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クラス全員、既読です。  作者: 井上笑子


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1話 ホームルーム

 青園高校2年3組。

「んじゃ、帰りのホームルーム始めるよ。全員席着いてー」

 藤堂弥生は、クラスの生徒に着席を促す。

 

「さて、諸君。もうすぐ文化祭だけど、忘れてるやつはいないね?

 今度何やるかクラス会議やるから、早めに考えときなさい」

 お祭り男の岩城がワクワクした顔をした。

 

「それから、数学の金子先生から、最近宿題忘れが多いって聞いたぞー。

 バレないようにしなさい」

 伝言を伝えれば、顔を逸らす生徒多数。

 そんな正直で大丈夫かね?

 弥生が笑って注意すれば、吹き出すものが現れた。

 

「あ、そうだ。明日三限の体育はジャージ忘れんなよー。寒いからな。

 あと、進路希望調査出してないの、あと3人。誰かわかってるからな」

 弥生は生徒たちを見回す。

「相談ならいつでも乗るから、声かけなさい」

 彼ら彼女らが思い思いに嬉しそうな顔をするのに、弥生はちょっと照れて、指で頰を掻く。

 いつのまにか、私も慕われたもんだね。

 

「さて、今日の連絡はこれだけ!

 諸君、部活後は寄り道せずに帰ること!気をつけて帰れよー」

 ぱっぱと、連絡事項を伝えて、弥生は、生徒を促す。


 弓道バカの林が真っ先に教室を出ようと席を立った、その時。

 弥生は教室の床に、魔法陣が走り始めているのを見た。

「全員、止まれ!そこから動くな!」

 弥生は目を見開いて、生徒を静止する。

 もう発動している魔法陣の上で動けば、何が起こるかわからない。

 まずい!

 これ、転移系の術式だ。

 生徒がおとなしく自分を見上げるのを隅に、弥生は術式を構築した。


 瞬きの間に、魔法陣は起動し終え、

 ——そして、教室には、誰もいなくなった。

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