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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第3巻「金属の探求」

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第4章:元素狩りの真実

翌朝、四人はギルドの最上階に移された。

五階の特別室。魔法の結界で守られ、窓には鉄格子がある。

「ここなら安全だ」

タイタンが言った。

「結界は、レベル20以下の者は破れない。それに、常に衛兵が監視している」

「ありがとうございます」

「だが、ずっとここにいるわけにもいかないだろう」

タイタンは地図を広げた。

「君たちの目的は、元素の習得だ。なら、早く習得して、この街を出た方がいい」

「そうですね...」

「今日、クロム使いに会え。明日、ニッケル使い。明後日、マンガン使い。三日で終わらせろ」

「分かりました」


クロム使いのクローム・シャインは、宝石研磨職人だった。

『シャイニングジェム』という店を経営している。

四人は護衛付きで店を訪れた。

店内には、美しく磨かれた宝石が並んでいた。

「いらっしゃい」

奥から、銀髪の青年が現れた。年齢は二十七歳。細身で、芸術家のような雰囲気。

「クローム・シャインさんですか?」

「ああ。君が転移者か」

クロームは秀城を見た。

「元素狩りに狙われてるんだって?大変だね」

「ええ...それで、早くクロムを習得したいんです」

「なら、簡単な仕事を手伝ってくれ」

クロームは宝石を見せた。

「これ、ルビーの原石。これを磨いて、美しい宝石にしたい」

「でも、僕は宝石の研磨なんて...」

「大丈夫。クロムを使えば、簡単だ」

クロームは秀城の手を取り、原石を握らせた。

「クロムの本質は...輝きだ」

「輝き?」

「クロムは、宝石を美しくする。ルビーの赤、エメラルドの緑、すべてクロムの色だ」

クロームは真剣な顔で言った。

「クロムは装飾だ。見た目を美しくする。でも、それだけじゃない」

「クロムメッキは、鉄を錆から守る。美しさは、同時に守りでもある」

「美しさが守り...」

「そう。見た目を整えることは、自分を守ることだ」

クロームは秀城を見た。

「君は、自分を大切にしているか?」

秀城は考えた。

元の世界では、自分を大切にしていなかった。自己肯定感が低く、いつも自分を責めていた。

でも、この世界では...

「...今は、大切にしようと思っています」

「なら、クロムはお前に合っている」

「クロムの声を聞いてみろ」

秀城は目を閉じた。

クロム。銀白色の金属。輝く金属。

「クロムは美しさを求める。自分も、他人も」

美しさ。

秀城も、美しくありたい。心も、行動も。

「クロムは守る。美しさで、自分を守る」

守る。

秀城も、自分を守りたい。そして、仲間も。

「クロムの声を...」

意識を集中する。

すると、煌めきを感じた。光が反射するような、キラキラとした感覚。

「聞こえる...」

輝きたい、美しくありたい、守りたい。

それは、秀城の願いだった。

「俺は...輝く盾だ」

その瞬間、秀城の体が銀色に輝いた。

╔═══════════════════════════════════╗

║ 重要!元素習得! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【クロム(Cr)を習得しました!】 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 原子番号:24 ║

║ 元素記号:Cr ║

║ 分類:遷移金属 ║

║ 特性:硬度、耐食性、光沢性 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 習得可能魔法: ║

║ ・クロムメッキ(コスト:20MP) ║

║ ・輝きの盾(コスト:25MP) ║

║ ・硬化(コスト:22MP) ║

║ ・光の反射(コスト:18MP) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ ステータス上昇! ║

║ 防御力:145→158(+13) ║

║ 運:40→45(+5) ║

║ 魔力:172→180(+8) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 重要!融合魔法解放! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【ステンレス鋼】 ║

║ Fe+Cr+Ni (鉄+クロム+ニッケル) ║

║ コスト:35MP ║

║ 効果:錆びない鋼、最強の防御 ║

║ ※ニッケル(Ni)習得後に完全解放║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【酸化クロム(クロムグリーン)】 ║

