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【編集中】現代ダンジョンは食糧庫?~ちびっこ女子高生が行く、現代ファンタジー!~  作者: 風紀いいん
2章 ダンジョンあれやこれや

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9話 2回目のダンジョン攻略(主人公不在)

お待たせしました!

更新します!

 ルビーとアイン達が向かったダンジョン――そのダンジョンのある県の名前からとって秋田ダンジョンと名づけれたダンジョン。

その最終階層の攻略がついに始まり……終わった。


 結果をみればあっけなく、しかし現場にいた人たちに言わせればとんでもない経験だったと言えるものであった。


 最終階層のボスモンスター兼ダンジョンの守護者として出現した魔物はカマキリだった。もちろんただのカマキリなんてことはなく2mを超える高さと、それを支えるだけの全長を誇った化け物クラスのカマキリだ。

 その威圧感は凄まじいもので、そこまでの階層で何体かのボスモンスターを戦ってきた攻略部隊を持ってしても肌が粟立つ感覚を隠せなかった。


 こちらの存在に気づき早速とばかりに攻撃を仕掛けようとしたカマキリの魔物――ジェネラルマンティスは、しかしその巨体を動かすことは出来なかった。

 動こうとしてもいつの間にか体中に巻き付いて拘束している水の鎖があったからだ。


「……(とりあえず動きは封じたから解析頼むわね)」


 そう言ってこれ成した本人……いや、スライムは日高に抱えられて攻略部隊の先頭に立った。

 

『了解です――……正直、力押しでも勝てる戦力差ですが弱点は発見しました。背中にある羽の付け目の辺りがそうですね』


「……(なるほど……それじゃあ優子。貴女が戦ってみなさい)」


「えっ!?私が!?」


「……(サポートはちゃんとするから安心して戦いなさい。折角スキルも鍛えてたんだからチャレンジしてみなさいよ)」


 ルビーに指名された優子こと日高優子は自分の後ろにいたほかの攻略部隊の面々に視線を向ける。 

 そして、一斉に逸らされた。


 いや、彼らとて戦う気はある。地上の住んでいる人々の、大切な人の家族のためにこのダンジョンに入って魔物と戦うことを決めた精鋭が彼らなのだから。

 しかし、そんな彼らの目の前にはここまでの道中でその圧倒的強さを見せ、今も片手間に魔物の動きを封じている存在がいるのだ。そんな存在からのご指名を無下にするわけにはいかない。

 断じて、あのジェネラルマンティスと戦うのが嫌だという訳ではないのだ。


 瞬時に助けがないことを悟った日高は「後で覚えてろ……」などと思いながらため息を吐いて抱えていたルビーを地面に下ろした。そして腰につけていた直剣を引き抜き、一歩前に出る。

 誰もが知るような迷彩柄の防弾、防刃チョッキに剣を持つというのはどうして違和感があるが、その姿は意外と様になっている。


 このダンジョンはボスモンスターの同様に虫系統の魔物が出てくることが多かった。全部が全部虫という訳ではなかったが、9割ぐらいは虫系統の魔物が出現した。

 入った当初は部隊の面々はそりゃあ辟易としたものだ。

 

 それでも攻略を進めていき、道中にいた3体のボスモンスターと戦いでドロップした宝箱から出てきたのが日高の持っている直剣だった。アインの鑑定の結果、特殊な効果もついていない普通の剣だったのだが不思議と地上から持ち込んだ武器よりも魔物に対して有効なのだ。

 そしてそれを何故日高が持つことになったのかと言うと……


「それじゃあ本当にサポートお願いね?」


「……(一撃入れるまでは押さえておくから、攻撃をくらいたくなかったら一撃で決めてみなさい)」


「……普通に無茶なんだけど。でも、弱点に当てれば何とかなるわよね……<付与:強化>!」


 日高の持つ初期スキルは<付与術>というスキルだった。

 できることは読んで字のごとし、ものに能力を付与すること。今現在付与することのできる能力はごく限られているが、レベルを上げて習熟度を上げていけばかなりの戦力となるスキルである。

 そしてその習熟度は今回の遠征で急激に上がっていた。

その原因となったのが、彼女は普段はかけていないはずの眼鏡、アインの存在であった。


 ここに来る前、アインは他の人でも自分を扱えるようになるにはマスターの許可が必要であることを龍希に話した。もちろん全ての機能を使うことは出来ないが、ある程度の権限を許可することが出来る。

