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基地までの距離はそう遠くない。
しかし、道は平坦ではない。岩やクレーターや、大、小の山が所々にある。
二人は無言でただひたすら、でこぼこの道をトラックで進んだ。
基地のある山が見えてきた。空からわからないようにうまくカモフラージュしてある。
もう一つのトラック用の避難壕を過ぎて行く。
基地に到着し、認証をおこなう。ドアが開いた。奥へ進んで、仲間に荷物を預ける。
エアロックのドアの向こうでヘルメットをとり、少し休憩する。
しかし、ゆっくりとしていられない。またこれと同じことを、後二回繰り返さなければいけないのだ。
往復四十分。簡単な仕事だ。だけど、骨が折れるし、命もかかっている。
「トピ、行くぞ」
荷下ろしが済んだトラックに二人は乗り込み、元来た道を引き返した。
空になったトラックは、勢いよく石の上を跳ねながら進んだ。
輸送船に戻り、再び荷を積む。
「気を付けてな。何かあったらすぐに連絡する」
パイロットのレブンが言う。
「おう」
ズカシが答える。
二人は信頼し合っているのだろうな。トピは思う。
いつも、短いやり取りだが、二人がわかり合っているのが伝わってくる。