↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/46

第18話 コボルトキング②

「見つけた」


 俺は壊れたビルの頂上から、コボルトキングの姿を探していた。

 コボルトキングは大勢のコボルトを率いて移動しているようだ。


「どこに向かっているんですか!?」


 近くまで一緒に上がって来ていた由乃が、少し下の方から大声でそう聞いてきた。


「どこにって……」


 コボルトキングたちが向かっている方角には……

 大学跡が見えた。

 王冠を乗せたような校舎があり、そこに埋め込められている時計は動いていない。

 

「大学の跡に向かってるみたいだ!」


 俺は由乃がいる場所まで下りて、彼女の横で話を続けた。


「だけど、何で大学なんかに向かっているんだろう?」

「自分たちの根城を探しているか……あるいは」

「獲物を見つけた……か」


 コクリと頷く由乃は、眉間に皺を寄せて険しい表情をしている。

 最悪のことを想像しているのだろう。

 自分たちがやられたことを、誰かが同じ目に遭わされようとしている。


 鷹の目でもう一度大学の方角を視認すると、そこには数人の人がいることを確認できた。

 コボルトたちはあの人たちを襲うつもりで移動しているのか。


「急ごう。大学に人がいる」

「……はい」



 ◇◇◇◇◇◇◇



 俺は先行して、一人コボルトキングたちの向かう場所へと駆けていた。

 俺が戦っている間に、由乃も追いつくだろう。


 路線沿いを走っている最中もモンスターはいたが、潜伏を発動していたので横をすり抜けてやり過ごす。


 だが、コボルトだけは始末することにしていた。

 由乃のことを思ってだ。

 彼女にも潜伏の効果はあるはずだが、コボルトを見て暴走したらどうなるか分からない。

 強くなったと言っても、数が多すぎて対処しきれなかったら問題だ。


「『ロックスパイク』」


 土の中級術を発動した。

 14いたコボルトの足元から岩の槍が襲いかかり、奴らは一瞬で壊滅する。


 俺は足を止めることなく、コボルトたちがいた場所を通り抜けて行く。

 そのまま走り続けて大学付近にまで到着すると――


 なんとそこには、コボルトの大軍がいた。


 探索スキルで敵の数を確認する。

 俺の前にいるだけでコボルトの数は――170。

 大学の周囲にはもっといる。


 なんでこんなにコボルトが集まっているんだ?

 コボルトキングが率いていた奴らとはまた別だ。


 もしかして、コボルトキングが引き寄せているのか?

 人間には感じ取れない何かに引き寄せられて、ボスの下に集まる習性でもあるのかもしれないな。


 だけど今はそんなことどうでもいい。

 まずやらなければいけないことは、こいつらを始末することだ。


「おい!」


 コボルトたちに大声で俺の居場所を知らせた。

 奴らはみなニヤリと笑い、俺を殺すために走り出す。


 俺は逃げることはせず、コボルトたちができるだけ固まるのを待った。

 マンションやビルが立ち並んでいる細い道路。

 そこをバカみたいに前方から、左右からコボルトが雪崩れ込んで来る。

 そして100近くが固まった瞬間――


「『ファイヤーナパーム』!」


 ボーン!

 と、俺の目の前で大爆発が起き、コボルトたちが燃え上がっている。

 熟練度が99に達したことにより、威力と範囲が初期と比べると倍ぐらいになったように思う。

 今の一撃だけで、100ほどのコボルトを葬り去った。


 生き残ったコボルトたちは戸惑っていて、俺はその集団に向かって突っ走る。

 しかし、敵を相手にするのではなく大学に向かって行く。


「?」


 コボルトたちは呆気に取られつつも俺を追いかけて走る。

 大学周りにいた他のコボルトたちも、爆発音を聞きつけこちらに集合しようとしていた。


「ソイツヲニガスナ!」


 後方にいたコボルトが俺を指して仲間たちに指示を出す。

 俺はあっという間にコボルトに取り囲まれてしまった。


「バカナヤツ。サッサトニゲレバイイモノヲ」

「バカはお前たちだよ。集まってくれてありがとう」

「!?」


 俺は全力でジャンプし、火の上級術を発動する。


「ニ……ニゲロ!」

「遅いんだよ。『イフリートブレイズ』!」


 俺の言葉に呼応するように、大地からマグマのように炎が噴き出す。

 そして巨大な火柱となって、大量のモンスターを飲み込んでいく。



「……すごいな」


 およそ直径200メートルほどの火柱。

 足元にいたコボルトの姿は一瞬で蒸発していた。


 大地に着地すると地面はまだまだ熱く、俺でなければこの場に立っていられないほどだ。


 残りのコボルトは俺に怖気付いたのか、武器を捨てて逃げ出していた。


 大学の逆側にいるコボルトたちはまだ俺の実力を確認していないので、騒ぎを聞きつけこちらに向かって来ているようだ。


「仕方ないな」


 俺は両手に『ファイヤーナパーム』を持ち、遠投するように空高く放り投げた。

 炎は大学の逆方向まで果てしなく飛翔していき、大きな音を立てて燃え盛っている。

 もう片方の手にある炎も投げ、コボルトたちが退散していく様子が『鷹の目』で確認できた。


 これで残りは、大学内に侵入しているコボルトキングとその周囲のモンスターだけだ。


 俺は大きく息を吐き大学跡の構内にいるコボルトキングを鷹の目で視認する。

 

 覚悟しろ。

 ここでお前は終わりだ。


 俺は潜伏スキルを発動し、敷地内への侵入を開始した。

読んでいただいてありがとうございます。


もしよければ下にスライドして、ブックマーク、評価お願いします。


評価は下にある【☆☆☆☆☆】を押していただければできます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです これからも頑張って更新してください 応援しています
[気になる点] 最後ゴブリンキングになってますよー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。