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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第7巻「希土類元素の奥地」

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第1章: 旅立ち、そして追跡者の影

会議の翌朝、地下都市の秘密の裏口。秀城は旅立ちの準備を整えていた。新たな修行の地は、東方にある巨大な山脈地帯、通称磁鉄山脈。

今回の旅の同行者は、ジンクとオクシアの二人だ。彼らは秀城を守り、共に強くなることを志願した。


「メンデレ、この旅は俺たちも一緒だ。アルケミスの魔の手からお前を守るため、そして、俺たちももっと強くなるために」


ジンクが、大きな背負い袋を担ぎながら、決意の言葉を述べた。


「私も同行します。私の酸素と回復魔法は、どんな過酷な環境でもあなたを支えられます。特に、次の修行地が希土類元素の奥地であれば、私の支援が必ず役立ちます」


オクシアは冷静ながらも、強い決意を秀城に伝えた。


ナトリとプラチナは、都市の守りを固めるために残る。ナトリは涙目ながらも、秀城を送り出した。プラチナは、白金族の秘蔵である磁鉄山脈の地図と、隠者たちへの紹介状を秀城に手渡した。


「気をつけろ。アルケミスの奴は、空間転移でどこからでも現れる可能性がある。警戒を怠るな。もし逃げられない状況になったら、迷わずセシウムの限界突破を使え。命を繋ぐことが、最優先だ」


セレンの最後の助言は、秀城の心に深く刻まれた。

秀城たちは、秘密の通路を通って地上へと向かった。地上は荒涼とした大地が広がり、彼らはプラチナの地図を頼りに、東の磁鉄山脈を目指して歩き始めた。

旅は順調に進んだ。秀城は歩きながらも、習得した60個の元素の感覚を研ぎ澄まし、いつでも魔法を使えるよう意識を集中していた。ジンクは亜鉛の魔法で斥候として先行し、オクシアは酸素の魔法で周囲の気流を把握し、回復の準備を怠らない。三人の連携は完璧だった。

三日目の夜、彼らが野営地で焚き火を囲んでいた時、秀城は突然、背筋に冷たい悪寒が走るのを感じた。それは、まるで空気そのものが凍りつくような、邪悪な魔力の波動だった。


「誰かいる…!それも、非常に強力だ!」


秀城はチタン合金剣を抜き、闇夜に潜む気配に視線を向けた。


「どうした、メンデレ!?」


ジンクも警戒し、雷のオーラを纏いながら立ち上がった。

次の瞬間、彼らの背後の空間が、黒い渦を巻いて歪んだ。その歪みは、前回地下都市で見た時よりも大きく、より禍々しい。


「やはりな。私を出し抜けると思ったか、元素の宝箱よ」


アルケミスの冷徹な声が、夜の静寂を切り裂いた。


「アルケミス!なぜここに!?」


秀城は驚愕しつつも、剣を構えた。地下都市から遠く離れたこの場所まで追跡されたのは、空間転移によるものだろう。

アルケミスは、その場で不敵に笑うと、すぐに秀城に向けて手を翳した。

「無駄な抵抗はよせ。今度こそ、元素崩壊から逃れる隙は与えない。お前の元素崩壊無効のスキルは魅力的だが、仲間を庇いながら逃げられるかな?」


黒い波動が、凄まじい速度で秀城たちを襲う。


「元素崩壊無効!」


秀城は咄嗟にスキルを発動させると同時に、オクシアとジンクを庇うようにアルゴンシールドを展開した。しかし、アルケミスの元素崩壊の力は強力で、アルゴンシールドは一瞬で弾け飛んだ。魔法を直接受けたジンクとオクシアは、全身の魔力を奪われ、その場に崩れ落ちた。


「くっ…俺たちはもう動けない…!」ジンクが苦しげに言った。 「メンデレさん、逃げて…!私の回復魔法が…使えない…!」


オクシアも顔を青くして絞り出した。

秀城は、たった一人で、再び、絶望的な状況でアルケミスと対峙することになった。アルケミスは、秀城が仲間を捨てて逃げることなどできないと見抜いていたのだ。この状況を打破するためには、セレンの最後の助言を実行するしかなかった。

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