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ご立派
目が痛くなるほど派手な赤がベースで、台の表面には枝ぶりの大きな松の木が金色の細い線で描かれていた。これって金箔なんだろうか?ああ、「チンキン」とかお義母さん言ってたな。
お義父さんがじっくり眺めてから大事そうにお盆に戻すと、盃を置く台の上の右の上の角には翼を広げた鶴が、対角線上の左下には波打ち際、地上へ這い上ろうとする姿の亀が描かれている。
「信じられないよ、こんなのにン十万円も払うだなんて。」
お義父さんはジロリと冴子を見やると、第一の盃を両手で包むように抱え、盃の内側一杯に描かれた立派な松の木を満足そうにしげしげと眺めていた。
「値段じゃないのよね、この屠蘇器の価値は。」
お母さんは相変わらずご自慢の笑みを浮かべて語りかけてくれたけれど、想像できない桁数「ン」の形が僕の口には残ったままだった。




