↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔法の物理学  作者: のん
第一章
28/42

27. 発光魔法の呪符作成2

ブックマークありがとうございます!励みになります。

さて、この世界における光度の単位はわかった。

おそらくb(ブージ)はcd(カンデラ)と同一だと思う。

1 cdはもともとの由来どおり、だいたいろうそく1本分の明るさで、前世で一般的に普及していたLED照明では、60 Wの白熱電球相当のものでだいたい65 cdだ。ただしこれは照射角を360度とした場合。

となると65 bを規模のところに入れればいいのかな。


わたしは作成途中の呪符のうち1枚を取り、第二円に《規模[65 b]》《位置[0 r]》と書いた。第三円を描き、中に《魔力》《光エネルギー》と書く。

第三円の変換元、変換先の書き方はよくわからない。とりあえず適当に2つを並べてみただけだ。


これで成功したらいいんだけどな、と思いつつ、魔法陣の下部に発動キーとして《光よ》と書く。

呪符を手に持ち、唱えた。


「《光よ》」


何も起こらない。

原因を考えてみよう。

1. 第二円と第三円の記述が逆

2. 変換対象の書き方がおかしい

3. 1と2の両方

4. 何もかもでたらめなことをやっている

あたりが原因として考えられる。

4はちょっと原因としては考えたくない。


原因が1なら解決方法は簡単だ。

わたしはもう1枚用意してあった紙を取り、先ほどとは第二円と第三円の記述を逆にして魔法陣を完成させる。

呪符を手に持ち、再度唱える。


「《光よ》」


やはり何も起こらない。

これは変換対象の書き方がおかしいのだろうか……。


模索の時間が始まった。

一回の模索でいちいち2枚の呪符を作るのも面倒だが、原因が3つ目のものである可能性もあるのだ。


まず、魔力の前にfromに該当する魔法語、光エネルギーの前にtoに該当する魔法語を入れて試してみる。

どちらの呪符も反応しない。


次に、《魔力》と《光エネルギー》を矢印で結んでみる。矢印の代わりに線を使ったものも作成した。

どれも反応しない。


次に、変換対象の部分に《変換[魔力, 光エネルギー]》と書いたものを作ってみる。第一円の中に《変換》が入っているのだからこれは意味がない気もする。

結果は予想通りダメだった。




―――模索を開始して数時間。

いろいろと試してみたけど全部外れに終わった……。

呪符を描きすぎて手が痛い。腱鞘炎になりそう。

魂が抜けた表情でいたら、カリーヌ先生が声をかけてきた。


「まあ、すぐにできるものじゃないわよ。ほら、アニーさんも呼びに来ていることだし、夕食に行きましょう」


どうやら夕食の時間になっていたらしい。

仕方ない。いったん切り上げよう。

わたしは、カリーヌ先生とともに食堂に向かった。


食堂にはすでにお父さまとお母さまがいて談笑していた。

お父さまは入ってきたわたしに気づき、声をかけてきた。


「おぉ、遅かったな。どうした? 浮かない顔だが」

「遅れて申し訳ありません、お父様、お母さま。それが、発光魔法の呪符を作ろうとしたのですが、なかなか成功しないので、ちょっと落ち込んでいます。今まで割と順調に進んでいたので、少し高をくくっていたのかもしれません」

「まぁ、物事はそううまく進むものじゃない。何度も何度も試して、失敗の果てに成功はあるのだからな」

「そうよクレアちゃん。わたしなんて、最初魔法を学び始めたときなんか失敗ばっかりだったんだから。むしろすぐに魔法を使えるようになる上に新しい魔法まで作っちゃうなんて、逆にこれまでが異常だったのよ」

「そうですね、そう思うことにします」


しばらくして料理が運ばれ、談笑をしながらも食事が始まった。

今はお父さまがお仕事での訓練の話をしている。


「今日は空の鎧を相手に訓練をしていたんだが、部下の一人が突きをしてしまってな。相手が鎖帷子で剣がレイピアならともかく、プレートアーマーに普通のロングソードでは貫けるはずもないのだが、なんとそいつは貫いてしまったのだ」

「まぁ、そんなことが可能なのかしら」

「その部下が言うには、剣に魔力をまとわせてしまったとのことだった。魔力を使うのは禁止だと言ったんだがな。おそらく気合が入りすぎたのだろう」

「ジャック様、剣に魔力をまとわせることで鎧も貫けるようになるのですか? あたしは剣には疎いので、よくわかりませんが」

「そいつは火と土の二重だが、火の魔力を込めると剣を熱くすることができる。それで鎧を溶断したんだ。破損した鎧も切り口が溶けていたからな」

「それだと剣も溶けてしまうのでは? あぁ、土属性の魔力で剣の耐久力を向上させたのですね」

「そうだ。私は火の単一だからこの方法はできない。魔法剣というやつだな」

「それをとっさにしてしまうとは、さすがは近衛騎士団所属の方ですわね。ほぼ無詠唱魔法に近いものですわ。それも鉄の鎧を貫くほどの力ですし、強いお方なのですね」


お父さまたちが会話している中、わたしは食事をしながら魔法陣のことについて考えていた。お父さまたちの会話から頭の中に単語が入ってくる。

訓練、突き、魔力、気合、貫く……


「それだわ!」

「うおっ、どうしたクレア、急に大声を出して」

「こうしてはいられません!」


わたしは立ち上がって食堂を飛び出た。

変換対象の記述にどうやって変換を関連づけるかずっと不明だったが、しっくりくる答えが得られた気がする。

呆然とする家族とカリーヌ先生を後目にわたしは自室へと急ぐのだった。

今回は珍しく悩む回でした。

おっと主人公が何かに気が付いたぞ……。


下の評価ボタンをぽちっとしていただければ、筆者非常に喜びます。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。