表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/64

34.学園祭①

慌ただしく、準備が行われた昨日。私たちのクラスもお菓子作りで忙しかった。精霊たちに手伝わせるほどに。

意外と精霊が器用っていうことを知った。


今は数名が教室に残り、販売をしている。ほかの皆は、交代の時間が来るまで、宣伝と自由時間だ。



「学園祭始まったね。今日はどこを廻ろうかな。」

「あ、中庭でイベントやってるよ。アイ、行ってみよう。」


エルトに引っ張られ、中庭に行く。ステージが作られており、その上で、色々パフォーマンスをしている。


「自由参加だよ!どんどん参加してね!」


上級生と思われる人があちこちで参加を呼びかけている。今は、早食いをしているようだ。


「エルト、ちょうどいいんじゃない?」

「なんで、私に振るの!?」


時々、エルトがお嬢様だということを忘れる。絶対お嬢様には向いてないと思っている。


「さぁさぁ、次は精霊術コミコミの美しさコンテストだよ!奮って参加してねー!」


次の種目を上級生がいっている。いま、ステージの上では、早食いの優勝者がインタビューを受けているようだ。

何気なく、優勝者をみた。


「え、あれコクユだよね?」


澄ました顔でインタビューを受けているのは、集団宿泊でパーティが同じだったコクユだ。キルエは、早食いをしていた机の下に倒れている。2人で出たようだ。


「キルエ、馬鹿だろ。コクユを超えれるはずないよ。」


誰かがそう言う。コクユは早食いでは負け無しのようだ。


「アイー。次の種目、2人組で参加票を書いてきたよ?」


しばらく、居なくなっていたエルトが帰ってきた。でも、手には参加票が握られている。


「勝手にしないでよ……」


取り消しは出来ないので、後でエルトをいじめるということを心に決めて、出ることにした。



ステージ裏だ。


「で、作戦は?」

「アイが考えてね。」


ため息をつく。こういうことだろうと思っていたよ。仕方なく、私が考えることにした。


「うーん。テーマは冬かぁ。」


参加票に書いてあるテーマを元に作る。今年のテーマは季節のようだ。たぶん、参加票によってテーマが春夏秋冬違うんだろうな。


「雪ってできるかな?」

「雪は確か、冷気の精霊だからちょっと難しい。アイ、一度やってみれば?」

「そうだね。」


「゛世界に満ちる精霊達よ、ここに雪を降らせよ゛」


ふわふわとした雪が振る。成功だ。


「大丈夫みたいだね。」


雪は出来た。

その次をいくつか考えていると、エルトが上級生に何かを聞いて、どこかに行った。


「どこいったんだろう?」


しばらく待っていると、何着か服を持ってきた。

魔法の国の服や、ドレスがある。エルトはいつの間にか服を着替えてドレスにしている。ドレスと言っても、簡単なものだ。


「アイはどれがいい?」


薄い水色と銀色のドレスを着たエルトがこちらに来る。


「ど、どこから借りてきたの?」

「衣装で、あったんだ。で、どれがいい?」

「……どれでもいい」


エルトが怖い。眼力が。


「アイは、黒髪だから黒がいいかな?ちょうど、私と対比になるし。あ、でもお揃いもいいなぁ。」


ブツブツ言っている。こわい。そして、少し微笑を浮かべているのも不気味だ。


「アイはこれね。」


渡されたのは紺のドレスだ。黒にも青にも見える。


「イメージはアイが夜で、私が昼ね。」


よく分からない。やはりエルトが怖い。


「最後の方で……!?」


呼びに来た人が止まった。

その後スローモーションで倒れた。


「え?大丈夫ですか?」

「……女神……降臨」


うわ言を呟いているようだ。揺さぶっても反応はうわ言だけ。

女神って何?


「アイ?次だよ?」

「うん。でもこの人は?」


エルトはうーんと唸った後、こちらを見た。


「たぶん、しばらくすれば起きるよ。」


つまり、放っておけっていうことね。

少し心配だけど大丈夫だろう。



ステージに出る。


「″世界に満ちる精霊達よ、雪を降らせよ″」


雪がひらひらと降る。まだステージには私しかいない。

観客の人たちは静まっていて、こちらをじっと見ている。

緊張する。


「″世界に満ちる精霊達よ、光を降らせよ″」


雪に混じって、キラキラと光が降ってくる。光が降ってきたのを見て、エルトがゆっくりと出てくる。


2人で向かい合った時、エルトの手と、私の手を合わせる。何度か戯れるように回った後、仕上げだ。


「″世界に満ちる精霊達よ、我らの周りに水の壁を″」

「″世界に満ちる精霊達よ、水の壁を氷に変えよ″」


エルトの詠唱に私の詠唱を重ねる。私たちの周りの水の膜が凍っていく。そして水の膜は薄い透明な氷になった。

私達が氷のドームの内側にいる。


「解除」


氷のドームが砕け散る。キラキラと反射してとても綺麗だ。雪も光も少しずつ消えていく。


「ありがとうございました。」



1拍遅れて拍手が巻き起こる。


「天使だ!」

「いや、女神たちだろ!」

「綺麗ー」


よく分からない単語が聞こえるけど気のせいかな。

取り敢えず成功したようだ。



「優勝はアイさんとエルトさんです!」


結果発表後、私とエルトはほかの生徒に囲まれた。写真を取っているようだ。

カメラってあったんだな。カメラというより撮影機?結構でかい。



何か、コスプレでもしている様な気分になった。



ドレス?

あの後1日着ることになったよ。エルトもね。店番してる時も着てたよ。うん。


あだ名がいくつかついたよ。

「紺の女神」「夜の女神」「黒天使」など。

不本意だ。


エルトもついてたな。

「銀の天使」「朝の女神」「空の神」など。



なんだろう、この世界、厨二な渾名が人気らしいな。

でももともとファンタジーな世界だから厨二病はあるのかな?



〜〜保健室の先生の報告書〜〜


学園祭1日目。

今日の怪我人・なし。

今日の担架の数・数え切れない

今日の意識不明者・数え切れない

原因・不明(推測だが、女神とうわ言をいっているのでとてつもない美少女を見たのではないか)



美少女無双(─ ∀ ─)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