action1. 「俺だけが、物語を知らない」
この物語はフィクションです。
異世界を舞台にしたファンタジー作品です。
初投稿なので温かく見守っていただけると嬉しいです。
「なぁ、お前……そろそろ死ぬやつだよな?」
いきなりそんなことを言われても、意味がわからなかった。
目の前の男は、村の門番だ。筋肉質で、いかにも“序盤で主人公を助けるモブ”みたいな顔をしている。
でもその目は、俺を見ていない。
“俺の役割”を見ている目だった。
「……何言ってんだ?」 「いや、ほら。ここって“第1章の村イベント”だろ? 外の森に出たらスライムにやられるやつ」 「知らねぇよそんなもん」
俺はため息をついて歩き出そうとする。
すると後ろから、もう一人の村人が声をかけてきた。
「気をつけろよ。お前、どうせ“覚醒イベント前の犠牲者”なんだから」
振り返ると、村人は笑っていた。
冗談のように。
でもこの世界では、それが冗談じゃないことを、俺はなんとなく理解し始めていた。
村を出た瞬間、空気が変わる。
森の入り口。薄暗い木々。いかにも“初心者殺しエリア”という雰囲気。
そこに、少女が立っていた。
金髪、軽装、剣を背負っている。
「来たか。……やっぱり“主人公の最初の同行者”は私か」
独り言のようにそう言って、こちらを見た。
「いや、誰だお前」 「は? このポジションでそれ言う? 私、ヒロイン枠だぞ」
……ヒロイン?
意味がわからない。
この世界の人間は、みんな何かを“知っている”。
自分の役割。流れ。結末。
まるで見えない台本を読んでいるみたいに。
森の奥から、低い唸り声がした。
「来たな。第一章のボスだ」
少女が剣を抜く。
俺は思わず後ずさる。
そこに現れたのは、巨大な魔物……ではなかった。
黒いローブの男。
人間だった。
その男は、ため息をついたあと、こう言った。
「やれやれ。今回も“魔王戦までの噛ませ役”か」
そして俺の方を見た。
「お前が“例の異物”か」
異物。
その言葉だけが、やけに重かった。
「俺は魔王じゃない。ただの中ボスだ」 男は肩をすくめる。
「でもな、もう分かってる。そろそろ“ストーリーが進む”頃だ」
剣が振り上げられる。
少女が叫ぶ。
「ここで覚醒するはずだ! 早く!」
「知らねぇって何がだよ!」
俺は叫んだ。
その瞬間。
世界が一瞬だけ、静かになった。
そして、誰もが気づく。
この場にいる全員が、“次の展開”を知っている。
ただ一人を除いて。
俺だけが。
何も知らない。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
なろうも初めてで更に初めての異世界ファンタジーでしたが楽しんでもらえたでしょうか?
こうして設定を考える所から楽しくてつい投稿してしまいました!
気に入ってもらえると
続編も考えているのでよろしくお願いします!




