Episode.001 始まりは突然に
初めまして!
この作品を読んでいただき、ありがとうございます。
ゆっくり楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、第1話をどうぞ!
私は竹内桃香、31歳、ブラック企業に勤める平凡なOL。
今日は友達との飲み会約束してるにもかかわらず、2時間遅刻で絶賛ダッシュ中。近場で設定してもらってるから5分ぐらいで飲み屋には付くんだよね。理由は私がいつも遅刻するから少しでも遅れる時間を減らしてもらえるように友達からの提案で、そうなって数年。2か月に一回の飲み会にも関わらず、今日も絶賛遅刻中。
この路地を出ればと思いながら出た瞬間、右から叫び声!気になって右向いた瞬間、背中に激痛が!私は数秒持たず意識を無くした。意識が飛ぶ前に聞こえたのは、叫び声と、男の人の声でくそが!邪魔しやがって!という声だった。
どのくらい意識を失っていたのか分からない。
辺りを見渡すと一面真っ白、椅子が二つにテーブル一つ。
私は自分がどういう状態か分からずにいた。
困惑していると私の目の前に一人の女性が現れた。
「初めまして、竹内桃香さん。さぞ驚いている事と思います。」
「え、えぇ。ここは?」
「ここは次元のはざまとでも言いましょうか、神の神域です。本来は誰も来る予定ではなかったのですが、世界線がずれた結果、桃香さんが巻き込まれてしまい不慮の事故にあってしまいました。なので私がここにお連れしたというわけです。」
「世界線がずれた?どういう事?パラレルワールド的な事?」
「えぇ、そうです。人類すべてに世界線、まぁ選択肢があり、それを選んで生活していますよね。例えば、今日、桃香さんは遅刻をしていて急いでいた、ずっと走っていましたが、立ち止まり今から行くとLIMUで連絡しようと思考しませんでしたか?」
「確かに思考はしましたけどいつも走ってたので、着いてから謝罪しようと走ってました。」
「そう、人は選択肢の連続なのです。ですがある程度その人が生きてきた過程である程度の道は決まります。これを見てください。」
そう言った神の指した先には、無数に枝分かれした木のような映像が、映りだされていた。
「これはあなたの世界線です。正しくは会社を出た時点での世界線です。無数の枝の中で一本だけ濃い線がありますよね?」
「はい、ありますね。これが私のたどる運命だったという事ですか?」
「そうなります。そして次は桃香さんが刺される5秒前の世界線です。」
そこには一本の道しか映し出されていなかった。
「え?これは私の世界線ですか?」
「はい、桃香さんの世界線です。あれだけあった世界線がなくなり終焉を迎えると告げています。選択肢が無くなってしまっています。つまり、回避は出来ないという事です。」
「ど、どうしてそんなことになったんですか?!」
「これは、笹木聡、あなたを刺した犯人が起因しています。彼は刺す瞬間躊躇してしまったんです。本来躊躇なく殺すはずだったのに。相手の木下希を。」
「どうして躊躇してしまったのですか?」
「笹木聡が刃物を出したときに、見るはずの無かった通行人、安達美紅が刃物を見て騒いでしまったのが起因します。」
「安達美紅さんが刃物を見て騒いでしまった事で、笹木聡さんが一瞬動揺とかしたって事ですか?」
「笹木聡が刃物出した瞬間に、奇声があがって、約3秒目線が奇声の方を見てしまった、その後走り出し木下希を刺しに向かった。その3秒で桃香さんが笹木聡と木下希の間に到達してしまった。というのが事の顛末になります。
因みに会社を出た時点での世界線では、笹木聡が木下希を刺す光景をあなたは目の前で見てすぐに警察に通報するというルートだったはずなのです。そしてここに安達美紅さんは関与していない。ですが4分ほど前に前に安達美紅さんがリップを落とすという分岐が発生していました。彼女の線は気が付かないでそのまま通り過ぎるだったのですが、その時後ろにいた森本通という男性がリップを落としたことを安達美紅さんに伝える分岐に変わっていました。その森本通も本来とは別ルートで帰路に向かっていました。
森本通、安達美紅、笹木聡、竹内桃香、木下希の世界線が変わりあうことで干渉し、世界線が変更された。死ぬはずの者が生き、生きるはずだった者が死ぬ。これは不慮以外の何物でもありません。」
私は事の顛末を知り言葉を失っていた。
「森本通、安達美紅、笹木聡、竹内桃香、木下希の世界線が変わらなければ、あなたは幸せな人生が送れるはずでした。選択肢次第ですけど、婚期が違ったり子供の数が違ったりはしますし、数年の寿命の変化は有りはしますがどの世界線でも90歳は生きていると確認しました。」
