1-5 三回戦
昼休みを挟み、三回戦が始まった。いきなり我利山田-成視凄徒の一番である。
成視凄徒くんは20才。身長182cm体重58kgのモテそうなスリムな体型にイケテル髪型をした超イケメン。
既にキャーキャー言われている、池面部屋所属力士。
私は我利山田くんの方がイケメンだと思うが、人それぞれ感じ方の違いだ。
土俵上では、身長が5cm上回る我利山田くんを成視凄徒が睨んでいる。自分より背が高い事が許せないようだ。
ただ、あまり熱心に筋トレはしてなさそうだ。贅肉の無いスリムな身体だ。色男は強いのだろうか?
立ち合い。
『ハッケヨイ!ノコッタ!ノコッタ!』
我利山田くんが低い体勢でぶつかる。さっきの話しを参考にしてくれたのだろう。
成視凄徒は上から上手廻しを取る。
我利山田くんは下手廻しをガッチリ掴んだ。
動きが止まる。
『ホイ、ハッキョイ!』
我利山田くんが成視凄徒の胸に頭を付ける。
成視凄徒の脚は美脚だが、筋肉質ではない。
その半分の太さの我利山田くんのスジスジな脚の筋肉でジリジリ攻め始めている。
『ソレ、ハッキョイ』
成視凄徒が苦戦している自分が許せないようで、上手廻しを引き付ける。
我利山田くんの体勢が浮いてしまう。
胸に付けていた頭が成視凄徒の右肩に載る。
あ、我利山田くんが外掛け!
いや、効かない。脚が細すぎて、成視凄徒のヤワな脚さえ崩せない。
今度は成視凄徒が押す!
外掛けを打って体勢が浮いた中で押され、ズルズル圧される!
『パチンッ パチンッ』
何と、成視凄徒が土俵際まで追い込んだ我利山田くんの尻を叩いている。
苦戦している自分をよそに、我利山田くんをバカにしている!
我利山田くんは尻を叩かれながら必死にノコっていたが反撃出来ない。成視凄徒が尻を叩くのを止め、攻勢に出たら呆気なく寄りきられた。
2人ともゼーゼー言いながら土俵を降りる。
我利山田くん0勝3敗。




