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何事もなく仕事は進んだ。
三度めの荷物を基地に降ろし、後は輸送船に戻るだけだ。
輸送船に乗り込んだら、温かい人工陽灯の下で宇宙服を脱いで、体をのびのびと伸ばす。
そして、熱いコーヒーを一杯。
もう少しだ。もう少しで仕事が終わる。
避難壕が見えてきた。ここを超えればすぐ、輸送船に着く。
だが、その時
「こちら、レブン。レーダーに敵機だ。すぐ、避難。どうぞ」
レブンの声が聞こえた。
「了解」
ズカシは冷静に答えて、トラックのアクセルを踏み込む。
タイヤからの振動が激しさを増し、二人のヘルメットが同じ方向に揺れた。
トピが空を仰ぐ。それらしきものは見えない。さっきの戦闘機が戻って来たのだろうか。
ズカシは何も言わない。
避難壕にたどり着いた。
トラックのライトを消し、手元だけ照らせる小さなライトだけにする。
「こちら、ズカシ。第二避難壕の中だ。レブン、どうぞ」
「了解。また、連絡する」
「了解」
ふうーっとズカシがため息をついた。
「せめて、輸送船に乗ってからにしてくれよ」
独り言のようにズカシがつぶやく。
「まさか、撃ってこないでしょう?」
トピがシートベルトの位置を直しながらたずねた。
ズカシは黙っている。
「さっきみたいに偵察しているだけですよね」
トピがシートに体をあずけて言った。
「撃ってくるぞ。本当はあいつら撃ちたくてうずうずしているんだ。だけど、先に攻撃すると、攻撃したものを撃ち落としてもいいことになっているから、先に手をださないのさ。でも、人間を見つけたら、撃ってくるぞ。それで、おれの相棒は死んだんだからな」
「えっ」
トピは体を起こしてズカシを見た。小さくぼんやりとした光がズカシのヘルメットの輪郭とトラックくの一部を浮き出させているだけで、ヘルメットの中のズカシの顔は見えない。
「それで?」
トピは恐る恐るきいた。
「それだけだ」
ズカシは小さな声で言った。
もう何も聞けなかった。




