8章 ---6(危機一髪)
そのときだった。
内田冬彦の狂気の おぞましい姿で
伊原南に 覆いかぶさろうとした
瞬間だった。
「おい 何してるんだ」
と 男の声がした。
その男とは その男子は
まさかの空野陽だった。
空野陽は たまたま珍しい本が売れてる
本屋に 行こうとして 一人でこの道まで
来たときに女子の
「だ だれか助けてー」
と いう声が 聞こえて来たので
そこまで行ってみたところで そういう状況に
遭遇したのだった。
そこで カバみたいな北高校の制服を着た
男子生徒が 北高校の制服を着ている
女子生徒に 覆いかぶさろうとする
刹那だった。
そして
「おい 何してるんだ」
と 言って カバみたいな男子生徒に
向かって 突進していった。
突進して そのカバみたいな生徒が
あのアニメオタクの 内田冬彦だとわかって
ちょっとだけ 何故と一瞬 思ったが
そのまま タックルして その内田冬彦は
グラリと揺れた。
内田冬彦は 今度は こう言って
空野陽に 殴りかかって来た。
「コニタンとボクとの愛を 邪魔するなー」
と そう言いながら 空野陽を
殴ろうとした。
空野陽は 殴って来た 右手の手首をとって
内田冬彦の背中の方へひねった。
「グワー 痛い痛い ヤメロー」
と そう内田冬彦が わめいたが
そんなことお構いなく 空野陽も
か弱い女子生徒に 酷いことしてと
内田冬彦のことが 許せなくなっていた。
「内田冬彦。 お前ってやつは最低だな」
と そうは言わずには 空野陽はいれなかった。
そこで 襲われかけていた 女子生徒が
正気に戻って
「うぎゃー 痛い 助けてー」
と 言っている 腕を背中の方へ
ひねられて痛がって その痛みが
限界まで達しているのが
嫌でも わかった。
「もう私は大丈夫。
もう助かったから。
もうその人 痛みが限界だから。
もうそのくらいでやめて」
と 最後の方は あまりのことに
語気を強めてそう言ったのだった。
そう言われた 空野陽は ハッと
我に帰って 手を離した。
伊原南を 襲おうとして 空野陽によって
その異常で 狂気な 行動を
封じられた 内田冬彦は
「コニターン」
と ひとこと わめいて 逃げ帰っていった。