「あはは、はぁ、どのみち死んでしまったものは仕方ありません。私はどうなるのでしょうか?」
「地球の神と相談して、あなたに二つの選択肢が用意されています。1つ目は全てを捨て、地球でまた新たに生を受ける、2つ目は違う星で生を受ける。あなたに選択権は委ねられています。如何でしょう?」
「私には2つの選択肢に違いを感じませんが、違いはあるのでしょうか?」
「えぇ、1つ目は全てを捨て、地球でまた新たに生を受ける、これは輪廻転生ですね。地球にはこの法則が確立されているため同じ星に生まれる以上、理に反するため前世の記憶は持ち合わせません。2つ目ですが、違う星で生を受けるこちらに関してはこの星で生きるものは輪廻転生が適応されていますが、あなたは他の星からの移住者になるため、初めて生を受ける、輪廻転生の適応外になります。知識をそのままに生まれる事が出来ますので、生活や選択肢は無限には有ると思います。」
「もし2つ目を選んだ場合、知識を失わずに生まれるのは分かりました。何か役目とかあるのですか?」
「ある場所もありますし無い場所もご用意できます。ですが、無いよりは有る方が目的が持て選択肢も無限に広がります。勇者を求める世界もあれば、改革を求める世界、神のいない世界、竜が統べる世界、など、色々あります。」
「私に求められるのもそれに準ずる形になるのでしょうか?」
「たとえば、勇者を求める世界であれば、自分が勇者になるもよし、勇者を育成するもよし勇者をサポートするなどですかね。」
「私的に戦闘は経験がないので、避けたいですが。」
「大丈夫です。普通に育ったとしても、あなたが死ぬことはまずありません。それ相応のステータスが当てられますので。」
「いや、怖さは何ともならないでしょう!?」
「意外と慣れるものですよ?」
「慣れたくないです!人を斬ることも出てくるでしょ?!」
「それは当然、盗賊や野盗などもいますからね。」
「無理無理!人なんて切れないよ!」
「案外、その場面に出くわすとできたりするものですよ?」
「いやよ!それでも私に人は殺せない!」
「あなたを殺そうとしていてもですか?現に殺されてますけど。」
「もし、そういう場になっても殺せないと思う。仲間にも迷惑かけてしまうし、人の死ぬところなんて見たくないわ!」
「地球ですら人は殺し殺されます。あなたのように。」
「もういいわ!改革を求める世界は?」
「改革を求める世界は、国の長が腐り上級国民以上は裕福ですが、それ以外は貧しく1日1日が常に死と隣り合わせな食糧難な世界です。農民が死に過ぎて国王ですら、食だけは質素です。」
「私に求められるのは?」
「文字通り改革です。農民や貧民、低級国民と力を合わせて国を滅ぼし、新たな国政を作り、地球のような士農工商とまではいきませんが、農民の大切さを知らしめる改革先導者となってもらえたらと思います。」
「結局争いは起こるのよね?もし何もしなかったら?」
「遅かれ早かれあなたは死ぬでしょう、飢えによる死。」
「上級国民なら死なないでしょ?!」
「長男長女なら死ぬ可能性は低いですね。ですが現状長男がいる状態で長女として生まれた場合、あなたがどんなに賢かろうとも口減らしで奴隷行き、どこも食糧難ですから貴族の買い手ではなく労働者奴隷でこき使われて死ぬか、あぁ、宰相と論争する分岐へたどり着ければ宰相として生きる道は有りそうです。」
「私は争わなくても良いのですか?」
「論争なので口論にはなりますが、血肉の争いにはなりません。ただし、何の解決にもなりはしません。国王が変わらぬ限り現状維持でしょう。」
私は色々な星の事を聞いていったが、争いの無い、狩猟などがない世界などは存在しなかった。
考えてみれば、食べるためには狩猟が付いてくる。たとえ農村だったとしてもだ。商人は買い出しや売り先への移動では盗賊や野盗、動物や魔獣に襲われる。王族であっても襲われる。世界によってもステータスは変動することや、生きやすくしてはくれるみたいだった。
「じゃぁ限りなく争いから無縁の世界は有りませんか?」
「無くは有りませんが、とても忙しい人生になると思いますが良いですか?」
「忙しい分には構いません。だてにブラック企業勤めではありませんからね。」
「では、生まれたら神書と心の中で思ってください。」
「新書ですね。わかりました。」
「では、あとは神書でやり取りをしましょう。では、少しの間お休みください。」
「ありがとうございます。」
こうして私の意識は遠のいていった
Episode.001 「始まりは突然に」を読んでいただき、ありがとうございます!
桃香の新しい人生は、いったいどうなるのか。
これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。
引き続き、よろしくお願いします!




