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救国の女神は本の続きを書く。  作者: さんまぐ
救国の女神が立ち上がるまで。

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第12話 救国の女神はアーシルを喚ぶ。

アルーナとアナーシャの連携は何の問題もない。

飛行型の魔物はアナーシャが容赦なく撃ち落とし、攻め込む魔物や兵士はアルーナが斬り刻む。

今の問題は手数になる。


やはり少なくとも後1人、前衛も後衛も可能な騎士か、防御に特化していて時間を稼げる騎士、欲を言えば範囲攻撃が可能な魔法使いが欲しかった。


メーライトが見送りの列を離れて本を読もうとした時、声をかけてきたのは内壁一番にいた騎士達で「俺たち護衛に選ばれたんだ!」、「皆を砦に連れて行く」、「向こうを良くしておくよ!」とメーライトに声をかけて行く。


メーライトを助けた若い騎士は「メーライト嬢!お互い頑張りましょう!俺の名前はハサンドム!よろしく!」と挨拶をして行くと、アーセワが「神様、大変ですが今のうちに3冊目を読んでください」と促す。


メーライトは「うん。バナンカデスさんのお父さん達を守らないとね」と言って部屋へと戻っていく。


【料理人見習いが王妃?】を読み始めるメーライトだが、バナンカデスのことが気になり集中が乱れる。

これではとても本どころではない。

メーライトを守るアーセワとアノーレの所に老騎士がやってきて、「アノーレ殿…負傷者の治療をお願いしたい」と声をかける。


「何処?神様の負担になるから最低限よ?」

「移動組の殿、内壁一番の兵達が、裏からの侵攻と会敵してしまった。あれでは砦までもたない」


この言葉に冷静でいられないメーライトは、「救済のペン」を構えて意識をアナーシャに向けてしまう。


正門もアナーシャとアルーナが居るからなんとかなっているのに、裏側の騎士達を見て冷静でいられないメーライトが、「アナーシャさん!裏側の敵を倒して!」、「アノーレさん!お願い!皆を助けて!」と声を荒げて感情を乱してしまった。


「神様ダメです!」とアーセワが止めに入った時は手遅れだった。

メーライトの言葉は神の言葉。

世間話なら否定もできるが、魂のこもる言葉の前では、身体と感情は違うと否定しても、メーライトの命令には逆らえなくなる。


アナーシャは殿を狙う魔物達を一気に百の矢で皆殺しにし、アノーレの治癒魔法が殿全員の傷を癒してしまう。


過度な力の放出に伴う負荷は、全てメーライトに向かう。


メーライトは、休息が取れていたので倒れる事は無かったが、ふらついてしまう。


「神様!倒れられたら皆がやられます!移動する者達もです!お気を確かに!」


我に返ったアノーレも、「ああもう!ダメだって!」と言いながら、メーライトを支えると老騎士に、「このままじゃダメだよ。籠城戦も覚悟してたけど、神様次第では早期撤退もあり得る。どっちでもいいように用意を始めて」と指示を出す。


「頑張る…から!……私…頑張るから…平気です」

「なら本を読むんだ。周りを気にしないで本を読んで、仲間を増やさないと、守れる者も守れなくなるよ」


「アノーレ…さん?」

「ほらやりな!アーセワは疲れが吹き飛ぶような飲み物とか作りなって!」


アノーレはメーライトの横で「私が治したし、アナーシャが百の魔物を倒したんだ。移動組は平気だよ」と、しつこいくらいに伝える事で、メーライトを集中させるとなんとか読み切ることが出来た。


【料理人見習いが王妃?】

ワーノックという名前の料理人見習いが居た。

周囲の手違いで料理人見習いになってしまい、手違いで基本的な指導も受けなかったワーノックは、勉強から逃げ出した王子に会うが、何も知らないワーノックはそれを王子と知らずに友達になってしまう。


王子はワーノックの明るさに惹かれて、王子として邁進するようになる中、ワーノックは同僚のミスの責任を「下っ端の義務」なんて言われて被せられたり、何故か食材調達として危険な場所のドラゴンを倒すことを命じられて行く。

