剣術鍛錬と恐怖の…
今回は疲れました、夢狐です。
朝食を終えた僕は庭にいた。右手には木剣を持っている。そして目の前には金髪を短く切りそろえ、整った顔をしており、その青い瞳には闘志が宿っている。手には僕と同じく木剣を持ち構えている。
「ハルくんガンバレ!!!!」
「どうした?構えるんだ」
「普通さ…鍛錬って素振りとか、体力作りとかその辺から始めるんじゃないの?」
「ハルくんガンバレェ!!!!」
僕は前世で運動部にも入ってないし、あんまりスポーツに興味なかったので知らないが、普通はそうじゃないだろうか?
「まずはお前の今の実力を見極めなければな!」
「ハルくんガンバレェェ!!!!」
なんだろ…この人脳筋なんじゃないかって思えてくる。こんな人だったっけ…
「ハルくんガンバレェェェ!!!!」
うん。少し静かにしてくれ姉さん。
「行くぞ!」
僕がしぶしぶ構えると、そう言って突っ込んでくる。結構早い、がキングウルフよりは遅いな。かと言って軽々と躱すわけにもいかない。僕は弱いって事になっているのだから。そしてどうするか考えた結果…
ビシッ!
僕は頭を打たれそのまま倒れた。
あれ?…一応防御魔法使ったんだけど…
「うぉぉぉ!ハルスゥゥ!!」
「ハルくーーーん!!!」
父と姉の叫び声を最後に僕は意識を手放した。
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「う、うーん…知ら…知ってる天井か…」
一度は言ってみたかった台詞なんだがな…ここは僕の部屋か。えーと、父さんの剣を受けて…そのまま倒れたんだっけ。
父さんは【剣術・上】だったから中位レベルの防御魔法をかけておけば、気絶しない程度でやられると思ったんだけどなぁ…経験と鍛錬は時に才能を凌駕すると聞いたことがあるな、能力だけの僕では鍛錬を怠らずに多くの経験をしてきた父さんには適わなかったわけか…
突然ノックもなくバンッ!と扉が開かれ、姉さんが勢いよく入ってきた。
「ハルくん!大丈夫?!」
「げっ…あーうん。大丈夫」
声が大きい、頭に響く…マジ姉さん勘弁。
「良かったわハルス、起きたのね」
「体に異常はないか?」
続けて父さんと母上が入ってくる。
「問題ないよ、心配させてごめん…それより父さん、その頬のは…?」
「いやぁ…あのぉ」
父さんの右頬にはもみじ型の痣が付いていた。…痛そうだな。
僕の質問に答えたのは父さんではなく、姉さんだった。
「私がやったの…ハルくんを傷つけるのはたとえ父上とはいえ許せないから…ふふ…ふふふ」
ね、この人ヤバいでしょ?
「べ、別にそこまでしなくてもね…ンンッ…僕は何ともないから。それに鍛錬中の事なんだし、これくらいはね」
「ハルくんがそう言うなら…でも父上、次は無いですよ?」
姉さんが笑顔でそう言うが…目が一切笑ってない…恐怖が止まらないよ。
「お、おう…まあでも続けていればいつかはあの攻撃も止められるようになるだろ、これからも頑張ろうな」
「う、うん」
こんな感じで僕の剣術鍛錬の初日は終わった。
BGが面白い。ハルスに身辺警護人やらせようかな。
歳食ってても木村拓哉はかっこいいね。と今作と関係ない事言ってみる。
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