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第22話 トシマ②

 トシマ。

 ここもシンジュクと同じく、虚しく廃墟と化していた。

 見渡す限り壊れた建物ばかり。

 人も能力を使わずに見る分には見当たらなかった。


「こっちもシンジュクと変わりませんね」

「ああ」

「と言うことは、モンスターがいるってことですよね」

「そう考えて間違いないと思う……というか」


 由乃と道路を歩きながらそんな会話をしている時だった。

 瓦礫の上から数十匹のモンスターが姿を見せ、俺達を見下ろしてくる。

 

「囲まれてるみたいだ」


 ヘラヘラしながら俺たちを見下ろしているモンスター。

 それはオークだった。


 緑色の皮膚に二本の太い牙。

 筋骨隆々と言った巨大な肉体の持ち主たち。

 武器は斧や剣や槍などを持っている。


 俺は探索(サーチ)で早速オークたちのレベルを確認した。

 レベルは20。

 なるほど。

 シンジュクのモンスターたちと比べると随分レベルが高いようだな。


「司くん、どうします?」

「そりゃ……倒すしかないだろ」


 俺はクロスボウを現出させ、右手に握った。

  

 由乃も斧を担ぐが、とりあえずは俺の背後に回らせる。

 こいつらのレベルは由乃より高い。

 彼女が負ける可能性も否定できないので残りが少なくなってから戦ってもらおう。


「俺が数を減らすから、由乃はここを動くな」

「司くんの命令なら、何日でもここに待機しています」

「……そんな冗談を言えるところを見ると、落ち着いているみたいだな」


 敵に囲まれてパニックにでもなるかも知れないと思っていたが……

 由乃が恐怖を抱いているのはコボルトだけみたいだな。


「司くんがいるんですから、いつだって安心しきっています!」

「余裕ぶってピンチになるのだけは勘弁な」

「はい! 気をつけます!」


 俺は右手の廃墟上にいるオークをクロスボウで撃ち貫く。

 一撃で吹き飛ぶオーク。

 よし。簡単に倒せるな。


 次は……あれを試してみるか。


 俺は『空間』スキルの実験をすることにした。

 

 上空に視線を向け、スキルを発動する。


「司くん?」


 いきなり俺が目の前から消えたことに、由乃は驚いた声を出す。


 俺は上空に瞬間移動しており、地上の様子がよく見えた。

 さらに探索を使い敵の数を確認する。


 数は37匹。

 どうという数ではない。


「『ファイヤーナパーム』」


 左手で魔術を発動し、炎の球を放り投げる。

 下方で爆発が起き、数匹のオークが爆散していた。


 さらにファイヤーナパームを4発ほど喰らわせてやると、残りのオークは2匹となり、由乃に向かって駆けている。


「由乃! そっちに向かったぞ!」

「了解です!」


 オークは斧を振り回し由乃を襲おうとするが、それを斧で迎える由乃。

 一撃目で斧を破壊し、二撃目で体を真っ二つにする。

 

 次に襲い来るオークも、横一線で切り裂いた。


 俺は矢をオークに向けていたが、撃つ必要は無かったな。


「…………」


 というか、瞬間移動で由乃の所に飛べばよかったんだ。

 もう少し空間の能力に慣れないといけないな。


「おかえりなさい」

「ただいま」


 俺が宙から着地すると笑顔で迎えてくれる由乃。

 お前はできた嫁か。


「由乃が強くなったのかオークが弱かったのか」

「私なんてまだまだですけど……あまり強くは感じませんでした」


 俺が由乃と同じレベル帯の時はもっと弱かったはずだ。

 数字だけで見ればオークの方が強いが、上位職というだけで同レベル以上のモンスターとも戦えるってことか。


 よっぽど相手が格上でない限り、由乃は問題ないのかもな。


「おーい!」

「?」


 武器をしまって入手したカードを確認しようとした時、遠くの方から数名の人が走って来るのが見えた。

 男の人が3人に女の人が1人。

 彼らは俺たちの下に到着し、大きく息を切らせていた。


「き、君たち凄いね。まさかあんなあっさりオークを倒してしまうなんて……」

「特にそっちの男子! なんだいあの魔術は!? もしかして火の最上級術かい?」

「いや……中級術だけど」

「「「……いやいやいやいや」」」」


 彼ら4人は、みな声をそろえて俺の言葉を否定する。

 嘘も冗談も言ってないんだけど……


「あれが中級術だって? それはレーシングカーに乗っておいて、軽自動車と言っているようなものだよ。冗談にもなりゃしない。誰がどう見ても嘘だってバレバレだ」

「いや、嘘じゃなくて真実なんだけど」

「「「……いやいやいやいや」」」

「…………」


 ダメだ。

 本当のことだと信じてもらえない。

 中級術としては、そんなにおかしい威力なのだろうか?

 他の人が術をまともに使ってるところは見たことないしな……

 山根さんたちと戦っていた時で、初級術使う人がいたぐらいだし、それ以上のレベルは知らないや。


「君が冗談好きなことは分かったんだけど……それよりお願いがあるんだ」

「お願い?」

「ああ。よければなんだけど、俺達のアジトまで来て欲しいんだ」


 アジト。

 この人たちだけじゃなくて、他にも人がいるってことか。

 

 俺はどうしようかと由乃の方を見ると「司くんの意思のままに」なんて簡潔に答えていた。

 どうせ予定も無いし、ついていってもいいか。


「いいよ。この辺りの話も聞きたいしね」

「ありがとう。では、案内するよ」

読んでいただいてありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 書籍化する場合 トシマは引っかかる可能性あるのでご注意ください。 咎狗の血で使用されている地名です。 アニメ、漫画、ゲームにて既にありますー
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