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第2話(一) 【王道と言えば王道】
南河高校、昇降口前。
沢山の人で溢れていた。
駅で苦労した俺に対する嫌がらせかと思う程の混雑ぶりに、少々辟易する。
「捺莉。後は任せた」
「えぇっ。見に行かないの?」
「俺はもう精魂尽き果てている。あんな人混みに突っ込む気力なんざ残っていない」
俺はその場に座り込んで傍観を決め込む。
人が捌けなきゃ校舎にすら入れないってどういう事だ。
頼りない足取りで掲示板に歩み寄る捺莉。
さすが、人と人との隙間に入る能力だけは天下一品である。
そして、何故か全力疾走で戻ってくる。
「大変だ! 皆一緒だよ!?」
「皆」に俺は含まれてないと良いなぁ……。
「……皆、って?」
俺の質問に、良くぞ聞いてくれましたとでも言いたげに顔を輝かせる捺莉。
「もちろんゆー君と私だよっ!」
「あれ俺は!?」
すぐ隣で色々と凄い顔で突っ込む里史。
「あ……、ゴメン。見てなかった」
中学の時と去年一年間、合計して三年間一緒のクラスに居る筈の里史を入れ忘れるってどんな薄情者だ。
案の定、里史は肩を落として掲示板に向かっていく。
……そして全力で戻ってくる。
「喜べ籠谷っ!」
「喜べるかっ!!」




