬間信じられない光景・・・

乾いた音・・・エルが、はたかれた。


キッと睨み返すエル。

「あたしって・・最低よね・・・。」

そうでもしないとダメだったんだろうか・・?


クロエが蚊のなくような声を絞り出して

「お許しください・・・わたしは・・傷つきました。」

泣いている・・。


この光景をずっと宿の主人も妻も見ていることしかできなかった。


なんでこんな修羅場のようなものを見ているのだろうか。


クロエが言い訳をする

「エル様がいたら・・わたしの気持ちはどこにもいけないんです、でもわかってたんです・・なんでかって・・・」


クロエは目をエルに合わせた

「おっしゃるとおりだったからです、そうでもしないとこっちを見てくれないと思ったから・・ごめんなさい・・・」

嗚咽しながら膝をついて両手を覆い声を出して泣いた。


アドーは立ち尽くして

「クロエ・・・。」


エルはバツが悪くなって

「言い過ぎた、わるかったわよ・・・。」


気まずいことになったこの日・・・。

オレは最悪の自分を責めた。


ハッキリしないせいで不幸になっている。


なんか人格が勝手に行動したらコメディから修羅場に・・?!!

本来はプロット上今だからいうともっとあとにこうなる予定だったんですけど???


これについてはどっかの恋愛パートで解説まとめたいですね。

切ない切ない。

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