二百九十七話
駆け足モード! 時間も多少ぴょんぴょんしてます。そして少し短めです。
協会から正式に遠征の依頼が来てから、俺達は準備した物を待ち海が在る方へ出発した。
まぁ、その際……家族達に心配されたけど行かない訳にはいかない。……まぁ、主に心配されたの双葉なんだけどな。
ただ、皆も必要だというのは解っているので、行くなとは言わなかった。まぁ、爺様や父さんは村の運営などに関わっているからな。
そんな心配をされながらの出発だったが、心配なんて必要無いぐらい探索はすんなりと進んでいった。
海に行くまでに見つけたダンジョンは一層を軽く確認。その後、ドロップした物をメモしてから直ぐにダンジョンを出る。
まぁ、目的物じゃないからな。問題なさそうならば攻略する必要が無い。
因みに、この探索チームには四パーティーが参加している。
まぁ、海に着くまでは全員一緒に進み、海まで着いたら左右に二パーティーずつ別れての捜索。
なぜ二パーティーずつかと言うと、一パーティーはバックアップ要員だから。
まぁ、これで効率的に探索が出来るって話。
それで、俺達と一緒に行動するのは慣れ親しんだ影山さんパーティー。
隠密行動が得意な人達が集まったパーティーだからな。俺達との相性も悪くないと判断されたんだろうね。組まれるパーティーは協会が決めた訳だし。
そんな感じで、海辺に沿って周囲を探索したんだけど……塩をドロップするダンジョンが中々みつからなかった。
まぁ、魚介類がドロップするダンジョンを見つけたのは嬉しかったりするが。
そして、問題……という訳ではないが幾つか街を発見した。
接触するかどうかという話だが、まぁ、今回のクエストは塩ダンジョン探しだ。なので、前にやった様に、お手紙を渡してスルーするという方針のハズだったのだが。
なんと、この街の人達は既にシェルター外で活動していた。これは、優秀なトップでも要るんだろうな。
そんな訳で、挨拶だけをしておいた方が良いだろうという事で、距離をと取って声をかけた。
距離を取る理由は単純。こちらに敵対する意思はないよと言うアピール。だけど、まぁ、相手も一筋縄ではいかない……当然警戒されつつの接触になる。
「こんにちは!」と、挨拶から始まりそれぞれの状況についての情報を交換。
それで分かった事だけど、どうやら彼らは少し前に外の整備を始めたらしい。
そして、何やらその手伝いをしてくれている、違う場所から来た人達もいるとの事。その人達とも接触をしてみると、割と話が通じる人達。
これは、入谷さんや守口さんに直ぐ報告して、交流を持つべきだろうな。
ただ、一つ気になる事をそんな彼らが言っていた。
その内容が、何やら違うシェルターから逃げ出してきた人達が居るらしい。
そして、そんな人達が逃げてきた理由は……。
「人が襲って来たそうだ……君たちも十分に気を付けてくれ」
と言う話。
これは、前に話した嫌な予想と言うのが的中したという事になり、更に言うなら此処から俺達の村や街までの距離を考えれば……来れない距離では無い。
まぁ、この救援に来ている人達は、その警戒をする様にと色々なシェルターを回っているそうだ。
実にありがたい情報だけど、その襲撃者が今どこで何をしているか解らないらしい。
ただ、最悪なパターンは、そんな友好的な態度をする彼らが襲撃者だった場合だが……まぁ、其れは無いだろうな。
色々と濁った気配が有る為に、イオの嗅覚や、魔力探査に引っかかる魔力の質などで解るはず。
それに、彼らと俺達の武器の質が違いすぎるという点もある。襲撃されても十分反撃が出来るからな。警戒だって壁の外を出歩いているんだ、緩める訳が無い。
「影山さん。これ、一旦塩ダンジョン探しは切り上げて、情報報告に行きますか?」
「そうだな……この情報は緊急性が高い訳だしな」