 それを聞いた龍希が指名したのが、日高であった。

 それによって日高はアインの機能を限定的にかつ、アイン自身が許可したものは使うことが出来るようになっていた。


 結果、ダンジョンを攻略していく中でアインに様々なアドバイスを受けながら使い方や効率的な運用法などを深めていった。

 そのためこの部隊の中でルビーに次ぐ攻撃力を持つのは日高となっていたのであった。


 先ほど使用した<付与:強化>は文字通り付与したものを強化する効果がある。それを自分に付与することで身体能力の上昇。

 さらに……


「<付与:強化>……行きます!」


 武器にも同じように強化を施し動きの封じられているジェネラルマンティスに向かって走り出す。

 強化した身体能力で巨体を駆け上ることも難なくこなし、弱点である背中の羽の付け根のある部分に降りたつ。


「思った以上に広いんだけど、どこを狙えばいいのかしら?」


『今マーカーを表示しますね。その部分に思いっきり剣を突き刺してください』


「りょうっ……かいっ!」


 視界に表示されたガイドに従って剣を突き刺す。

 その刹那、ジェネラルマンティスがわずかにみじろぎをする。それによって、バランスを崩し攻撃位置がマーカーから少しずれてしまう。


「まずっ!?」


「キキキイイイイイイイィィィィ!!?」


 凄まじい金切り声を発して、体が拘束を破って大きく揺れる。

 すぐさま剣を引き抜き離脱するが、ジェネラルマンティスは完全に拘束を引きちぎって暴れだした。


『少しずれましたね』


「ごめんなさい!もうちょっと注意すべきだったわ!」


『いえ、あれは抑え込んでおくと言ったのに身じろぎを許したルビーのせいでしょう。抑えておくと言ったのならちゃんと抑えておいてもらわないと』


「いいえ、あの程度の振動でバランスを崩したのは私にも油断があったからよ」


 話しながらも強化した身体能力ですぐさま部隊のところに戻る。


「申し訳ありません!失敗しました!」


「構わん!見たところかなりのダメージは与えているように見える!次の攻撃の備えろ!」


「了解しました!」


 続けざまに斎藤による命令でライオットシールドを構えた2人が戦闘に立ち、攻撃に備える。

 ジェネラルマンティスは暴れながらも、部隊の人間たちを発見すると自分に攻撃してきたのが彼らだと分かっているのか殺意の籠った眼で睨みつけてくる。

 すると左右の鎌をその場で振り下ろす。

 本来であれば何の効果もないはずのその攻撃だったが、次の瞬間にはシールドに大きく亀裂が走った。

 ついでやってきた衝撃によってシールドを構えていた隊員たちは後ろに下がらされてしまう。幸いなことに怪我はなかった。


 しかし、シールドの強度を考えるとこれ以上の攻撃を受ければ確実にシールドは壊れる。


「……(確かにこれは私がアイツの力を見誤ったせいね。後始末は私がつけるわ)」


 ここでルビーが動いた。

 口?のような部分から何かを吐き出す。ころりと出てきたそれは美しい緑色の宝石だった。エメラルドほど濃い緑色ではなくライトグリーンに近い色味の宝石。

そのうちには小さな竜巻のようなものが渦巻いているように見える。


 それを触手で拾い上げると真正面にいるジェネラルマンティスに向ける。


「……(……『暴風』)」


 ルビーの言葉を引き金に凄まじい勢いで宝石から風が吹き出す。それは真っすぐにジェネラルマンティスのもとに到達しその体を浮かびあがらせる。

 一瞬抵抗を見せたジェネラルマンティスだったが、そのあまりの勢いに吹き飛ばされ背後の壁に叩きつけられる。

 どうにか脱出しようとも藻掻くが、凄まじい風の勢いに壁に磔にされてしまっている。


「……(ちょっと威力が足りないわね。これならどう?……『解放(リリース)』)」


 これでは決定打にならないと踏んだルビーは風を発生させていた宝石をジェネラルマンティスに向かって投擲した。

 そして新たな言葉を紡ぐと、それに反応した宝石がジェネラルマンティスの体に当たった瞬間に弾ける。


 宝石の内側から先程とは比べ物にならないほどの風が発生し、その圧力で、その切れ味でジェネラルマンティスは押しつぶされ、切り刻まれていく。

 部隊のもとにも風は到達したが、次の瞬間には風がやむ。


 隊員たちがどうしたことかと前を見ると、自分たちの前に透明で巨大な壁が出来ていた。その表面は風を受けて水面の様に揺らめいていた。


「……(思った以上の威力がでたわね。ちょっと風がそっちに流れたようだけど、ごめんなさい)」


 壁の正体はルビーの水魔法で作られた水の壁であった。

 

