少年、再会する。
「なんだぁ、ここは!? なんでこんなもんがこんなところにあるんだよ!?」
開口一番にそんなことを言ったのは、僕にとっても見覚えのある男だった。
「あれ君、確かDの五番……」
「おお、あんたは俺の命の恩人じゃねえか! クロには会えたのか……って、誰だあんた!?」
Dの五番と呼ばれていた彼は、覆面を被ったクロの姿に気付いたのか素っ頓狂な声を上げた。
それを合図にしたようにクロが立ち上がる。
「私の名はクロ。君たちに指示を出していた者だ」
「……!」
その場にいた全員に緊張が走るのを僕は感じた。
が、そんな空気に物怖じすることなくクロは言葉を続ける。
「ここに集まってくれた諸君は、私と同じ志――つまり、シュニ人を粉砕しこのロニ区をナパ人の手に取り戻すという目的を持っている者だと、私は信じている。そしてそのために私はこの身を捧げる覚悟だ。それは諸君らも同様だろう?」
「待ちなさいよ。あなたが本当にクロだという証拠はあるの?」
Dの五番の背後にいた覆面が、覆面を外しながらクロの前に立ちふさがる。
女の人だった。
僕は剣の柄に手をかけたが、クロはそんな僕を片手で制した。
「疑われるのも仕方あるまい。そして、自分の疑心に素直に従うその勇気――やはり私の見込んだ通りの人物らしいな。ユウ・シラヌイ……ご両親は帝国に対する抵抗運動で亡くなられたのだったな。それ以来君はレジスタンスの中心人物として活躍している」
クロの言葉に女の人が眉を顰める。
「私のことを知っているの?」
「当然だ。ここに来た者全員の調べはついている。以前シュニ人による冤罪で治安警察に監禁されたディーゴ。シラヌイの右腕、パース。ロニ公国時代の貴族の血筋にあるザクセン。その他にも、私が帝国を倒すために必要だと考える優秀な人材を集めたつもりだ。帝国による人種差別政策を正し、圧政を退け、ナパ人に再び自由と栄光を取り戻すために選ばれた人間による組織――それが我々『リュウビ』なのだから」
「それが、あなたがクロである証拠だというの?」
「現に君たちは私の呼びかけに応え、行動し、そしてここに集まった。それが何よりの証拠だ。それでもまだ信じられないというのなら、これを見たまえ」
クロは仰々しい身振りで片手を上げる。
同時に、彼の背後にあった大型モニターが点灯し、ニュース番組を流し始めた。
―――ロニ区総督、タクシャカ・ヴィル・ルクトが死んだというニュースを。
次回の更新は2月21日です。