║ Cr₂+O₃ (クロムx2+酸素x3) ║

║ コスト:28MP ║

║ 効果:緑色顔料、研磨剤 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【重クロム酸】 ║

║ Cr₂+O₇+H₂ (クロムx2+酸素x7+水素x2)║

║ コスト:35MP ║

║ 効果:強力な酸化剤 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 経験値+120! ║

║ 経験値:900→1020/1500 ║

╚═══════════════════════════════════╝

「十六個目!」

「おめでとう」

クロームが拍手した。

「これで、君も輝ける」


翌日、ニッケル使いのニコル・マグネットに会った。

彼女は磁石製造工場で働いていた。

赤い髪に緑の瞳。明るく活発な性格。

「転移者!?すごい!会いたかった!」

ニコルは興奮していた。

「ニッケルを教えてほしいんですか?いいですよ!」

条件もなく、すぐに教えてくれることになった。

「ニッケルの本質は...磁力と、柔軟性です!」

ニコルは磁石を見せた。

「ニッケルは磁石になる。鉄、コバルトと共に、磁性を持つ元素です」

「そして、ニッケルは合金に適している。色んな金属と混ざって、性質を改善する」

ニコルは真剣な顔で言った。

「ニッケルの本質は...引き寄せることと、調和すること」

「引き寄せると調和...」

「磁力で引き寄せる。そして、合金で調和する」

ニコルは秀城を見た。

「あなたは、誰かを引き寄せていますか?」

秀城は仲間たちを見た。

ナトリ、オクシア、ジンク。そして、今まで出会った元素使いたち。

「...引き寄せています」

「なら、ニッケルはあなたに合っています!」

秀城は目を閉じた。

ニッケル。銀白色の金属。磁性を持つ金属。

「ニッケルは人を引き寄せる。仲間を集める」

引き寄せる。

秀城も、仲間を引き寄せてきた。意図せず、でも確実に。

「ニッケルは調和する。誰とでも仲良くなれる」

調和。

秀城も、仲間と調和してきた。協力し、支え合ってきた。

「ニッケルの声を...」

意識を集中する。

すると、磁力のような引力を感じた。何かを引き寄せる力。

「聞こえる...」

引き寄せたい、繋がりたい、調和したい。

それは、秀城の願いだった。

「俺は...磁石だ」

その瞬間、秀城の体が銀色に光った。

╔═══════════════════════════════════╗

║ 重要!元素習得! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【ニッケル(Ni)を習得しました!】 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 原子番号:28 ║

║ 元素記号:Ni ║

║ 分類:遷移金属 ║

║ 特性:磁性、耐食性、展性 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 習得可能魔法: ║

║ ・磁力操作(コスト:22MP) ║

║ ・引き寄せ(コスト:20MP) ║

║ ・反発(コスト:20MP) ║

║ ・磁気シールド(コスト:28MP) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ ステータス上昇! ║

║ 魔力:180→190(+10) ║

║ 運:45→50(+5) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 重要!融合魔法解放! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【ステンレス鋼】完全解放! ║

