ニケ伝説 (14) ゼラセとの夜②
ゼラセとの話はまだまだ尽きないようで……
アタシはニケ。15歳。
今、とても困ってる。
それというのも、少しだけ話をさかのぼるんだけど……
要塞を攻略した夜、ゼラセと同室になって、この大陸の話を聞いてたのはよかったんだけど……
「ニケよぅ、アタイばっかじゃなくってよー、あんたの話も聞かせてくれよ」
なんかゼラセが急にそんなこと言いだしたんだよね。
アタシの話って言われてもなぁ……?
何を話せばいいんだろ。
よくわかんなくて。アタシは今、とても困ってる。
「その"ちーと"装備ってなんなんだよ」
ん? それ、話さなかったかな。
「え、だから言ったよね? 神様がくれたんだよ。"ちーと"の意味は知らないけど、いっつもレイは安心安全ちーと装備って言ってたから、多分……安心安全装備って意味だと思う。あ、それに、装備してても全然重さとかもないし、擦れる痛みもないし、やっぱり安心安全って意味だよ。」
「安心安全〜? ほんとにかぁ〜? アタイ死にかけたぜ?」
ゼラセは眉を寄せていた。
「いや、だって決闘ってゼラセが言ったんだし……」
「まーな。どんなモンか知りたくってよー。マジもんの神の眷族だとは思ってなかったしよー」
「いや……なんども言ってるけどさ、アタシは普通の人間なんだって。」
「んじゃ、なんだってそんなすげぇモンもらってんだよ?」
……たしかに。
そう言われてみると、何でレイはアタシにあんなに優しかったんだろ。
最初助けてくれたときは、子供が戦ってると思ってほっとけなかった、って言ってたよね。
ちーと装備はなんだっけ。
……なんか、お礼とか言ってたな。街に案内するお礼。
「普通よー、神なんてのは、人間の前になんざ中々現れねぇし、ましてや人間のために、なんかしてくれることねぇだろ」
うーん。やっぱりレイって神様っぽくないなぁ……。
「レイはね、あんまり神様っぽくなかったんだよ。すごく優しかった。だからアタシはレイのために生きるんだ」
「ふーん。創世十二神でもない神を信仰してっとは、変わってんなぁー」
「あ、でもレイ、創造の女神ソールフレイヤ様の唯一の子って言ってたよ。変な神様だけど、変じゃないよ」
「ぶっ……?! マジかよ?! はぁー。ほんじゃあ……いつまでもニケにいてもらうわけにもいかねぇかぁ」
「ん? アタシはセンタロストに……」
「航海して行くにも、船いるだろ? オヤジがよー、ニケは強えから色んな問題片付けてもらって、なんならデヴィングの神にしようぜ! って言ってたんだけどよー。そんな感じだと、ちゃんと送り届けねぇと……神罰が怖ぇな……ってな」
「えぇ……? アタシは仕事だから、やってるんだけど?!」
「まぁちゃんとオヤジには話しとくよ」
ドン・ベッテュル、そんなふうに思ってたんだ……。
うーん。もし、ゼラセたちに送ってもらえないとなると、違う方法考えないとだ。
アタシは今、ちょっと困ってる。
星からの脱出を目指すニケだが、国が放っておいてはくれない様子。




