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湾岸物語  作者: たま


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13/13

新たな難儀

翌朝、ショッピングモールの防犯カメラのコピーと共に警察へ波瑠と三笠は出向いた。

程なく…静馬は捕まり、真美は事情聴取を受けた。小坂は懲戒解雇(ちょうかいかいこ)となった。

本人は驚いたが、花村ホールディングスからはハッキリとした理由などは示されなかった。

社内サイトからは波瑠の写真は消された。


週末 事の顛末を動画配信終わった三笠と波瑠が自分達が住むタワマン前の海沿いの道を歩く。

「このルートで帰るのが好きなのバレてたのよね〜気をつけないと!」そう言う波瑠の肩を三笠がしっかり抱き寄せる。何だか不吉でしかない。

「でも同じルート好きだったから波瑠を助けられたしね。僕はこれからも変える気ないよ。」と三笠がいつにも増して気持ち悪い。

が、波瑠は幸せそうに三笠にもたれかかる。

「私からね、真美に連絡取ったの。小坂とは離婚したって。親同士の話し合いになったけど弁護士挟んだから相殺(そうさい)の形になったって。小坂は実家ある三茶で飲み屋始めるって。

真美はしばらく子供と実家で暮らして子育てするって。」波瑠が淡々と話す。

「お子さんは誰の子になるの?」三笠が聞く。

「法律的には小坂だけどDNA鑑定はしないって。真美の私生児として育てるそうよ。」波瑠がそれを淡々と話す。

「懲役刑ついた人と再婚や認知ついたら子供が可哀想だからね。小坂とは、とにかくもう関わりたくないって…賢い選択だと思う。」と波瑠がため息つきながら話す。付き合いたての華やいだ空気は、波瑠と三笠の間にはない。

「そうか、君への殺人未遂の刑は有罪判決だもんな。

でも執行猶予ついたんだろ?」三笠がレインボーブリッジを眺めながら芝生に並んで座って波瑠を抱きしめながら顔をスリスリ波瑠の後頭部につけてる。

「うん、三笠が助けてくれなかったら私は確実に死んでたしね。でも、すごい反省してたしね〜

元は真美も静馬も善良な人達なんだよ。

問題は…小坂なんだよ、結局。」波瑠が深く深くため息をつく。

「彼からメール来たって?見せてよ〜」と三笠が波瑠の携帯をのぞき込む。

そこにはツラツラと長文が。内容を読む気すらならない。

「番号変えて、部署の誰がもらしたのか?また問い詰めないとね!」と削除ブロックした。

「ほんとに。1番の原因がお咎めなしだもんなあ〜

実家が三茶ってスゴイな。店ってどんなのだ?」三笠が可笑しそうに波瑠を抱きかかえて久々の陽光にまぶしそうに東京湾を眺める。

「さっき書いてたよ。三角地帯でトライアングルバーだって。

また新しい騒動が起きそうだよ。絶対三茶近付かないようにしないと!」波瑠が三笠の胸に顔を埋(うず)める。

難儀(なんぎ)から難儀(なんぎ)に乗り換えただけな気がするが…いつも恋人達を眺めるだけだった場所で辛(かろ)うじて恋人と過ごせる…幸せかもしれない。

それに命の恩人だ。もう、それだけでいいか?

いや、良いのか?分からないが。

ふう、娘の元彼!今だに腹立つ〜

けど無事に別れられて親戚ならずに済んだのはラッキーだった。

私、絶対心労で倒れてたと思う。

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