エルフ救って調子乗る。終
ちょっと落ち込んでいたが、そんなものはもう気にしねぇ! なので、エルフの里まで戻って来た俺は好き勝手した。でもな、エリス達、若いエルフも悪いんだぜ? 邪竜がいなくなったからって、親世代のエルフを暴力で追い出そうとしだしたんだからな、それはないよ。バカじゃないのかってね。
「おらぁ!かかって来いよ!」
なので投げ飛ばした。若い奴も、年寄りも、逆らう奴はみんな投げ飛ばしてやった。奴らが弓を打とうが、魔法を放とうが、超絶美少女様の俺には無力でしかない。全員追いかけまわして投げ飛ばした。まぁフレイヤもなんだかんだと手伝ってくれた。――その結果
「お嬢様! 次は何をすればいいでしょうか?」
「とりあえず商売だ! 道具袋なんて便利グッズあるんだから、人間の街まで行ける奴少人数でいっぱい売って買ってこい!」
「私は何したら!」
「知るか! あれだ、困ったら教育にでも力入れとけ!」
「元老院がお嬢様の排除に動いているようです!」
「一週間ほど飯抜きにしてやれ!」
「私達、結婚しました!」
「おめでとう! 爆発して死ね!」
何故か指導者になっていた……。俺は内政チートなんてできる力ないよ? そういうのは爺やにでも頼めよ! 結局やれることと言ったら、お菓子食べながら座って、エルフがいろいろ聞きに来るから答える。これでいいのか? うーん慕われるのはいいけど面倒くさいのはちょっとなー。でも、フレイヤが同じエルフだからか気合入ってて戦士たちを鍛えて治安部隊を創ってる。おもにエリス達みたいな血の気の多い奴らを抑えるためだな。
まぁ平和になったならいいんんじゃない?
なんだかタイミングもなくて1月程エルフの里で過ごしたころだ。何故か里は活気づいていた。ほんとなんでだ? でもって、商売に行ってた奴らが戻って来た。どうやら結構な金額になったようだ。何売ったんだろう? 全然知らないけどね。とにかく、それで里に必要なものを買って来たらしい。エルフは美形だしな。それだけで宣伝にもなるし売れるだろ。
「お嬢様これを」
ジャラリと男のエルフから、革袋を渡された。中身はお金だ。結構あるね。
「くれるの?」
「頑張ってくれてますから」
「ありがと」
まぁ、前回荒稼ぎした俺からしたら、今更こんな金額見ても、ふーん、てくらいなんだけどね。でも貰えるなら貰っておこう。その荒稼ぎしたお金はもうないしね。と、そこでだ。
(ショップが解放されました)
「ん? ショップ? ……」
俺はコンソール開く。そこには確かにショップと書いてある項目が。ゲームの時はこんなのなかったよ? 俺はそれを開いてみる。
「おぉ」
ドロップ武器から製作武器までいろいろあるなー。全部買えるのかなこれ? でも最強武器あるし、いらないんだよなー。一番下までスクロールしても、武器しかない……使えねぇ……と思ったらだ。
「まさか……」
タブ分けされてんのか! 防具、アクセサリー、違うそんなんじゃない! あった! アバター! アバター!!!
「マジかよ……」
全部あった。今までゲーム内で実装されたアバター類が全てだ! もちろん期間限定品もだ! ゴスロリドレスがまた買える! 他にも欲しかったやつ! 爺やに売られた服も買える! きた!
「買うぞ―全部! でもお金はどうなってんだこれ?」
俺はゴスロリドレスの値段を見てみる。50000000アデナって……アデナ? ってことは今の俺の所持金は――書いてあるな。3万……もらった革袋分か! と言うことは、この世界のお金次第でアバター買えるのか! やったぜ!
「だれかー!」
「はい、はい」
名前は知らないけど、綺麗なエルフのお姉さんが部屋の外から来てくれた。
「エルフの里ってアデナないの? お金」
「そうですねー。少しはあると思いますけど、使わないですからね。ほんの少しだと思いますよ」
「うーん。じゃあお金になりそうなのは?」
「弓とか木工品ですかねー。一人前になった戦士の弓を作る時用の、ミスリルなら保管されてると思いますけど、アレは使うやつですからね」
「ふーん。分かった。ありがとう」
「いいえー」
それから3日後の夜だ。
「さて、お嬢様よ。これはなんだ?」
里のエルフに囲まれ、俺は正座していた。目の前には代表としてフレイヤが立っている。
「あー。たまたま俺のアイテムボックスに入ってたミスリルです」
「嘘はダメだぞ」
「うるせぇ!」
俺は立ち上がり、逃げようと足を踏み出そうとする
「撃つぞ?」
痛いのは嫌なので、もう一度座り直す。これだから正義感は。
「保管してあったお金も無くなってます!」
誰か分からないエルフの声が聞こえる。
「……お嬢様よ」
「……これです」
アイテムボックスから木箱を取り出す。少しとか言っておきながら、意外と溜めてやがったよエルフさん達。このお金とミスリル売って服買う予定だったのになー。てかなんでフレイヤそっち側なんだよー。俺の味方しろよー。クソっ、ケビン連れてこりゃよかった。
俺はチラリとフレイヤの顔色を窺う。……怒ってらっしゃる。フレイヤは真面目だから怒ってると、なんか俺が悪いことしたみたいで嫌なんだよなー。……したんだけどさー
「さて、この犯罪者は私が引き取ろう。よし、帰るぞお嬢様」
「うーい、もうやる気ないおぶって」
「……ふぅ、仕方ない」
フレイヤに背負われたところで、エルフ達の中からエリスが進み出てくる。ん? どうした?
「お嬢様、フレイヤ様、ありがとうございました。色々ありましたが、今はみんな活気づいてます! 助かりました。 本当にありがとうございます。ミスリルはちょっと無理ですけど。そのお金は持って行ってください。みんないいよね?」
周りのエルフは苦笑しながら、まぁいいんじゃないの? って感じで頷く。何その反応? お前たち、俺に対してどういった感情抱いてんの? ちょっと教えろや。
「……じゃあ貰っとく」
いったんフレイヤから降りて、木箱をアイテムボックスに回収。もう一度背に乗る。
「……じゃあまたな!」
「さらばだ!」
俺とフレイヤは城目指して帰路に着く。まぁ歩くのはフレイヤなんだけどな。流石に悪いと思うから、回復魔法は適度にかけてあげるよ? 俺偉くない?
(クエストが完了しました。報酬としてDLが10%完了しました)
は? なにそれ? 報酬しょぼすぎない? と言いますか何をダウンロードしてるんだ?
「はぁ……」
「どうした? お嬢様よ」
「世界は俺に何を求めるのかとな」
「頭がおかしくなったか?」
「うるせぇ! なぁ、やっぱおかしいんだよなー。普通の異世界転移じゃなくね?」
「普通とはなんだ……普通とは」
はぁ、異世界最高! って誤魔化してたけどさー。いや、超絶美少女に成れたんだから文句はないんだけどね。リアルに帰るとかありえないし、今の生活の方が楽しいし。でもさー
「なぁフレイヤ」
「なんだ?」
「俺の名前ってなんだ?」
「……」
だと思ってたよ! お前らお嬢様、お嬢様言って、名前呼ばないんだもん。
「すまない。思い出せない」
「ん。まぁいいんじゃね。どうせそのうち分かるって。分かんなくても支障ないし」
「そうか。まぁお嬢様は、お嬢様だからな」
「だな!」
あー暗い! 朝に里から出るべきだったな!