 そしてジェネラルマンティスはあっという間に原型をとどめないほどボロボロにされ、粒子状になって消えてしまった。


「……(こんなところかしらね?そっちは大丈夫かしら?)」


 ルビーが振り向くと同時に水の壁を解除する。

 その光景を唖然とした様子で見ていた攻略部隊の面々。


 ここまでの行程でルビーの自分たちの間は大きな差があることは分かっていたが、まさかボスモンスターをあっという間に倒してしまうほどとは思っていなかった。

 現在いる20階層に来るまでに5,10,15階層と3度のボスモンスターとの戦いがあった。そのどれもルビーは主力ではあれど、その戦闘のほとんどを攻略部隊に任せて自身は支援に回っていた。


 もちろんこの場で宝石魔法を見たことのあるものはアイン以外いなかった。そして初めて見せられたそのあまりの威力に呆然としてしまうのも仕方のないことだろう。


『討伐報酬と攻略報酬の出現、さらに帰還用の魔法陣の出現を確認しました。攻略は無事達成ですね。お疲れさまでした』


 そんな空気の中アインの声が響く。

 それを聞いてようやくハッと意識を戻すと、それぞれ大きく息を吐いたり、脱力したりこれまでの緊張感を解す。


『ルビー、宝箱とドロップアイテムを回収したいのでこちらに集めてきてください』


「……(了解よ。ちょっと待ってなさい)」


 そう言うと、体から何本もの触手を伸ばして遠くに転がっているジェネラルマンティスのドロップアイテムや部屋の中央に出現した宝箱を回収していく。

 今のアインなら特のアイテムでも回収するのは容易なことではあるのだが、それなりにエネルギーを消耗するためほぼ無限にエネルギーを供給できる龍希がいないこの場では節約を優先していた。


 目の前に集められたアイテムたちを収納の機能を使い一瞬でしまいこむ。知らない人が見ればさっきまでそこにあったものが消えたようにしか見えないだろう。


「やっぱり何度見ても便利よね。普通ならあの量のアイテムを運び出すのにこの場の全員は必要なのに、その労力がいらないなんて」


 アインの持つ収納のような力を持つスキルは今のところ発見されていないし、もちろん漫画にあるような見た目よりもたくさん入る鞄なんてものも発見されていない。


「それがあれば物資のもち運びとか、ドロップアイテムの回収とかかなり役に立つんだけど……アインさん、何か知らない?」


 困った時はアインに相談!

 聞けば大抵のことには答えてくれる万能眼鏡!


『そう言われましても……そういうスキルを探すか、アイテムを発見するかですよね。スキルの方はスキル結晶を見つけるとか……おや、今回のアイテムがそれに近い機能がありそうですね』


「本当に!?」


 周りでそれを聞いていた攻略部隊の面々も日高同様に驚きを見せる。


『はい。アイテム類の鑑定は終了しましたのであとで結果をお渡ししますね。今はとりあえず地上に戻りましょう』


「分かったわ。隊長っ!」


「全員動けるなっ!今から地上へと帰還する!俺に続いて魔法陣の中に入れ!」


 そう言ってその場の全員を見回して大丈夫そうなことを確認すると、斎藤を先頭に魔法陣の中に入っていく。


 これによって、サブダンジョンを除いた世界で2番目のダンジョン攻略が無事に成功したのであった。


いかがでしたでしょうか?

最近自分で読み返していて誤字脱字や、言い回しの違和感などに気づき修正していっています。それと同時にちょこちょこ文章を削除したり、逆に追加したりしてもっといい文章になるように改稿もしています。

よろしければまた読み返してください。(すみません現状2話までしたできていません……)

とういわけで誤字脱字報告や、感想などどしどしくださいね!

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