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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第3巻「金属の探求」

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第1章:鉱山都市アルミナル

フロンティアから西へ五日。

秀城たちは、険しい山道を登っていた。

「疲れた...」

ナトリが息を切らしている。

「あと少しよ。山を越えれば、アルミナルが見える」

オクシアが励ました。

道中、魔物との戦闘も多かった。山岳地帯には、岩属性の魔物が多く生息している。

ロックゴーレム、ストーンビースト、クリフドラゴン...

どれも防御力が高く、物理攻撃では倒しにくい。

だが、秀城の酸魔法や融合魔法は有効だった。

そして、レベルも少しずつ上がっていた。

現在レベル:10

経験値:1010→1180/1200

「あと少しでレベル11だな」

峠を越えると、視界が開けた。

眼下に、巨大な鉱山都市が広がっていた。

「あれが...」

アルミナル。

山の中腹に築かれた都市で、無数の鉱山が山を削っている。街は階段状に作られ、建物は白い石でできている。

「アルミニウムの街...」

「綺麗ですね。白く輝いてる」

アルミニウムは軽くて強い金属。そして、酸化膜が表面を覆うため、白く輝く。

街に近づくと、巨大な門が見えた。

門は鉄製だが、所々にアルミニウムの装飾が施されている。

「止まれ。入街許可証を」

門番が声をかけてきた。

「冒険者です。推薦状を」

秀城は推薦状を渡した。

門番は確認すると、頷いた。

「エレメンタのギルドから。歓迎する」

「ありがとうございます」

街に入ると、活気に溢れていた。

鉱山労働者たちが鉱石を運び、商人たちが取引をしている。そして、街の中心には大きな精錬所があり、煙突から煙が立ち上っている。

「まず、ギルドに行きましょう」

アルミナルのギルドは、白い石造りの建物だった。

中に入ると、多くの冒険者が集まっていた。

「いらっしゃい」

カウンターから、若い男性が声をかけてきた。

「エレメンタから来た冒険者です」

「推薦状を」

秀城は推薦状を渡した。

男性は確認すると、驚いた顔をした。

「転移者!?本当に!?」

「ええ...」

「すごい!初めて会った!」

男性は興奮している。

「あ、すみません。僕はアレン、このギルドの受付です。よろしく!」

「よろしく。アルミニウム使いの方を探しているんですが」

「アルミニウム使い?ああ、うちのギルドマスターがそうですよ」

「ギルドマスター?」

「はい。アルマ・リージスさん。女性で、めちゃくちゃ強いです」

アレンは奥を指差した。

「今、訓練場にいると思います。案内しますね」


ギルドの裏には、広い訓練場があった。

そこで、一人の女性が訓練をしていた。

年齢は三十歳くらい。銀色の髪を短く切り、鋭い目つきをしている。体つきは引き締まっていて、戦士のような雰囲気。

彼女は、アルミニウム製の剣で、訓練用の人形を斬っていた。

シュッ、シュッ、シュッ。

軽やかな動き。剣が空気を切る音。

そして、最後の一撃。

人形が真っ二つに切断された。

「...ふう」

アルマは剣を鞘に収めた。

「ギルドマスター、お客様です」

アレンが声をかけた。

アルマは振り向いた。

「客?」

「転移者の方です」

「転移者?」

アルマは興味深そうに秀城を見た。

「なるほど。噂の」

「初めまして。メンデレ・秀城と申します」

「アルマ・リージスだ。で、用件は?」

「アルミニウムの元素を習得したいんです」

「アルミニウムを、か」

アルマは腕を組んだ。

「いいだろう。だが、条件がある」

「やっぱり...」

秀城は苦笑した。

「俺と手合わせをしろ。勝てば、教えてやる」

「手合わせ?」

「そうだ。戦闘で、お前の実力を見たい」

アルマは剣を抜いた。

「本気でやる必要はない。三分間、俺から逃げ切れればいい」

「逃げ切る...?」

「ああ。攻撃してきてもいいが、俺を倒すのは無理だろう。だから、三分間生き残れ」

アルマは構えた。

「さあ、来い」

秀城は剣を抜いた。

「仲間は?」

「お前一人だ。仲間は見学」

「分かりました」

秀城は深呼吸をした。

アルマから感じる圧力。レベルは、おそらく15以上。

「始めるぞ。三、二、一...」

「開始!」

アレンが合図を出した。

瞬間、アルマが消えた。

「速い!」

秀城の背後に気配を感じた。振り向く。

アルマの剣が迫っている。

「【鉄壁】!」

咄嗟に防御壁を展開した。

ガキィン!

剣が壁に当たった。だが、壁にひびが入る。

「防御魔法か。だが、これはどうだ?」

アルマは剣に魔力を込めた。剣が白く輝く。

「【アルミブレード】!」

剣が壁を切り裂いた。まるでバターを切るように、防御壁が両断された。

「なっ!?」

秀城は横に飛び退いた。間一髪で剣を避ける。

「いい反応だ。だが、まだまだ!」

アルマは連続攻撃を繰り出してきた。

秀城は必死に避ける。剣で受け流す。

ガキン、ガキン、ガキン!

