20_イベントクラッシュ
2のとあるルートがここで終わりを告げる・・・
「彼女達の鑑定の前に提案のあった件について確認したい。」
王子はそう言ってよく似た顔立ちの二人の少年を前に呼んだ。
「そちらの言い分ではどちらかは本物の紋章持ちの可能性が高いと言う話だがそれで間違いないか。」
エリスが前に出て答える。
「はい、今の今まで気付かれないということは近くにお手本となるものがあったと言う事。
お二人は同じ屋敷で暮らしていたのであれば片方が紋章持ちでもう片方がそれを真似れば気付かれにくいでしょう。」
なるほどと頷いて王子は右に居た少年、ハンスを呼び出す。
「右から順に鑑定機に手を当てていけ。」
結果を見た鑑定士は驚きで目を見張った。
「これは、猪の紋章!全てに同じ結果が出ています!」
周囲がざわつく。
「では次だ。」
と王子は左にいた少年、フランに同じことをするように言った。
「・・・それらしい傾向は見られますが紋章持ちとは言えません・・・」
鑑定士の言葉に同行していた騎士がフランを拘束しようとしてハンスが庇った。
「邪魔をするのか!」
声を荒げる騎士にエリスは少し待ってもらうように言った。
「済みません、少々待ってもらえませんか。」
騎士が下がったのを確認して少年達の前に立つ。
「貴方の紋章を見せてほしいのだけ、良いですか。」
ハンスが抵抗しようとするのを押さえてフランが前に出て手袋を外した。
「これで良いですか」
「有難う。」
エリスはお礼を言うと手に持っていた薬を紋章にさっと振りかける。
「何をする。」
ハンスが怒るのをフランが抑えた。
エリスは少年の手にタオルを当てて薬をふき取っていく。
それを見守る騎士は紋章が消えていくのを確認してそれ見たことかという顔をして・・・表情が固まった。
「それは契約の印!?」
偽りの紋章の下には聖獣との契約の印がはっきりと浮かび上がっていた。
「貴方方の申し出に感謝する。
危うく紋章の子と聖獣使いを失うところだった。」
王子は深々と頭を下げた。
「この子達は暫くこちらで預かる。それで良い?」
「ああ、親達の裁きが終わるまでお願いする。
それで良いな。」
視線は二人の少年に向いた。
「はい、お願いします。」
「俺達はあの家には戻りたくない。関わりたくないので。」
「分かった。」
その様子を見ていた王女は振り返って言った。
「サーシャ。この子の聖獣を連れてきて。
カンテラ、貴方も同行しなさい。」
略式礼をして二人はハンスとフランを連れて部屋から出ていった。
「それでは仕切り直して、ジュリア、君からだ。」
「はい。」
王子の言葉に3人の中で背が一番高く、羽飾りを髪に飾った少女が前に出てくる。
ジュリアは順々に鑑定機に手を翳していった。
「この魔力の強さ、紋章持ちで間違いありません。」
鑑定士は結果を見ながら言った。
「ただ・・・今のところどの紋章とも一致しません。
敢えて言うなら鷲や白鳥の紋章の波形と似ています。」
「そうなるとフェニックスの可能性が高いか・・・」
「申し訳ありませんが、そこまでは分かりません。」
「謝るな。次はオリガ殿。頼む。」
「承知しました。」
今度は中肉中背、眼鏡を掛けた少女が出てくる。
その視線は王子や王女ではなく鑑定の側にいるエリスやトレイシーに向いていた。
彼女も鑑定機に手を翳して元の位置に戻る。
「はい、紋章持ちで間違いありませんが・・・やはり一致する紋章はありません。」
「近いのものはあるか?」
「はい、竜または蛇が似ています。」
「となると玄武か」
少し考え込むものの、王子は顔を上げる。
「最後にセシル、君だ。」
一番背が低く愛らしい容姿の少女?が前に出てくる。
小さく頷くと順々に鑑定機に手を翳していく。
結果は2人と同じく強い魔力反応を示すがどれとも似ていなかった。
その後、サーシャ達が大きな猪を連れて戻ってきたの確認して王子達は城に戻っていった。
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