死と隣り合わせの日々で、病に伏せる国王を救う為に、千年竜を倒して肝を獲得してくる。

だが実は、竜殺しは重罪で、ワーノックは城を追われることになったが、一年後、遠い街で働くワーノックの元に来たのは、かつての王子だった。

王子は父を助けてもらった事への感謝と、この扱いの謝罪をした後で結婚を申し込む。

ワーノックはそれらを受け入れ結ばれてハッピーエンド。


そんな物語だった。


「救済のペン」を構えるメーライトに、アノーレが「書く前にまず聞いて。誰を喚ぶか。そして何をさせたいのかだよ。剣士ならアルーナがいる。弓使いもアナーシャがいる。料理なんかはアーセワが居るし、回復なら私だよ」と進言する。


「アノーレさん…。皆を守ってくれる人がいいかな?」

「素敵だね。後は?」

「魔法使いの人とか」

「悪くない。やれそうな奴は居たかい?」


メーライトは真剣に考えて、意地悪だった姉を思い出す。


だがそもそもこの【見習い料理人が王妃?】には登場人物が少ない。今までのように姉が選びたがる人物が居ない。


「どうしよう…、見当たらない」


青ざめるメーライトだったが、アーセワがシムホノンを連れてくると、「お任せくださいメーライト様」とシムホノンは言う。


「司書様?」

「私は本の内容を暗記しております。僅かな時間ですが、楽しい時間を私にください」


「え?」と聞き返すメーライトに、「メーライト様は、料理をこぼしたのに、黙っていた一番助手を、どう思いましたか?」と質問をする。


「え…、言ってくれればワーノック大きなフライパンで顔面を殴打されずに済んだのにと…」

「私も思いました。あれだけして心が痛まないのでしょうかね?」


この会話で、シムホノンが本気で本を愛していて、内容を熟知していると知ると、メーライトは心が軽くなって、初めて他人と本の内容で楽しく語ることが出来た。


「メーライト様、ワーノックも努力家でしたが、同じくらい努力家だったのは誰でしょう?私は副料理長のマメシズかなと思います」

「えぇ?彼女も努力家ですが、やはり千年竜の住む獄界山への道案内を請け負った、アーシルには敵いません。マメシズは食材に合わせずに自分に食材を合わせようとしていました」


ニコニコと笑顔で話すメーライト。

これこそ本来して欲しい人付き合いだった。

それはこの場に居るメーライト以外の人達全てが思っていた。


「では、そのアーシルが使徒様に選ばれるとしたらどうでしょう?」

「アーシルですか?彼女はまだ8歳の子でしたが、ワーノックの戦いぶりを見て、重戦士の道を目指します。あの千年竜の火炎すら盾と魔法で防いでしまうんです。勿論1人で千年竜と戦えるように、自分を鍛えるんですよ。そしてワーノックに憧れて料理の腕も磨きます。15歳になると城に行ってワーノックに謁見をして料理人として、ワーノックと王子様の専属シェフになります」


饒舌に話すメーライトを見て、優しく微笑むシムホノンは、「出来ましたねメーライト様、さあアーシルの人生を生み出してください」と言うと、無自覚だったメーライトはハッとなって、「あ…頑張ります!」と言うと急いでアーシルの事を書く。


そして「アーシルさん!お願い!」と喚び出すと、重戦士の格好の少女が現れて、「神様、喚んでくれてありがとう。状況はわかってるから任せて!」と言って、部屋から飛び出すと「アルーナ!アナーシャ!私が入る!フォーメーションを組むよ!」と声をかける。


「盾使いか!?助かる!叩き斬るのはアタシがやる!」

「数は私が減らす!」


アーシルはアルーナの手が回らない箇所で盾を張って時間を稼ぐと、アナーシャとアルーナが周りの敵を倒して行く。



「バッチリだね!」

「おう!助かるぜ!」

「このまま耐え切りますよ!」


3人の使徒達は勝ち路線に入っていた。

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