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1-6 四回戦

1日目の四回戦。

時刻は15時30分だ。


四回戦の最後15試合目、我利山田君が戦うのは、僕が密かに注目してる嵩ノ(たかのしょう)と言う外素人(げすと)部屋の力士だ。

外素人部屋は、ゲストという名の通り今回3日間だけ参加する素人力士の枠の位置付けの部屋だ。

嵩ノ将君は、31歳で178cm57kgとスリムなイケメンさん。僕が注目する理由は、足の細さ。

57kgと言うのに、我利山田君よりふくらはぎが細い事に気付いたのだ。


普段は、仕事だけで現在スポーツなどしていないらしいが、もともとバドミントン経験はしていたようだ。

なのに、めっちゃ細いふくらはぎ。太ももは細いがソコソコの筋肉はある。

そして、今日の成績はここまで1勝2敗。

あの突進関を立ち会いのはたき込みで倒しているのだ。



我利山田君は、太ももの肉の付き方で負けているが、正直10kg以上相手が重いとは思えない。

全体的にスリムな嵩ノ将関。

我利山田君が勝てそうな力士で注目の対戦だ。


土俵に上がる2人は、共にスリム。

相撲をするようには見えない2人の対戦。

我利山田君はこれまでの試合より、自然体で仕切っている。相手の威圧感が無いからか?

スリムイケメン同士の戦いどうか!


「ハッケヨイ! のこった!」


立ち会い、何と2人共相手の手を掴み合う。

その中でバンザイの形で両者手を握り合って力比べだ。

水泳で日焼けしていて、細いスジ筋の我利山田君と日焼けしてない嵩ノ将の白くて細い腕。

何と嵩ノ将が圧し気味だ。

やはり、体重差11kgはどこかで筋肉があるのだろう。

っと! 我利山田君両手を掴むのを止めて、嵩ノ将に抱きつく!

力負けしていた腕力に気づき焦りが見える。

嵩ノ将も我利山田君に付き合って腕を回し我利山田君の背中に抱きつく。

嵩ノ将も背は高い方だけど、我利山田君の首辺りに顔を付ける感じ。両者棒立ちに近い状態だが、相手に腕を巻き付け必死の戦いだ。


「ソレ ハッケヨイ!」


行司もけしかける。


我利山田君少し体勢を低くして嵩ノ将の首に頭を付ける。足も少し曲げて、身体の力で前に押している。

客席に居る僕は、嵩ノ将が押されている背中を目の前で

見ているが、コチラに見えている嵩ノ将の太ももはスジ筋が力を入れて耐えているがふくらはぎは力を入れると細く縮んだようにも感じるほど細い。

戦い方から見て、余裕があるのかと思っていたけど、これは今防戦一方のようだ!


腕力だけだと嵩ノ将有利だったはずが、抱き合ったせいで状況が変わったようだ。

何とジワジワ我利山田君が押している。

水泳で鍛えた細い足筋で嵩ノ将を押している。


「我利山田、押せ押せ!」


僕は、声援を送ってしまった(笑)

そうしたら、嵩ノ将の首の向こうの我利山田君と目が合った。

我利山田君とアイコンタクトをとれた気がする!


そうすると、さらにジワジワ土俵際に近づいてくる。異様な熱戦になって周りも拍手が鳴っている。


コチラから、我利山田君のバキバキの足筋が見える。全力を使っているのだろう。嵩ノ将の足が徳俵に付く。


嵩ノ将は徳俵につま先立ちになる。我利山田君に抱きつくだけで、反撃の機会を失っている。ふくらはぎが細い!

まさかと思うが、我利山田君の足の方が力強い!


嵩ノ将が、我利山田君の首に抱きつく形になり、体勢が浮く!

2人一緒に土俵下に落ちてきた!


「グゥ!」


嵩ノ将が土俵下客席の僕の所まで吹っ飛んできて倒れ込んできた!

目の前に、我利山田君。

「ヨッシャーっ!」

我利山田君は僕に笑いかけてくれ、ハイタッチしてくれた(笑)

イケメン嵩ノ将が倒れ込んだ横でその様子を見ていて、ちょっと睨まれた。


我利山田君1勝3敗。

嵩ノ将1勝3敗。


勝った我利山田君は見事。

ただ、負けた嵩ノ将もやはり気になる力士として記憶にのこった私なのだった。

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