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訪れた転移から始まる物語 じーじとルナと僕 12 ルナの刀作り

  やっとルナの刀の制作が始まります。  どうなるでしょうか?



三月みつき 冬弥とうやは大学の卒業旅行を選ぶ際に、霧に包まれた信州の湖と深い森の写真に深く心が惹かれて旅行会社のプランを選択して、旅行に行く。

美味しい夕食を食べた後の散歩で驚愕の事態になる。


気がつくと、見知らぬ部屋で、じーじとルナと言うエルフの少女に出会う。


そこから始まる転移少年の成長の物語です。

さて、昨日はじーじの刀を作ったんだ。  じーじの体格と力に合う大太刀だ。


今日はルナの刀を作るということで、昨夜のルナは興奮していて、なかなか眠らなかった。



でも、睡魔に負けて眠った彼女は俺を朝方ギュッと抱きしめて、抱き枕状態にしたんだ。


身体全体で俺を抱きしめているから、柔らかな体と甘い匂いで、くらくらして、うーん、幸せだけど、ぎっちりと抱きしめられて、腕が、太ももが痛い!!


起きた俺は、なんとかルナの抱擁(ほうよう)を抜け出して、トイレとかの用事を済ませて食堂に行く。


今日もパンの焼ける良い匂いがしている。  ちょっと遅かったな。


昨日、パン作りを手伝っても良い。と言われたばっかりなのに、寝坊だぞ。



「おう、トーヤか。  おはよう。  どうじゃ?  今日はベッドから落ちなかったか?」


「はい、落ちませんでしたけど、抱きしめられて痛かったです。 それで起きました。」



「ふぉぉ ふぉぉ  そうか、まあよい。  お茶を煎れよう(いれよう)。」


じーじが立ち上がり、お茶の準備をして、俺にお茶を注いだカップを差し出してくれる。



それを受け取り、冷ましながら飲む。  甘い果実の匂いとお茶の渋味とコクが合わさって美味しいお茶だ。


「さて、トーヤ。  今日も農作業は軽くて良いぞ。  ルナの刀を作らなくてはならんからの。」


「はい、分かりました。」


「それでじゃ、お前さんの刀より薄くて軽くするとどうじゃ?」


「いえ、普通の厚みで良いと思いますよ。  普通に折れやすいです。  それに、砥いでいくと、すぐに地金が出てきてしまいます。」


「そうか、なら厚みは普通で、長さを短くするか?  それでどうじゃ。」


「はい、それなら大丈夫でしょう。 普通は短い刀は脇差と言って、厚みと拵え(こしらえ)は殆ど同じで、長さが短いんです。  長刀と短刀でしょうかね。」


「まあ、ルナの普通に使っている短剣を目安にしてみるか?  そうしよう。」



こうして、じーじとの話が終わり、雑談をしているとルナが入ってきた。


「じーじ、トーヤおはよう。  何を話してたの? 早速朝ごはんを作るわよ。」


「トーヤ、手伝って。  かぼちゃとにんじん、玉ねぎを持ってきてくれる? 全部一個づつよ。」


「はい、分かりました。」  俺は(かご)を持ち、野菜庫に行き、野菜を持ってキッチンに行き、野菜を洗って、ザルに入れておく。


ルナは野菜を切って、ザルに入れて、俺に頼んでくる。


「トーヤ、かぼちゃ茹でて(ゆでて)おいて。  それから茹で汁は取っておくのよ。」


「はい、分かりました。」  深い鍋にかぼちゃを入れて、茹で始める。

 

ルナは他の野菜を切って、肉と玉葱、にんじんの炒め物と、かぼちゃが茹だつ直前ににんじんの細切りを入れた。


ザルでかぼちゃとにんじんを取り、ボールに茹で汁を入れておく。


今度は肉と野菜をかぼちゃの茹で汁に入れて、味付けをしてる。


ふんふんと鼻歌を歌いながら楽しそうに作っているルナ。


かぼちゃとにんじんを潰して(つぶして)、ビネガーと調味料で味付けをしてる。


これで全部出来たかな?  配膳(はいぜん)が始まる。


肉と野菜の炒め物。ホットかぼちゃ。 野菜と肉のスープ。


全部盛り付けて、食卓に運んで皆で食べ始める。


かぼちゃの茹で汁を使ったスープが甘くて美味しいし、ほっとかぼちゃと肉野菜いためをパンで挟んで食べると美味しい。  うん、デリシャス。


本当にルナは食事を作るのが上手いな。


ごちそうさまをして、食器をきれいにして、食器棚に納めて終わり、じーじがお茶を入れてくれて、皆で飲みながら話をする。


「ルナ、今日も農作業は軽くて良いぞ。  ルナの刀を作るからの。」


「うん、やったね!! ありがとうじーじ。  早く手に取りたいわ。」


こうして、農作業を終えて、早めの昼食を食べ、ルナの刀作りが始まった。



「ルナ、いつも使っている短剣を持ってくるんじゃ。 」


はい、持ってくるよ。」


ダッシュで短剣を持ってきたルナの手から、短剣を受け取り、重さを確かめる。


これより少し重めで長めか。 魔鉄(まてつ)とミスリル合金のインゴットを合わせて刀にする形と長さを錬金術で作っていく。 外身(そとみ)が魔鉄で内身(うちみ)がミスリル合金だ。