║ Fe+Cr+Ni (鉄+クロム+ニッケル) ║

║ コスト:35MP ║

║ 効果:錆びない鋼、最強の防御 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【ニッケル水素】 ║

║ Ni+H₂ (ニッケル+水素x2) ║

║ コスト:25MP ║

║ 効果:エネルギー貯蔵 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【酸化ニッケル】 ║

║ Ni+O (ニッケル+酸素) ║

║ コスト:18MP ║

║ 効果:触媒、電池材料 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 経験値+120! ║

║ 経験値:1020→1140/1500 ║

╚═══════════════════════════════════╝

「十七個目!」

「やった!」

ニコルが飛び跳ねた。

「これで、あなたも磁石使いです!」


三日目、マンガン使いのマンガ・スチールに会った。

彼は製鋼所の所長だった。

厳格な顔つきの男性で、年齢は三十五歳。

「転移者か。噂は聞いている」

マンガは秀城を見た。

「マンガンを習得したい?なら、製鋼所で働け。三時間だ」

「働く...ですか?」

「そうだ。マンガンの本質は、労働だ。汗を流して、初めて理解できる」

秀城は三時間、製鋼所で働いた。

鉱石を運び、炉に入れ、鋼を精錬する。

暑い、きつい、重労働。

だが、不思議と充実感があった。

三時間後、汗だくになった秀城に、マンガが言った。

「よくやった。これで、マンガンの本質が分かっただろう」

「労働...ですね」

「そうだ。マンガンは、鋼を作る。鉄にマンガンを加えると、強度が上がる」

マンガは真剣な顔で言った。

「マンガンの本質は...支えることだ」

「支える?」

「鉄を支える。裏方として、目立たずに。でも、不可欠な存在だ」

マンガは秀城を見た。

「お前は、誰かを支えているか?」

秀城は仲間たちを見た。

「...支えています。そして、支えられています」

「なら、マンガンはお前に合っている」

秀城は目を閉じた。

マンガン。灰色がかった金属。

「マンガンは縁の下の力持ち。目立たないが、必要だ」

縁の下の力持ち。

秀城も、そうありたい。派手じゃなくていい。ただ、役に立ちたい。

「マンガンは労働する。休まず、文句も言わず」

労働。

秀城も、努力してきた。諦めずに、コツコツと。

「マンガンの声を...」

意識を集中する。

すると、重厚な感覚が生まれた。大地のような、どっしりとした感覚。

「聞こえる...」

支えたい、働きたい、役に立ちたい。

それは、秀城の願いだった。

「俺は...大地の支柱だ」

その瞬間、秀城の体が灰色の光に包まれた。

╔═══════════════════════════════════╗

║ 重要!元素習得! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【マンガン(Mn)を習得しました!】 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 原子番号:25 ║

║ 元素記号:Mn ║

║ 分類:遷移金属 ║

║ 特性:硬化性、酸化性、触媒性 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 習得可能魔法: ║

║ ・鋼化(コスト:25MP) ║

║ ・持久力強化(コスト:20MP) ║

║ ・酸化促進(コスト:22MP) ║

║ ・大地の力(コスト:30MP) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ ステータス上昇! ║

║ HP:550→600(+50) ║

║ 防御力:158→172(+14) ║

║ 攻撃力:125→135(+10) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 重要!融合魔法解放! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【マンガン(マンガンスチール)】 ║

║ Fe+Mn (鉄+マンガン) ║

║ コスト:30MP ║

║ 効果:超高強度鋼 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【過マンガン酸カリウム】 ║

║ K+Mn+O₄ (カリウム+マンガン+酸素x4)║

║ コスト:35MP ║

║ 効果:強力な酸化剤、消毒剤 ║

║ ※カリウム(K)習得後に完全解放 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【酸化マンガン】 ║

