37. 万有引力定数測定の講義2 ★
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今回は少し短いです。
13時に1話投稿しているので、読み飛ばしにはご注意ください。
「それではねじり剛性率κを求める式を導出していきます」
10分ほど休憩して、わたしは説明を再開した。
「ねじれ振動の運動方程式はねじり天秤の回転軸まわりの慣性モーメントIを使って、このように表せます」
「この式は、以前の単振動の式と類似しており、同様に周期Tを求めることができます」
「慣性モーメントIは、小鉛球を支えている棒の質量を無視すれば、このような式になります」
「(12)式を(11)式に代入し、κについて解くと、ねじり剛性率κを求めることができます」
「ここで(9)式へ(13)式を代入すれば、次のようになります」
「最後の仕上げです。(14)式で出てきたFは当然万有引力の式(1)のFと等しくなっていなければなりませんから、この2つの式を結び、Gについて解きます。m1には小鉛球の質量mを、m2には大鉛球の質量Mを、rには安定したときの小鉛球と大鉛球の距離lを代入しておきます。すると、万有引力定数Gを求めることができます」
「このTはねじれ振動の振動周期Tですから、大鉛球が箱に接したときから小鉛球が安定するまでの過渡振動を測定して、そこから周期を求める必要があります。Sは小鉛球が安定してから大鉛球を反転させてさらに小鉛球が安定するまで待って、スケールに表示された反射リーパ光の移動距離を読み取らなければなりません。なので、すでに大鉛球は箱に接した状態で放置しています。このまま小鉛球が安定するまで待ってから大鉛球を逆側に移動させて、実験を開始しましょう。その2つを測定できれば、後は単純な測定で終わるので、その2つが大変な作業になります。以上が、今回の実験の方法説明になります」
話し終えたわたしはお父さまと先生を見やる。
今回の講義は、剛体の運動にまで踏み込んでいるので、かなり難しかったと思う。剛体の運動についての講義はすでに終えているので、一応2人が理解できない話はなかったはずだけど。
「かなり難しい話だったが、今までの物理学講義で理解できていたところだからまだ追えたな。実際こうして出来上がった式を見てみると、多少文字が多いが、すべてしっかりと測定できる数値なのだな」
「えぇ、しかしクレアさんは説明も上手ですわね。角度θをtanθから近似して求めるところはなるほどと思いましたわ」
「式を順々に展開して求める形にしただけですからね。この実験自体も元の世界で一度やったことのあるものですし、そんな大変じゃないですよ。それより、実験を開始しましょう」
さぁ、実験開始だ。
次回、実験開始です。
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