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精一杯の微笑
お義父さんはやっぱり、布巾で盃をきれいに拭いてから立ち上がり、お盆を持ったまま元に居た自分の隣の席に戻り、卓の上にお盆を置いてからコタツに足を入れた。
入れ替わるようにお義母さんが立ち上がり、お義父さんの背後に立った。
お義父さんはお盆の上の、三枚の盃が載せられている台を持ち上げて下側から眺めていた。
「いいでしょう、この屠蘇器。」
お義母さんは自慢げに、否、笑顔を浮かべて明らかに僕などに対して自慢していた。
「沈金仕上げの輪島塗なの。」
そう言われても僕はどう答えたらいいのか皆目分からず、微笑みを返すのが精一杯だった。