火花が散る。

「くっ、速すぎる...!」

アルマの攻撃は正確で、隙がない。しかも、手加減しているのが分かる。

「このままじゃ...!」

秀城は魔法を使うことにした。

「【水魔法】!」

足元に水を放ち、地面を濡らした。

「【氷結】!」

オクシアが援護魔法を放った。地面が凍結する。

「滑らせる気か!賢いな!」

だが、アルマは動じなかった。

「【軽量化(ライトウェイト)】!」

アルマの体が浮いた。文字通り、浮遊している。

「アルミニウムは軽い!だから、飛べる!」

空中から、アルマが急降下してきた。

「まずい!」

「【銀の壁】!【金の壁】!」

秀城は二重の防御壁を展開した。

だが、アルマの剣は両方を切り裂いた。

「防御に頼るな!」

剣が秀城の肩を掠めた。

ダメージ!

HP:420→390

「いてっ...!」

「まだだ!」

アルマは容赦なく攻めてくる。

秀城は逃げ回ることしかできない。

三十秒経過。

まだ二分三十秒ある。

「このままじゃ持たない...!」

秀城は考えた。

防御では勝てない。攻撃も届かない。

なら...

「【多重融合】!」

秀城は複数の元素を同時に発動させた。

「【プラズマバースト】!」

超高温のプラズマを放った。

アルマは素早く回避した。プラズマは地面を焦がした。

「おお、強力な魔法だな!だが、当たらなければ意味がない!」

アルマは再び接近してきた。

秀城はプラズマの熱で作った煙幕に隠れた。

「視界を遮る気か!」

一分経過。

秀城は煙の中で、次の作戦を考えた。

「【錬金術】を使おう」

秀城は地面に手を置いた。

錬金術のスキルを発動させる。

地面の鉱石を変換する。鉄を...アルミニウムに。

いや、まだアルミニウムは習得していない。

なら、別の金属。

「【元素変換】!鉄を...銅に!」

地面の鉄分が銅に変わった。そして、その銅で罠を作る。

「【導電】!」

銅線が地面に張り巡らされた。そこに電流を流す。

「【電撃】!」

地面全体に電流が走った。

「ぐっ!」

アルマが足を止めた。電撃が彼女の足を痺れさせた。

「やるな!だが!」

アルマは地面から飛び上がった。

「飛んでしまえば、罠は無効だ!」

一分三十秒経過。

あと一分三十秒。

秀城は息を切らしていた。体力も魔力も、どんどん消耗している。

「【癒しの息吹】!」

オクシアが回復魔法をかけてくれた。

HP回復!

HP:390→420

「ありがとう!」

アルマが再び襲いかかってきた。

秀城は剣で受け止めた。

ガキィン!

力が拮抗する。

「お前、レベル10のくせに、よく耐えるな」

「...必死ですから」

「いい目だ。戦士の目だ」

アルマは笑った。

そして、力を緩めた。

「もういい。合格だ」

「え?」

「三分経った」

アレンが時間を告げた。

「本当だ...」

秀城は地面に座り込んだ。全身汗だくだった。

「よくやった。レベル10で、レベル15の俺から三分逃げ切った。大したものだ」

アルマは手を差し伸べた。

「約束通り、アルミニウムを教えてやる」

秀城はその手を取った。

「ありがとうございます」


休憩を取ってから、アルマは秀城にアルミニウムを教え始めた。

「アルミニウムの元素は...軽さと、強さだ」

アルマはアルミニウムの塊を見せた。

「アルミニウムは、鉄の三分の一の重さしかない。でも、合金にすれば鉄と同じくらい強くなる」

「軽くて強い...」

「そう。だから、武器や防具、飛行機、宇宙船にも使われる」

秀城は頷いた。元の世界でも、アルミニウムは広く使われていた。

「そして、アルミニウムは酸化しやすい。でも、その酸化膜が本体を守る」

「不動態化、ですね」

「科学者だったんだっけ。なら話は早い」

アルマは秀城を見た。

「アルミニウムの本質は...矛盾だ」

「矛盾?」

「軽いのに強い。酸化しやすいのに錆びない。柔らかいのに硬い」

アルマは真剣な顔で言った。

「矛盾を受け入れろ。それがアルミニウムだ」

秀城は考えた。

矛盾。

自分も、矛盾だらけだ。

内気なのに冒険者。臆病なのに戦う。弱いのに強くなろうとする。

「矛盾を受け入れる...できます」

「なら、アルミニウムの声を聞け」

秀城は目を閉じた。

アルミニウム。銀白色の金属。軽い金属。

「アルミニウムは飛びたい。軽いから、空を目指す」

飛ぶ。

秀城も、飛びたい。高みを目指したい。

「でも、アルミニウムは地に足をつけている。現実を見ている」

現実。

秀城も、現実を受け入れてきた。失敗も、挫折も。

「アルミニウムの声を...」

意識を集中する。

すると、軽やかな感覚が生まれた。まるで、重力から解放されたような。

「聞こえる...」

軽くありたい、でも強くありたい。矛盾を抱えながら、前に進みたい。

それは、秀城の願いだった。

「俺は...矛盾を力に変える」

その瞬間、秀城の体が白い光に包まれた。

╔═══════════════════════════════════╗

║ 重要!元素習得! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【アルミニウム(Al)を習得しました!】║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 原子番号:13 ║

