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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第1章 物語の始まり

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5


 楓花は、キャビンを確認する。後部座席のベッドの他に、元からあったルーフベッドもある。

 梯子を上り、ルーフベッドに上がると立っていられるほど天井が高い。そしてまた梯子があった。それを上がると1㎡の上がりがあってドアがありその先には廊下があった。ドアが3つある。一番奥のドアを開けると広い部屋があった。

 もう訳が分からない。

 次元が折れ曲がっている?

 これはあれだ…異世界物のお話しによくある空間拡張とかいうもの?

 部屋の中には、セミダブルベッドやクローゼットとタンス、折り畳み机などがあり普通に部屋として使えそうだった。


 タンスを上から開けていく。

 1段目は空、2段目も空だった。

 3段目にアクセサリーと書斎にあった石のような物がビロードの上に置かれている。小さなバッグ付きのベルトとブラウスが3枚入っていた。

 

 「腕輪?バックルってやつかな?」


 金色のそれを手に取り、左腕につけてみる。

 

 「似合わないね」

 

 楓花は呟いて鏡を見ようと立ち上がったが、バックルは消えてしまった。


 「あれ?つけたよね?今付けたよね?どこに消えたのよ。」

 

 楓花は少し不安になり、他の物を付けるのはやめた。

 4段目からの引き出しは上段の半分くらいの厚さしかない。

 4段目に映画で見るような丸い飾りのついた杖と小さくて細い指し棒のような物が並んで入っていた。下にはクッションが敷かれているので大切に入っている。

 5段目には、弓と矢と矢筒が入っていた。それとショートソードというのかな?刀より少し短いくらいの剣だ。

 6段目には、銃らしき物が数種類入っていた。銃弾の入った箱も並んでいた。

 

 「ん~武器があるのって銃刀法違反にならないの?美術品?」

 

 いや、それにしても…このコレクションは、なんというかゲームの始まりの町で手に入れるような種類の武器?

 それにしてはずいぶんと豪華すぎる輝きを持っていた。

 

 他の部屋は、キャビンホテルのシングルルームの部屋のような作りだった。ベッドはシングルで足元には棚が出はっていた。その隣には同程度のスペースがあるだけの部屋だ。鍵はかかるようなので正確にはきちんとした個室だ。

 

 

 楓花は気を取り直して、階下へと降りた。

 1階のベッドとソファーセットの間にある右側のロッカーを開けてみる。

 中にはフード付きのマントのような物が2種類あった。

 ベージュのシンプルな物と紺色で銀色の糸の刺繍が入っているものだ。

 そして、剣が1差し引っかけられていた。

 その手前には剣を下げるためのベルトも用意されていた。


 「剣!?これは…ショートソードとか言うもの?」


 聞いたところで返事をする人は当然だがいない。

 ロッカー内側の棚には斜め掛けバックとリュックサックが入っていた。その下にはロープが10本ほど転がっている。

 下に引き出しがあるので引き出すと、眼鏡ケースと茶色い巾着袋がいくつも入っていた。

 口を縛る紐の色が数種類あったので、1色ずつ取り出した。

 ずっしりと重い。

 赤いリボンと青い紐、生成りのロープの3種類だ。


 一番重量のある生成りのロープの結びをほどき中身をテーブルに開けてみる。

 中からは大量のコインが出てきた。色も大きさも様々だ。

 見慣れないコインは大和の硬貨ではない。

 だからと言って、海外の物とも思えなかった。

 コインは少し歪んでいて綺麗に重ならない。現代の硬貨ではなさそうで、どうにも違和感があった。

 

 生成りのロープの巾着には金貨や大きさの違う銀貨、銅貨など見慣れないコインが10枚ずつ入っていた。

 青い紐の巾着には一回り大きな金貨だけが20枚入っていた。

 赤いリボンの巾着には、プラチナっぽい白っぽい金属でできたコインが10枚入っていて、これは1袋だけだった。

 青い紐の巾着は2つあり、残り4つは生成りのロープだった。

 

 「う~ん…本当にどういうこと?」

 

 ここは何?

 楓花はため息をついて、お湯を沸かし始めた。

 ドリップパックを開けて、コーヒーを淹れて飲む。

 チョコレートを食べると少しだけ落ち着いた。


 トイレの扉を出てすぐの位置の上部にはエアコンがついていた。その下にはドアがあり開けてみると運転席だった。

 いつもの軽キャンピングカーの運転席と助手席だ。

 運転席に座って、ドアのあった場所を見ると助手席との間の奥に、非常時のドアについているような丸いリング式のドアノブが見えた。通ったはずの大きなドアは見えない。

 ハンドルの下にはボタンがたくさん並んでいる。あるのは知っていたけれど意識していなかった。

 使っていた機能は、タッチパネルのナビとETCだけだ。

 把握しないのは少しまずいかもしれない。

 助手席側のボックスを開けてマニュアルを取り出した。

 車の機能はどれも同じだろうと読んでいなかったけれど、読んでおいた方がよさそうだ。


 数ページをめくる。

 ハンドル下のボタンの説明らしき絵に手を止めた。

 

 「えっと…ステルスボタンに、ガード範囲変更ボタン?ガード?探索ボタンと横の上下が探索範囲の操作?」

 

 だめだ、疲れているらしい。

 文字を読めるけれど意味が分からない。

 でも、ガードというのならきっと守ってくれるのだろう。

 何から守ってくれるのかは疑問だけれど…。




読んでくださりありがとうございます。

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