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救国の女神は本の続きを書く。  作者: さんまぐ
救国の女神が世界を救うまで。

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42/48

第42話 救国の女神はザイコンを思った通りに救えない。

メーライトの言葉に、ザイコンは一瞬だけ嬉しそうな顔をしたが、すぐに表情を暗くする。そして儚げな顔で「無理だな。俺は切り捨てていい。アルデバイトに戻りながら戦うぞ」と言う。


「何故です!?」

「アイツらは実用型。体内に取り込まされた魔物は一つ。それも手や足と言った、頭と心臓から離れた箇所につける事で、暴走もおきにくい。カオカ達は試験型。体内に取り込まされた魔物は二つ。そして一つは手足、一つは胴体だ」


メーライトはザイコンの言葉を聞いていて、嫌な予感に襲われる。


「そしてこの俺、試作型は全身に五体の魔物を取り込んでいて、今の力で人に戻っても、手足どころか腹すらなくなる。その生に意味はない」


メーライトは混乱してしまう。

この戦争が最悪の状況になっていないのは、ザイコンの尽力があったからで、ザイコンこそ救われる存在で、その為に魔物を切り離す【切除】を思いついてアイに実装をした。


それなのにザイコンが救えない事に、メーライトは激しく動揺して混乱していた。

年長者のザイコンはメーライトの考えを察していて、「気にするな。俺を殺す事も救いになる。その身体、シムホノンだろう?奴がその身体を思い付いたのは俺の経緯を聞いたからだ。その意味はわかるな?」と言葉を送る。


既に何人もの失敗を経た状態。


意味の分かるメーライトが「ザイコンさんは何人目ですか?」と聞くと、「4人目だ。俺の次はカオカだった。アイツにはブンコーが居るから、こんな目には遭わせられない。だから何がなんでも生きてやった。だがその力で死ねるならそれも本望だ」と答えた。


「今度は俺の番だ。着いて来られるか女神!」


ザイコンはそう言って加速していく。

それはアルデバイトが危機に瀕している事を、ザイコンなりに伝えようとしている。


「お姉ちゃん!ザイコンさんを倒すつもりで攻撃して!」

「了解よ!」


その間にメーライトは、「アーセワさん!そっちの状況を教えて!王子殿下には砦は守ったと伝えて!」と声をかける。


「神様!こちらは一度攻勢が収まりましたが、再度苛烈になりました。奴らは人と魔物の混成部隊の為に、大量破壊の技がなかなか使えずにいます!この城の弱点、全方位から攻められるとどうしても手が足りません!」


「私がアナーシャさんとアノーレさんを連れて行ったからだ…。ごめんなさい。もう着くから頑張って!」


メーライトはそのまま「皆!今行くから大変でも頑張って!」と言葉を送る。


「アイ、無理をさせて」


そう呟いたメーライトは、「ダンジョンコア!力を寄越して!」と言い、更に加速する。


ザイコンに「遅いです」と言って、アーテルと手を繋いでアルデバイトまで加速すると、言葉通り、あっという間にアルデバイトに着いたメーライト。


「アナーシャさん!アノーレさん!お願い!」


メーライトが2人を喚び出すと、アノーレの治癒魔法とアナーシャの射撃で少しだけマシになる。


「お姉ちゃん!魔物にだけ追尾弾!索敵はこっちでやるから、お姉ちゃんは1発でも多く放って!」


メーライトはアイの中に眠る宝具に意識を向けて、アナーシャの真似をする。


「全方位索敵、検知した情報を視覚共有の逆を意識してアーテルに見せる」

「任せなさい!見えたわ!岩石追尾弾!」


豪雨のような岩石を浴びた魔物達が次々に絶命していく中、「させるか女神!」と追いついたザイコンをメーライトが迎撃する。


「これで儀式は終わりです!」

「だろうな!だからこれで最後だ!」


ザイコンが加速をして殴りつけてくると、メーライトは反応できずに直撃してしまう。


「短距離の瞬発力と攻撃力、そして経験値は俺の方が上だな」と言いながら、追撃をしてくるザイコンの手を止めるのはアーテルで、「アイはやらせない!」と言っている。


アーテルも剣を抜くと、メーライト同様に魔法力の剣で、ザイコンに傷がつく。


「人の間に死ねるか?」と呟くザイコンを無視して、メーライトが指示を出すとバルコニーから屋根をかけてきたアルティが、「よっこいしょぉぉっ!」と言いながら氷の鎌、アイスサイズで背後からザイコンを狙い、メーライトも攻撃を重ねてザイコンを吹き飛ばした。


地表に叩きつけられて動けないザイコンに「勝負ありです」とメーライトが言うと、「そのようだ。ギリギリ人でいられている。今の間に殺してくれ。心まで魔物になりたくない」とザイコンが言った。


ザイコンの言葉に目を伏せたメーライトが「わかりました」と言った時だった。


「ゲアマダ!?何をした!?」と声を荒げたザイコンは突然動けるようになると、飛び上がった。


そのまま「女神!来てくれ!」と言って南の空に向かって飛んでいってしまう。


「メーライト!?」

「アルティ!多分魔界の扉に行く事になる!アノーレさん達が消えちゃうかも知れないから皆を守って!」


「ええぇぇぇ!?またぁ?」

「また!お願い!」


メーライトは一瞬バルコニーから自分の身体とそれを守るアーセワ達を見て、「これよりメーライトは魔界の扉に向かいます。行ってきます!」と言うと、アーテルと飛んで行ってしまった。

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