表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/124

なんでそうなる

「ば、バカ。腕を振り上げるな、パンツが見えるぞ。寝ぼけて、おまえ全然はなしが見えてねーんだろ?」


殴りかかってきた千夜が、紫苑に手首をつかまれ、とたんにおとなしくなった。


「うん。でも、里沙が、しーちゃんを怒らせたままだとみんなの迷惑だから、ヌードモデルやって機嫌をなおさせてやる、だって」

「……なんで、そうなるんだ」


ため息をついた紫苑の肩をぽんと杏が叩く。


「ごめんなさいを言うのがニガテな子なんだよ。察してあげて」

「だけどさー、呼んできてくれなきゃ自分から行くって、もう服脱いじゃってて。しょーがなく起きてきたんだよ。なんとかしてよー、しーちゃん!」

「そりゃ、止めてくれてさんきゅー、チー」


紫苑は千夜の頭を撫でた。

まぶしそうに目をしばたかせた千夜はくちびるをとがらせる。


「だぁって。里沙の裸なんてしーちゃんに見せたくないもん。とりあえず里沙の部屋に押し込んできたけど、行っちゃだめだよ!」

「行くか! けど、なんとかしてって言われてもな。放っといたら裸で来ちまうのか?」

「くるだろうねー、里沙ちんは、べつに私たちに裸見られてもへーきな子だから」

「お風呂に行くのに忘れものしちゃったって、ペタペタ裸で歩き回ってるもんね」

「そーそー、ここに干してあるパンツ穿きにきたり、しょっちゅうだよ里沙は」

「はあ? ここ二階なんだぞ。夜、カーテン閉めてないと外から丸見えだろうが。大丈夫なんだろうな?」


紫苑のことばに、少女たち三人が無言で顔を見合わせる。

紫苑は青くなった。


「なんだその、そんなの気にしたことなかったなー、みたいなツラは」

「た、たぶんだいじょうぶだよ」

「たぶんじゃねえ! 里沙とおまえはここに住んでるんだからな。しかも、小娘がふたりきりで。──たく、危なっかしいったらないな。とくに里沙……ヘテロがどうとかいう以前に、あいつが気を抜きすぎなんじゃねーか」


うんうんと、杏がうなずく。


「まあそーだね。里沙ちんがおもってるよりかは、世の中の男は圧倒的に、女の子の裸を見たい派だわなー。今後は用心します」

「そうしてくれ」


ふと、メガネを外してから、杏は紫苑にふわりと笑い掛けた。

それから、千夜の肩を叩く。


「そんじゃま、行こう千夜ちん。だいじょうぶ、里沙ちんには、私から紫苑くんは怒ってなんかないよって話します。身内の男の心理ってのも……まあ、マンガを例に出せば里沙ちんもわかってくれるでしょ。任せて」


Tシャツのすそでレンズを拭いてから、メガネをかけなおし、杏はひらりと手を振った。


「さんきゅー、杏。助かる」

「お金の件、解決してもらった恩があるし。真名ちんに手ほどきしてもらってる恩も、手伝ってもらった恩も、ま、いろいろあるんで」


千夜の背中を押しながらリビングを出ていく杏を、紫苑は戸が閉まるまで見送った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