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夜のコンビニと君のブラックコーヒー  作者: アキラ・ナルセ
第12章 サクラ色の春休み編

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プロローグのつづき

「ふぅ」


「話し疲れちゃった?」


「ああ。ちょっと喋りすぎた」


「ふふ。大河ってば、テンション上がるとずっと喋るんだもん」


 やや色がはげた青いベンチの上で、俺達はずいぶんと話し込んだ。


「つい、ここに来ると懐かしくなってさ。澪だって、人のこと言えないだろ?」


「……バレた?」


 そう言って澪は、俺の肩に乗っていた桜の花びらを一枚、指先ですくい取る。


「どうした?」


「ちょうど、あの時もこの季節だったよね」


「……ああ。そうだったな」


「あのあと、三年生の一年間もいろいろあったよね」


「ああ、あったあった。このコンビニじゃ新人がどっと入ってきて、毎日てんやわんやだったし。学校は学校で、新学期からずっとお祭り騒ぎでさ」


「ほんとほんと。学生生活って長いようで短かったけど、あの一年間は、やけに濃かったなあ」


 俺たちは、揃ってコーヒーに口をつけた。


 あの頃よりも、ずっとコーヒーの香りや苦味を、ちゃんと楽しめるようになっている気がした。


「あ、そうだ大河。このあと、渚さんとご飯の予定だったよね」


「そうそう。久しぶりに、この街で会おうって話になっててさ……っと、もう行ったほうがよさそうだな」


「じゃ、行こ。大河」


「ああ」


 俺たちは立ち上がり、自然に手をつないだ。


「続きは――あの人にも、聞いてもらおうぜ」


「うん!」


 俺達は今を生きている。


 でも、たまにはこうやって過去を振り返ることができる。


 それは、その時その時の一瞬を一生懸命に頑張ったからこそ。


 だから、俺達はまだまだ今を一生懸命に生きていく。

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