26. 発光魔法の呪符作成1
昨日は800PV行ってました。確か最高記録だと思います。皆様閲覧ありがとうございます。
灯火魔法を改良した日からまた数日。
わたしは四属性すべての初歩魔法の短縮詠唱を習得し、ついにカリーヌ先生との共同研究が始まった。
といっても、先生の研究に関して今のところわたしのやることは少ない。
というより、発光魔法を開発したわたしはまず照明の魔法具を作れ、と先生より言われており、まずそちらを完成させなければならない。
一応、構想はある。
せっかく光の色も変えることができるので、前世で使われていたLED照明のように白い色から常夜灯のようなオレンジ色の光が出せるようなものを作りたいと考えているが、とりあえずは白く光る照明だろう。
今のところ発光魔法が使えるのはわたしだけだから、照明魔法具を作ることができるのは現状わたしだけ。
そもそも、発光魔法は属性が不明だ。だから、誰が使えるのかとか、そういったこともわからない。
個人のみが使える固有魔法である可能性すらある。
そうなると、もし照明魔法具が認可されたとして、生産するのはわたし一人になるから、絶対に無理が生じる。
早く両親やカリーヌ先生にもエネルギーの概念を理解してもらって、発光魔法が使えるかどうかのテストをしてもらわないといけないなぁ。
わたしはとりあえずの方法として、発光魔法で呪符を作ることにした。
まずは、発光魔法の魔法陣を作ることが先決だ。
わたしが発光魔法を使った時に唱えた呪文は、
《魔力を光エネルギーへ変換せよ》
だった。
だから、第一円の中に書く魔法語は《変換》だ。
第一円の中に書く言葉は、呪文の最も最後に来る動詞の部分だからだ。
第二円に書く魔法語は、普通なら規模と位置だが、この魔法の場合は少し悩む。
なぜなら、第一円に書かれている命令は《変換》で、これだけでは何を何に変換するか指定されていないからだ。
普通に考えるならまず変換する対象を指定して、そのあとに規模と位置だが、セオリーにのっとるならまずは規模と位置だ。
なぜこんなことで悩んでいるかというと、わたしが単語による魔法発動で、発光魔法を試していないからだ。
一足飛びに、《発光》の一言で魔法を発動できたためである。
変換する対象と変換される対象の入る位置がわからないのだ。
とりあえず、わからなければ両方試してしまえの精神で、呪符を二枚作るとしよう。
わたしは紙をもう1枚取り出し、こちらにも第一円の中に《変換》と書く。
1枚は、第二円の中にセオリー通り規模、位置を書き第三円の中に変換する対象などを書く。
もう1枚は、第二円のなかに変換する対象などを書き、第三円に規模、位置を書く。
と、ここまで考えてはとと気づいた。
この世界には、光の規模を表す単位ってあるんだろうか……と。
前世では、光に関する単位としていくつかの単位があった。
光に関するSI基本単位はcdで、光度に使う単位。光度は、「点光源からある方向へ放射される光の明るさ」と定義される。古くはろうそく1本分の明るさを表す量として記述され、カンテラやキャンドルとも語源が同じである。
人間が感じる"明るさ"は必ずしも光のエネルギーとは比例しない。たとえば、蛍光灯で照らされた部屋に人間が入り、蛍光灯を消し、同じエネルギーの赤外線で部屋を照らしても人間はその部屋を真っ暗だと認識する。人間が感じる光の明るさを定量化したのが光度だ。
そのほかに、組立単位として、lmとlxがある。
1ルーメンは「全ての方向に対して1カンデラの光度を持つ点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束」と定義される。光束は、ある面を通過する光の明るさを表す物理量だ。
1ルクスは「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされる時の照度」と定義される。照度とは、物体の表面を照らす光の明るさを示す物理量となる。
光の明るさに関するSI基本単位カンデラは、ほかのSI基本単位と異なり、ヒトが感じる量を表す単位で、定義が非常にややこしい。そのために、光の明るさに関する単位はよくわからないものが多い。わたしも完全に理解できているわけではない。
この世界には、光の明るさに関する単位はあるだろうか。
先生に聞いてみよう。
「先生、光の明るさを表す単位ってあるんですか?」
「魔法陣の規模に使うのね。光の明るさを表す単位はろうそく1本が照らす明るさを1 bとして表すのよ。参考になったかしら」
「はい、ありがとうございます。大変参考になりました」
カンデラの由来と同じではないか。
とりあえず、規模に使えそうな単位が分かったので呪符を描いてみよう。
光の明るさに関する単位系は本当に筆者もよくわかりません。今回調べてなんとな~く理解した程度です。ちなみに今回出てきたこの世界の光の明るさを表す単位ブージは、フランス語で「ろうそく」を意味するBougieから取りました。綴りもbougiです。カンデラはもともとはラテン語からとったらしいです。
※ステラジアン: 立体角の単位の一つ。記号はsr。
※立体角: 半径1メートルの球の中心を角とする円錐が切り取る球の曲面の面積で表される。
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