そう、影山さんと話し合いをしていると、横から美咲さんが声を掛けて来た。
「あの……少し良いかな? ちょっと思いついた事が有るんだけど」
「ん? 美咲さん何かいい案でもあるの?」
「うん。その、風に手紙を持たせて飛んで行ってもらうのはどうかな? もし警戒するなら、襲撃を受けたって言う場所に近い此処を警戒したほうが良いだろうし」
相手の情報を収集しつつ、情報を知らせる為に風に行って貰う。……なんで思いつかなかったんだろう。
影山さんと顔を見合わせて苦笑してしまう。うん、影山さんも全く思いつかなかったようだ。
「ナイスだよ美咲さん。その方法なら効率的に動ける……ただ、風はそれで行けるか?」
「ピュィ」
「ふーちゃんが、「しょうがないからいってやる」だって!」
双葉が風の通訳をしたんだけど……まぁ、風の態度を見ればなぁ。間違いなくそう言っているんだろうなと解る訳で。
「風ちゃんお願いね」
「ピュィ」
美咲さんもそんな様子に、苦笑しながら風へと再度お願いをしていた。
「それじゃ、手紙を用意している間に……白河君達は周辺の情報収集をお願いしていいかな?」
「そうですね。……それについては彼らと合同でって感じになると思いますが」
「勿論それが良いと思う。協力すれば、それだけ後々の交流や交渉にプラスになるからな」
影山さんの言う通りだな。印象は良い方が良い。その為には協力して調査したほうが良いのは当然だ。
しかし……まさか、本当に漫画のように世紀末だ! と暴れる人が出てくるとはな。
さてさて、問題はそんな相手を見つけた後どうするかなんだけど……一体どういう方針で行くのやら。
━━協会にて━━
「守口さんお久しぶりです。随分とご活躍しているようで」
「入谷君も久しぶりだな。……活躍してるのは白河や影山たちなんだがな」
「いえいえ。彼らを有効活用しているのは守口さんですから」
挨拶をしながら、現状についての話をして行く二人。
「入谷さん。あまり村に戻らないのは何故かしら?」
そんな二人に、横から声を掛ける女性……まぁ、品川氏だ。
彼女はくすくすと笑いながら二人のやり取りに混ざっていく。
「品川さんもお久しぶりです。中々戻れずすみません」
「解ってるわよ。随分と……状況が動いているみたいだしね」
そう言いながら、品川は一通の手紙を見せつけるようにひらひらと振る。
「その手紙ですね……まぁ、今回協会本部と支部の長が集まった理由ですし」
「まったく、ワイバーンが出たとかならば、彼らに任せても十分だったんだがな」
そう、この手紙は風が協会へと輸送した、簒奪者が出たという内容が書かれた物。
そして、そんな手紙を見た彼らは緊急会議を開く事にした。
「と、その話をする前に、まずは紹介だな! 俺が遠征に出る際に後を任せる葉山だ」
「初めまして葉山です。皆様には私たちの復興を手伝って貰いまして……」
「いやいや、堅苦しい挨拶はしなくても良いよ。前みたいな上下だの派閥だのと言ったものは無いのだから」
「そ、そうですか」
軽くで大丈夫だという入谷。それに対して恐縮しながらも少し崩した態度になる葉山。
元々葉山は、協会で働いていた人間だ。そして彼は、崩壊前にゲートを守る入谷や受付嬢をしていた品川よりも、支部長に近い人間だった者。
当然、協会内の力関係やら派閥やらに関して、他の人よりも嫌と言うほど知っている。
なので、崩したとはいえ、中々硬さがほぐれる事はない。
「ま、お互いの紹介は済ませた訳だし……新しく接触した人達と、襲撃者に対する対策会議を始めようか」
その言葉を皮切りに、協会のリーダー達による会議が開始された。
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さて、対人ですが……どうするかな。




