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2026/1/26 日間異世界転生/転移ファンタジー完結済ランキング213位記念笑エピソード



オタクに優しいギャル(?)と伝説のフル装備

 

ユリナ

「コウタ様、こちらをご覧ください…………あれ、結末が書き換わって……?」

 

ジムのロビーに響き渡る、場違いな高笑い。

それは、かつて異世界を救い、そして全てを捨ててデリートされたはずの男の、あまりに無邪気で「汚い」笑い声だった。

 

コウタ

「デュフフ! まあ、よくある『なろう系』の結末でござるな。最後は美少女に囲まれて大団円……テンプレすぎて、拙者のような玄人オタクには少々刺激が足りぬでござるよ」

 

コウタは、目の前に現れた絶世の美女三人を前にしても、怯むどころか「オタク特有の早口」で語り続ける。彼の記憶からは、あの壮絶な魔王城の死闘も、自己犠牲の美学も、綺麗さっぱり消え去っている。

 

コウタ

「今どきは恋愛要素強めの追放物が流行りでござるからな。ラストが魔王討伐なんて、一周回って新鮮というか、古臭いというか。草を禁じ得ないでござる。今どきの魔王といえば、ピチピチのギャルかドチャクソイケメンで、実は最初の仲間でした、ってのが相場と決まっておるのになァ!」

 

彼は腰に手を当て、自信満々に「なろう論」をぶちまける。

 

コウタ

「しかもこの物語、『ざまぁ』のカタルシスが少々足りぬ気がするでござる。デュフフフ! ……おっと失礼。ところで、そなたらはコスプレイヤーでござるか? それとも、最近流行りの悪役令嬢モノのキャストか何かでござるか?」

 

キョトンとした顔で首をかしげるコウタ。

そんな彼を、ユリナ、ハルボウ、そしてノア(元・ゴブリン助)は、慈愛と呆れが混ざったような、何とも言えない表情で見つめていた。

 

ユリナ

「……コウタ様。その笑い方……元の世界に戻って、ようやく直ったのですね」

 

かつて、精神を削りながら「オタク・チート」を振り絞り、その口調すら失いかけて戦っていた彼の、痛々しいまでの覚悟。その反動で今の彼は、ある意味で「完全な姿」に戻っている。

 

コウタ

「んん? 何のことでござるか? 拙者の笑い方は、生まれつきの様式美スタイルでござるよ」

 

ユリナは、ふっと優しく微笑んだ。

 

ユリナ

「……ううん。何でもありません。そのままでいいんです、あなたは」

ハルボウ

「そうだよ! コウタしゃまが元気で、ちゃんと『テラキモス』なら、それでいいの!」

ノア

「……おかえりなさい、私たちの『汚い』聖戦士様」

 

コウタ

「ちょっ!? 今さらっと『キモい』とか『汚い』とか聞こえたでござるが!? 拙者のチートボディに免じて、そこは『渋い』と言い換えるべきでは……デュフフ! ……さて、拙者は着替えて帰るとするでござるよ」

 

ジムのロビーに、かつて世界を救った「伝説の装備」が、今この現代で再構築される。

 

ハルボウ

「こうたしゃま……! ハルボウ、お腹すいたでしゅ。こうたしゃまが昔教えてくれた、『ビッグサンダーエベレストハイパーインフレチーズ牛丼夢のはて盛り』ってやつ、食べたいでしゅ!」

 

コウタ

「デュフフ! お安い御用でござるよ。拙者の行きつけの店なら、その手の特盛りなど造作もないことでござる」

 

そう言って、コウタはジムの更衣室から着替えて戻ってきた。その姿を見た瞬間、ユリナ、ハルボウ、ノアの三人は息を呑み、目を見開いて立ち尽くした。

そこにいたのは、ただの筋トレ帰りの男ではない。

額にはヨレた「バンダナ」。顔には度を超えた「ビン底メガネ」。上半身は色彩感覚が崩壊した「チェックのシャツ」。下半身は動きやすさだけを求めた「Gパン」。背中にはパンパンに膨らんだ「リュック」。そして両手には「指ぬきグローブ」。

 

それは、異世界で彼女たちが命を預け、共に魔王を追い詰めた、あの『神器』を全て装備した聖戦士の姿そのものだった。

 

ユリナ・ハルボウ・ノア

「「「その……そのお姿は……!!(じわっ)」」」

コウタ

「えっ、何。急に三人して泣き出すとか、拙者何かマズいことしたでござるか!? 服、前後ろ逆じゃないでござるよね!?」

 

三人が感極まって流す涙の理由が分からず、コウタは猛烈に気まずくなって、逃げるようにジムを飛び出した。

 

コウタ

「あー! 分かった分かった、とにかく飯でござる! 牛丼屋へGOでござるよ!」

 

夜風の吹く街角を歩き出すと、隣を歩くノアが、露店の隅っこにある古びた土産物屋を指差した。そこには、観光地によくある「木刀」ならぬ「土産物の竹刀」が立てかけられていた。

 

ノア

「コウタ様……あのお土産の竹刀、買ってくれますか?」

かつて自分の命と引き換えに主を守り、今はその手で希望を掴んだノアが、純粋な瞳でコウタを見つめる。

コウタ

「んん? まあ、お安い御用でござるが……おぬし、意外と渋い趣味をしておるな」

何が何だか分からないが、コウタの心中は、言いようのない充足感に満たされていた。

コウタ(内心)

(……フム。記憶にない美女三人に囲まれ、チー牛を奢り、土産物の竹刀をねだられる。これはもしや……!)

コウタ

「おぬしら……さては、巷で噂の『オタクに優しいギャル』軍団でござるな!? デュフフ! 最高の展開でござるよ!」


コウタ

「デュフフ! おぬしら、見てくだされ! 拙者の『汚い美学』が、完結後だというのに日間ランキング213位という『最高のファンサービス』を頂いたでござるよ!」

ユリナ

「コウタ様、本当ですね……。完結した私たちの物語を、今もこうして愛してくださる方がいるなんて、これ以上の幸せはありません」

ハルボウ

「213位!? すごいでしゅ! これ、みんなが牛丼夢のはて盛りを奢ってくれたってことでしゅか!?」

ノア

「……はい。コウタ様の物語は、ちゃんと皆さんの心に届いていたんですね。私も、またこうして皆さんに会えて嬉しいです」

作者より:

というわけで、まさかのランクインに一番驚いているのは私自身です。

2025年に完結済みの作品を、こうして2026年になっても掘り起こし、評価やブクマを下さった皆様、本当にありがとうございます。通知が来た時は心臓が跳ねました……!

「完結させてよかった」と、今さらながら胸がいっぱいです。

皆様から頂いたこの熱い応援は、必ず次なる新作へのエネルギーに変えて恩返しさせていただきます!

重ねて、応援本当にありがとうございました!

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