始まりはお節

風呂上がり

ご飯が炊きあがるまでに風呂でも入るか。

この手、よく、包丁使えたな。何年ぶりだ、包丁使ったのなんて。できなくないんだな、イビツだったけど。

「ふ。」

風呂場で一人で笑うって、なにしてんだ俺。ああ、上がらなくちゃ、のぼせる前に。

ほんと、身体だけは大人になったけど、まだまだ子供なんだよな、なんて鏡の中の自分に語りかけたりして。どうかしてるな、今日は、俺。

台所に戻るとご飯は炊きあがってたけど、さっきの蒲鉾入りの炒め物っつーか、見当たらなかった。