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第42話 強襲①

 水とボウガンの力を合成させていると、『水術』のスキルが上昇していた。

 ボウガンの威力がさらに増している……はずなのだが。

 見た目的には一切分からない。


 オーガをオーバーキルしてしまうので、どれほどの威力があるのか皆目見当もつかない。


「人、いないですね」

「ああ。死んでしまったのか逃げることができたのか。どちらかは分からないけど全然見当たらないよ」


 俺たちはモンスターを倒しながら裏通りを歩いていた。

 『鷹の目』で確認したが、周囲には人はいない。

 現在の目的は主にレベル上げだ。


 自分の力を蓄えるのと同時に、由乃たちの能力を引き上げる。

 そのつもりでモンスターたちと戦っていた。


 自分の能力が上がっていくのは当然嬉しかったが、由乃たちが強くなっていくのもなんだか嬉しい。


 できる限り俺が敵を減らして、由乃と円が敵を倒す。


 オーガにしても、ガルムにしても、由乃たちは倒している。

 敵のレベルも上昇しているが、その点は問題なかった。


「このままいけば、私たちだけでもエリアマスターを倒せるぐらい強くなるかもですね」

「それ、いい」


 ちらほらいるオーガを次々に倒していく二人。

 俺はそんな彼女たちを微笑ましく見ていた。


 が、その時だった。


「…………」


 ピリッとした感覚。

 力ある者が、俺を挑発するように殺気を放っている。


 これはあの時と同じだ……


 排除する者(イレイザー)


 また俺を倒しに来たということか……


「由乃、円。悪いけど、一旦トシマに帰ることにしよう」

「なぜですか?」


 キョトンと俺を見る二人。

 俺は真剣な顔で彼女たちに言う。


「問題が起きた。二人を守り切る自信もない……だから、俺の言うことを聞いて、トシマに帰ってくれ」

「……分かりました」


 空間を開いて由乃と円をトシマに送り込む。


「無事に帰って来て」

「分かってる。二人はあそこにいれば安心だから」

「司くん……」


 由乃の心配そうな顔を見つめながら、空間の扉を閉じる。


 俺は大きく息を吐き、敵の気配を探る。


「ここだよここ」

「…………」


 半壊したビルの上――


 そこに二人の男が佇んでいた。


 一人は赤髪の美男子で、冷たい瞳で俺を見下ろす。

 もう一人は青い髪の少年。彼は俺を楽し気に見ていた。


「お前がフィルを倒したのかよ……とてもじゃないが、そうは見えないんだがな」

「……お前たちも、排除する者(イレイザー)か?」

「そうだよ~。せっかく楽しいルールで遊んでるっていうのに、バグが発生してゲームを荒らしてるって……これ、大問題でしょ?」

「大問題なのはお前らだ。これのどこがゲームなんだよ」

「はっ! そりゃてめえの感想だろうが? 人間だって動物を狩って楽しんでる奴だっていたろ? それと似たようなもんさ。人間とモンスターの狩り合いを楽しんでるだけだ、俺たちは」

「ふざけるな。どれだけの人が死んだと思っているんだ」

「死んだ方がいい人間も沢山いると思わない? 数も増えすぎたし減ったほうが――」


 俺は奴が話終える前に背後に瞬間移動し、拳を繰り出した。


「!?」


 驚く青髪の少年。

 が、赤髪の男は反応していたらしく、体から紅いオーラを発した。

 そのオーラは俺に触れると爆発を起こし、俺の体は吹き飛んだ。


「くっ!?」


 俺は近くにあった弁当屋に突っ込んでいく。

 ガラガラと鍋やフライパンなどが崩れ落ちている。


 嫌な予感がし、俺はダッと駆けて店を飛び出た。


「?」


 すると店全体が急に水に浸り、そのまま固定され、まるで水族館の大水槽のように変化する。


「先に手を出したのはそっちなんだから、悪く思わないでね」

「!!」


 道路に飛び出した俺の周囲が、水に埋め尽くされる。

 綺麗な水の箱に包まれる俺の体。


 あまりに巨大なその箱の中では、自由に動くことができない。

 どういう原理なのか分からないが、空間移動も使用不可となっている。


 ボコボコと俺の口から空気が漏れた。

 俺はこれを蒸発させようと思い、『イフリートブレイズ』を発動する。


 大きな火柱が立ち上り、水は完全に蒸発された。


「うわっ……あれで終わったと思ったんだけどな」

「……想像以上に面倒な奴」


 瞬間移動でどこかに逃げてやろうかと考えたが、どうせどこまでも追いかけて来るのだろう。

 青髪の少年はまとわりつくような気分を害する笑みをこぼしている。

 粘着する気まんまんだ。


「お前たち、名前は?」

「僕は蒼の排除する者(イレイザー)、ブルー」

「紅の排除する者(イレイザー)、レッド」

「名前、そのままかよ。俺は――」

「島田司、でしょ。知っているよ。君の事は何もかもね」

「あっそ」


 俺は深呼吸し、二人を睨み付ける。

 向こうは俺を見下すように、余裕の笑みを向ける。


「じゃあ、行くよ」

「できたら、来てほしくはないんだけどな」

「それは……無理な相談だ」


 二人は左右に別れ、挟み撃ちの形を取る。


 こうして俺は突如として、排除する者(イレイザー)の二人と戦うことになってしまったのであった。


読んでいただいてありがとうございます。


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