「これを持ってみるんじゃ。  どうかの?」


「うん、良いんじゃない。 普通に持てるよ。」


「じゃあ、始めるぞ。」


あらかじめ火を入れていた魔導炉(まどうろ)に刀にする刀身(とうしん)を入れて、熱くしていく。


熱されて、赤くなった刀身をヤットコで挟み、金床に乗せて、ハンマーで叩いていく。


カン  カン  カン  カン  カン  カン


冷めると魔導炉に入れて、温めて叩いていき、反り(そり)が出て、外身と内身が馴染んで(なじんで)いく。


カン  カン  カン  カン  カン  カン


金床で刀身が作られていき、形がどんどん出来ていく。


カン  カン  カン  カン  カン  カン


中子の形も出来て、刀身の形もきれいだ。



油桶(あぶらおけ)に入れて冷まして、また熱くして打ち、(はい)の桶に入れる。


カン  カン  カン  カン  カン  カン


十分できた感じの所で、水桶(みずおけ)にいれて、急冷する。



これを今度は回る丸い砥石(といし)砥いでいく(といでいく)。  段々と光ってくる刀身と、刃紋(はもん)が薄っすらと見えてくる。


今度は刃付けだ。  砥石で刀身と内身を砥いでいき、刃付けを行っていく。


最初は砥石の汚れで汚く見えていた刀身が、きれいな刀身で見えてくる。


「すごいね。  私の刀もうすぐ出来るの?」


「うん、そうだよ。  ここまでくれば、(つば)(つか)(さや)だね。」


「そう、きれいだわ。  早く出来ないかな?」


じーじは鍔を作り始める。  錬金術で大体の形を作り、刀身に通して、確かめてから、熱を入れて、叩いて硬くしている。


じーじが材料庫から柄の棒(つかのぼう)と鞘に使う板、それと、柄糸(つかいと)革紐(かわひも)を持ってきた


じーじが短剣の柄を糸で測り、削ってか中子(なかご)を入れるホゾを彫っていく。


それから目釘(めくぎ)を打つ所を決めて、穴を空けていく。


刀身に鍔が入り、柄に中子が入って目釘が仮打ちされる。  それから柄糸が巻かれる。  色は赤だ。  それが終ると赤の皮紐が巻かれる。


今度は(さや)だ。  板に刀身を当てて、書き込みをし、彫っていく。


丁度の深さで彫れると、板を合わせて刀身を入れ、鞘になるように削っていく。


削れたら、表面をきれいにして、赤の(うるし)塗っていく(ぬっていく)


3回ほど塗った所で、錬金術(れんきんじゅつ)で乾かし、表面処理をしていく。


こうして、刀を鞘に入れて、確認しルナの刀が出来た。


「じーじありがとう。 とっても良いのが出来たわ。  早速(さっそく)試し切り(ためしぎり)ね。  トーヤ付き合って。」


俺とルナは最速で裏庭に行き、木の棒を地面に打ち付ける。


ぐらぐらしない事を確かめてから、ルナが抜刀術(ばっとうじゅつ)で切ろうとするが、じーじに止められる。


「ルナ、刀の返し(かえし)が分からん内に抜刀術を使うんじゃない。  横薙ぎ(よこなぎ)で試し切りをしなさい。」


「えーーー  そんな。  でも試し切りしてみるわ。  横薙ぎで良いのね。  やるわ。」


中段(ちゅうだん)に抜いた刀を構え、木の棒に横薙ぎの一撃を入れるルナ。  


木の棒がスパンと切飛ばされる。  そしてもう一本は下段(げだん)からの横薙ぎで木の棒を横薙ぎする。


スパンと切飛ばされる木の棒を見て、嬉しそうにする。


「どう?  私の腕前は?  かなりやるでしょ。  それで、早速教えてよ。 出来るようになりたいの。」


「まあ、今日はやめておくんじゃな。  怪我をしたら元の子も無いんじゃから。」



「えーー  そうなの。  なんで?」 


「仮にじゃ、打ち下ろしでもこの刀だと、相当切れるからの。  重量の合っている木刀とかで、練習をしないと自分の(すね)を切り裂いてしまうじゃろ。  確実に止められるようにしてからじゃ。」


「うーん。  分かった。  じーじの言う通りにする。  木刀を作ってくれる?」


「ああ、良いぞ。 これから作ろうかの。」


3人で鍛冶場に戻り、材料庫から、鉄のインゴットと木の棒を用意してきたじーじ。


俺とルナの刀の(つか)を測ると木の棒に穴を空けていく。


刀の重量と木の棒、鉄の棒を合わせて重量を測り、重さを合わせていく。


それから木の棒に鉄の棒を入れ込んで、木刀の形に刻んでいく(きざんでいく)


それから錬金術で、真っ直ぐな木刀に反りを入れていく。


反りが入ると、表面を錬金術できれいにして、柄の所に革紐(かわひも)を巻いて出来上がる。



「ふむ。  これで良いじゃろ。  持ってみるが良いぞ。」


「わーー。 刀と同じだよ。  これで練習すれば良いのね。」


「ええ、ありがとうございました。  見事な一品(いっぴん)です。」


「よし、明日から刀の練習じゃ。  よろしく頼むぞ。 トーヤ。」


「はい。 任されました。  明日からよろしくお願いします。」


こうしてルナの刀も出来て、喜ぶルナだった。




  さて、ルナの刀が出来上がりました。 やっとです。  これからルナ達の練習が始まります。



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