気付き
私は今海の上にいる。どうにか頑張ってオールを漕いでいたものの、、、。力尽きてもう“1かき”もできなーい。元の場所に戻ることも出来ないし、あの島にはまだまだほど遠い距離がある。4対6くらいでダリア国に近い位置で止まってしまった。
、、、こんなはずじゃ――。だいたい、なんで私がこんな目に合わなくちゃいけないの?私は王女よ?この状況、いったいどうしろっていうのよ。まったく、全てはあの女のせいよね。会ったことないし、顔も知らないけど許さない。私の人生をこんなにもめちゃくちゃにしたあの女を、絶対に許さない!!なんなの?ただの一般庶民の分際で王族と一緒になろうなんてあり得ない。自分の身分もわきまえないような女なのよ、本当、、、。
「本当に、もう嫌!!あー、もう私、ここから動けないよ、、、。」
「いつもの元気はとうしたんだよ、おてんば王女。」
「は?」
目の前には私がずっと想っていたあの人がいた。
「どうして、、、?」
「島からニーナが見えたんだ。」
「どんだけ目良いのよ、、、。」
「バカか?これを使ったに決まってんだろ。」
「あ、望遠鏡、、、。」
「競争しようぜ。」
「えっ?」
「なんだよ。島があることくらいわかるだろ?あの島まで競争しようぜ。」
「ちょっと待ってよ。私は王女よ?」
「おてんば王女だろ?乗馬が得意で授業サボりまくって、王宮抜け出して国を歩きまくる元気だけが取り柄な。」
「そ、そっか。でも、、、今の私はあの頃の私じゃないの!!」
「は?」
「だから、えっと、、、。」
「まあ、とりあえず行こう。さあ、ヨーイドンで漕ぐからな。」
「あ、」
「ヨーイドン!!」
「あ、待ってよ!!」
――
「はあ、、、俺の圧勝だな。」
「はあ、はあ、、、。」
「最初が遅かったからだな。」
「、、、。」
「漕ぎ始めが肝心なんだよ。」
「、、、。」
「クラークー!!大丈夫だったーっ?
」
「あ、大丈夫だよ。あ、ニーナ。彼女はミシェルっていうんだ。」
「ミシェルです。お会いできて嬉しいです、ニーナ王女様。」
「あ、は、はい。」
「なんだよ。そんなに疲れたのか?」
「そ、そりゃ私の、王女のすることじゃないもの、、、。」
「え?」
「あの、あのねっ!!」
「は、はい!!」
「――おーい!!クラークーー!!」
「はいっ?!」
「ニーナ様ー!!大丈夫ですかー!!」
「えっ?!」
「アル?!どうしてここに?クリスも。」
「よっ!、、、ずいぶんぼろぼろだな。良い男が台無しだー。」
「なに言ってんだよ。それよりなんで――。」
「クラーク様。お久し振りです。私たちニーナ様と一緒にクラーク様を捜しにきたんです。」
「え?」
「だからニーナと話してこいよ。そのために来たんだから。」
「ちょっと、私を置いてかないでよ。」
「だってそうだろ?」
「そうだけど、どうしてここがわかったのよ?」
「後でお話しますよ。さあクラーク様と。」
「あ、ええ、そうね。」
「では皆さんはこちらへどうぞ。」
「ありがとうございます、ミシェルさん。あ、ニーナ様、ちょっと――。」
「なに?」
「―――。」
「え?」
「それと手紙を書きました。クラーク様とお話しする前に読んでください。ではミシェルさん、案内お願いします。」
「はい。」
「ニーナ。」
「なによ?」
「俺、前のことはよく知ってるわけじゃないけど、ニーナはずっとニーナだと思う。」
「ん?」
「あ、じゃあな。」
「えっ!ちょっと!!、、、まったくなんなの?クリスが言ってたことも、、、それにこの手紙。」
「ニーナ、こっちに。」
「あ、わかった。」
私、どうしたら良いの?怒ってる?ううん。それはあの女の人にだ。悲しんでる?じゃあクラークに泣きつけばこの気持ちはすっきりするの?え?すっきりさせるにはクラークが戻ってこないと、、、いや、そもそもクラークは私のものなんかじゃない、、、。そう、さっきクリスが私に囁いたこと。私、気付いてた?私、ただの幼なじみだったんだよ?クラークのことが好きってわかったのも最近だし。最初から私たちの関係はただの幼なじみ。クラークが願っているのは私との未来ではなく、生活がどんなものでもミシェルと過ごす未来なんだ。
、、、私、なに1人で思い上がっちゃってたんだろ?こんなの私じゃない。前の私ならシャルを真っ先に洗ってあげたし、少し歩いたくらいで疲れた、なんて言わなかった。
これからどうしよう。そうだ、手紙。クリスはわかってたんだろうな。こんな私を見てどう思ってたんだろ。呆れてたのかな?そりゃそうだよね。アルが悪女って言ってたな。本当にその通りだ。ミシェルのことを散々悪く言って、、、。そういえばさっきのアルが言ってた“ニーナはずっとニーナだと思う”って、、、。
やっとクラークに会うところまで書けました(--;)
終盤です。あと少し頑張ります!!