║ 元素記号:Al ║

║ 分類:卑金属 ║

║ 特性:軽量性、耐食性、展性 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 習得可能魔法: ║

║ ・軽量化(コスト:15MP) ║

║ ・アルミブレード(コスト:20MP) ║

║ ・反射壁(コスト:25MP) ║

║ ・飛翔(コスト:30MP) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ ステータス上昇! ║

║ 素早さ:68→78(+10) ║

║ 防御力:105→112(+7) ║

║ HP:420→440(+20) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 重要!融合魔法解放! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【ジュラルミン】 ║

║ Al+Cu+Mg (アルミ+銅+マグネシウム)║

║ コスト:35MP ║

║ 効果:超硬質合金、武器強化 ║

║ ※マグネシウム(Mg)習得後に完全解放║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【酸化アルミニウム(アルミナ)】 ║

║ Al₂+O₃ (アルミx2+酸素x3) ║

║ コスト:28MP ║

║ 効果:硬度9、研磨剤、宝石の原料 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【塩化アルミニウム】 ║

║ Al+Cl₃ (アルミ+塩素x3) ║

║ コスト:25MP ║

║ 効果:触媒、脱臭剤 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 【水酸化アルミニウム】 ║

║ Al+O₃+H₃ (アルミ+酸素x3+水素x3)║

║ コスト:30MP ║

║ 効果:制酸剤、難燃剤 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 経験値+100! ║

║ 経験値:1180→1280/1200 ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ レベルアップ! ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ レベル:10→11 ║

║ HP:440→480(+40) ║

║ MP:400→460(+60) ║

║ 攻撃力:90→100(+10) ║

║ 防御力:112→122(+10) ║

║ 魔力:155→172(+17) ║

║ 素早さ:78→88(+10) ║

║ 賢さ:120→135(+15) ║

║ 運:32→36(+4) ║

╠═══════════════════════════════════╣

║ 次のレベルまで:1500経験値 ║

╚═══════════════════════════════════╝

「十三個目!そして、レベル11!」

ナトリが歓声を上げた。

「おめでとう」

アルマが拍手した。

「これで、お前も飛べるようになった」

「飛べる...」

秀城は【飛翔】の魔法を試してみた。

体が浮いた。

「うわっ!」

本当に浮いている。地面から三十センチほど。

「すごい...!」

「慣れるまで練習しろ。空中戦ができるようになれば、戦術の幅が広がる」

「はい!」

秀城は興奮していた。飛べる。魔法で飛べる。

「さて、次はどこに行くんだ?」

「チタン使いを探しています」

「チタンか。なら、東の工業都市テクノポリスだな」

アルマは地図を広げた。

「ここから東に十日。大きな都市だ」

「十日...結構遠いですね」

「ああ。だが、その道中で、他の元素使いにも会えるかもしれない」

「分かりました」

秀城たちは一日、アルミナルで休息を取ることにした。

その間、秀城は飛翔の練習をした。

最初はふらふらしていたが、徐々に安定してきた。

「いい感じですね!」

ナトリが褒めてくれた。

「ありがとう。でも、まだ戦闘で使えるレベルじゃないな」

「練習あるのみですよ!」

夜、宿で秀城は自分のステータスを確認した。

╔═══════════════════════════╗

║ ステータス ║

╠═══════════════════════════╣

║ 名前:メンデレ・秀城 ║

║ レベル:11 ║

║ 職業:元素錬金術師 ║

╠═══════════════════════════╣

║ HP:480/480 ║

║ MP:460/460 ║

║ 攻撃力:100 ║

║ 防御力:122 ║

║ 魔力:172 ║

║ 素早さ:88 ║

║ 賢さ:135 ║

║ 運:36 ║

╠═══════════════════════════╣

║ 習得元素:13/118 ║

╠═══════════════════════════╣

║ 習得融合魔法:47 ║

╠═══════════════════════════╣

║ 所持金:2694リア ║

║ 経験値:80/1500 ║

╚═══════════════════════════╝

「レベル11、元素十三個」

順調だ。でも、まだまだ先は長い。

「残り105個...」

秀城は窓の外を見た。

星空が美しい。

「必ず、全部習得する」

その決意は、揺るがなかった。


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