║ Mn+O₂ (マンガン+酸素x2) ║

║ コスト:20MP ║

║ 効果:電池材料、触媒 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 経験値+150! ║

║ 経験値:1140→1290/1500 ║

╚═══════════════════════════════════╝

「十八個目!」

「おめでとう」

マンガが握手してきた。

「これで、お前も労働者だ」


三日間で、三つの元素を習得した。

クロム、ニッケル、マンガン。

「順調ですね!」

ナトリが喜んだ。

「ああ。これで、金属元素は八つになった」

秀城は満足していた。

だが、その夜——

ギルドが襲撃された。

「警報!元素狩りの大規模襲撃!」

警鐘が鳴り響いた。

四人は特別室から飛び出した。

ギルドの中庭に、数十人の黒いローブの男たちがいた。

そして、その中央に、一人の男が立っていた。

黒い仮面。

リーダーだ。

「メンデレ・秀城」

男の声は、冷たく、威圧的だった。

「ついに会えたな」

「お前が、元素狩りのリーダーか!」

「そうだ。私がリーダー、アルケミス・ダークだ」

男は仮面を外した。

現れたのは、三十代の男性。黒髪に黒い瞳。普通の顔立ち。

だが、その目には、狂気があった。

「私も、お前と同じ転移者だ」

「え...!?」

秀城は驚愕した。

「転移者...!?」

「そうだ。五年前、この世界に転移してきた」

アルケミスは笑った。

「最初は、お前と同じだった。元の世界に戻りたいと思っていた」

「でも、気づいたんだ。戻る必要はない、と」

「この世界は、力があれば何でもできる。元素の力があれば、世界を支配できる」

アルケミスは手を広げた。

「だから、元素を集めた。元素使いから、力を奪って」

「なんてことを...!」

「非難するな。お前も同じだ。元素を集めているだろう?」

「俺は、奪ってない!教えてもらってる!」

「結果は同じだ。お前は、力を集めている」

アルケミスは秀城を指差した。

「だから、お前の力を、私がいただく」

「させるか!」

タイタンとギルドの戦士たちが立ちはだかった。

「この街では、好きにはさせない!」

「邪魔をするな」

アルケミスは手をかざした。

「【多重融合・究極魔法】!」

アルケミスの手から、黒い光が放たれた。

それは、タイタンたちを吹き飛ばした。

「ぐあっ!」

タイタンが倒れた。戦士たちも次々と倒れた。

「レベル20の魔法...!」

秀城は戦慄した。

「お前たちでは、私に勝てない」

アルケミスは秀城に近づいてきた。

「さあ、大人しく来い。苦しまずに、力を奪ってやる」

「断る!」

秀城は剣を抜いた。

「なら、力ずくだ」

アルケミスが魔法を放った。

秀城は【チタンシールド】で防いだ。

だが、盾が砕かれた。

「ぐっ!」

「無駄だ。レベル差が大きすぎる」

アルケミスの攻撃が続く。

秀城は必死に防戦したが、徐々に追い詰められていく。

「メンデレさん!」

ナトリたちが援護してくれた。

だが、アルケミスは簡単に防いだ。

「仲間か。邪魔だな」

アルケミスは三人に向かって魔法を放った。

「危ない!」

秀城は三人の前に立った。

魔法が秀城を直撃した。

ダメージ!

HP:600→350

「ぐはっ!」

秀城は血を吐いた。

「メンデレ!」

「大丈夫...だ...」

秀城は立ち上がった。

「俺は...倒れない...」

「【不屈の意志】!」

チタンの魔法を発動させた。どんなダメージを受けても、立ち続ける。

「ほう...面白い魔法だな」

アルケミスは感心した様子だった。

「だが、無駄だ」

アルケミスは本気の魔法を放とうとした。

その時——

「【聖なる光】!」

天から、白い光が降り注いだ。

アルケミスの魔法が相殺された。

「何!?」

空から、一人の人物が降りてきた。

白い髪に白い服。天使のような姿。

「私が来るまで、よく耐えたな」

その人物は、秀城の前に立った。

「私はセレン・ルミナス。セレンの元素使いだ」

「セレン...?」

「後で説明する。今は、この男を倒すのが先だ」

セレンはアルケミスと対峙した。

「アルケミス・ダーク。お前の悪事も、ここまでだ」

「セレン...厄介な奴が来たな」

「レベル22対レベル20。私が有利だ」

「...くっ」

アルケミスは舌打ちした。

「今日は引くぞ。だが、次は必ず、メンデレの力を奪う」

アルケミスは煙幕を張って逃げた。

部下たちも、一斉に撤退した。

「逃げられた...」

セレンは残念そうに言った。

「だが、君は無事だ。それが重要だ」

セレンは秀城を見た。

「メンデレ・秀城。君を守るために来た」

「守る...?」

「説明しよう。君の力は、この世界の運命を左右する」

セレンは真剣な顔で言った。

「元素狩りは、世界を滅ぼそうとしている」

「世界を...滅ぼす...?」

「そうだ。全元素の力を集めて、世界を作り変えようとしている」

「だから、君を守らなければならない。君の力が、彼らに渡ってはいけない」

秀城は混乱していた。

「俺が...世界を救う...?」

「まだ分からないだろう。でも、いずれ分かる」

セレンは手を差し伸べた。

「一緒に来い。安全な場所に案内する」

秀城は、その手を取った。

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