⭕ 朝食はキノコンにお任せ★
セノコン
「 セロさま、モニングのじゅんびがととのいましたエリ 」
マオキノ
「 マオさま、モニングのじゅんびがととのいましたエリ 」
マオ
「 有り難な、マオキノ。
何処で朝食を食べたら良いんだ? 」
マオキノ
「 BARによういしてますエリ 」
セロフィート
「 マオ、行きましょう 」
マオ
「 うん 」
読書を一旦切り上げたセロと一緒にBARのドアを通り抜けた。
──*──*──*── BAR
BARに入るとBARカウンターの前に立派な食卓用テーブルと椅子が置かれていて、テーブルの上は丁寧にセッティングされている。
セロ…………テーブルセッティング迄キノコンに仕込んだのかよ…。
マオキノ
「 マオさま、こちらにおすわりくださいエリ 」
マオ
「 あ…うん。
有り難な 」
オレが椅子に座り易いようにとマオキノが椅子を後ろに引いてくれる。
マオキノ
「 マオさま、オシボリですエリ。
おつかいくださいませエリ 」
マオ
「 有り難な 」
マオキノ
「 マオさま、おみずですエリ。
おのみくださいませエリ 」
マオ
「 有り難な 」
マオキノは分身体と連携しながら甲斐甲斐しくオレの世話を焼いてくれる。
オレ、さっきから「 有り難な 」しか言ってない気がするんだけど!?
マオキノ
「 マオさま、おりょうりですエリ。
マオさまのためにうでをふるっておつくりしましたエリ 」
マオ
「 有り難な。
オムライスなんだ? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
マオさまはキノコがおすきだとうかがいましたエリ。
キノコをふんだんにつかったキノコオムライスですエリ。
おめしあがりくださいませエリ 」
マオ
「 キノコオムライス…………。
このキノコってキノコンじゃないよな?
至って普通の茸を使ってるんだよな?
そうだろ? 」
マオキノ
「 キノコドラゴンのせなかにはえていたキノコをつかわせていただきましたエリ 」
マオ
「 キノコドラゴンの茸か。
それなら安心かな? 」
マオキノ
「 マオさまはキノコンりょうりはおきらいですかエリ… 」
マオ
「 …………可愛いキノコンを殺して料理に使うんだろ?
それは流石に食べれないよ 」
マオキノ
「 りょうりにつかうのはカサのぶぶんだけですエリ。
カサのぶぶんをきってつかいますエリ。
カサはきってもよくじつにはえますエリ 」
マオ
「 笠を使うだけ?
胴体は使わないのか? 」
マオキノ
「 キノコンのどうたいは、かみきれないのでたべれませんエリ。
あんしんされましたエリ? 」
マオ
「 そう……なんだな…。
でもさ、搾ると “ きのこじる ” ってのが取れるんだろ? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
どうたいをしぼるのは、つきいちでしないといけないだいじなぎしきですエリ。
どうたいにしるがたまるとカサのいろがへんしょくしてしまいますエリ。
へんしょくしたカサをたべると、しにますエリ 」
マオ
「 死ぬ?
偏食した笠は食べれないって事か? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
きんだんしょうじょう,げんかくしょうじょう,げんちょうしょうじょう,みかくほうかい,やくぶついぞんしょうなどをはっしょうするもうどくのカサになりますエリ 」
マオ
「 …………じゃあ、生きたままキノコンを搾って “ きのこじる ” を作るのは、キノコンにとって絶対に必要な作業になるんだな… 」
マオキノ
「 はいですエリ。
しぼりたての “ きのこじる ” はのうこうですエリ。
つかうには “ きのこじる ” をうすめるひつようがありますエリ。
うすめてつかわないとおなかをいっしゅうかんほどくだしますエリ。
しようほうほうをきをつけないといけないちょうみりょうですエリ 」
マオ
「 そうなんだ… 」
セロめぇ!
肝心な部分を飛ばして教えてくれた訳だな!
何はともあれ、キノコン料理に使われるのがキノコンの笠は部分だけって分かって安心した。
マオ
「 あのさ……、搾られる時って痛いのか? 」
マオキノ
「 きもちいですエリ♥️
ぞうきんをしぼるようにねじられて “ きのこじる ” をだしますエリ。
マッサージみたいで、くせになりますエリ♥️ 」
マオ
「 そ…そうなんだ…。
痛くないなら良かったよ… 」
マオキノ
「 マオさま、うすめた “ きのこじる ” をのまれてみますエリ? 」
マオ
「 …………今度にしとくよ… 」
マオキノ
「 そうですかエリ…。
“ きのこじる ” にはしょうみきげんはありませんので、のみたくなったらいつでもおしえてくださいませエリ 」
マオ
「 …………有り難な… 」
原液を薄めた “ きのこじる ” ……飲むのは何だか怖いな……。
マオキノ
「 マオさま、キノコたっぷりリゾットをおもちいたしましたエリ。
おめしあがりくださいませエリ 」
マオキノ:分身体
「 マオさま、やさいとしょくようエスカルゴのキノコたっぷりアヒージョですエリ。
おめしあがりくださいませエリ 」
マオキノ:分身体
「 マオさま、キノコたっぷりクリームパスタですエリ。
おめしあがりくださいませエリ 」
マオキノ:分身体
「 マオさま、キノコたっぷりトロふわチーズとナスビのたまごつつみですエリ。
おめしあがりくださいませエリ 」
マオキノ:分身体
「 マオさま、キノコたっぷりバターソテーですエリ。
おめしあがりくださいませエリ 」
マオ
「 ………………嬉しいけど、一寸ストップしてくれな? 」
マオキノ
「 おおすぎましたかエリ? 」
マオ
「 テーブルに乗り切らないだろ?
食べ終えたら持って来てくれるか? 」
マオキノ
「 わかりましたエリ 」
マオキノ:分身体
「 マオさま、たっぷりキノコのからあげですエリ。
おめしあがりくださいませエリ 」
マオ
「 取り敢えず、料理は一旦ストップしてくれよ!! 」
マオキノとキノコン達が作ってくれた茸たっぷり料理を堪能したオレは、口直しにデサートのフルーツゼリーを食べた。
朝っぱらからマオキノとキノコン達が張り切って作ってくれた大量の料理をオレが残さず完食した事が余程嬉しかったのか大粒の涙を流して喜ばれた。
セロフィート
「 マオ、海へ向かいます? 」
マオ
「 そうだな。
食後の運動も兼ねて海で泳ぎたいよ! 」
セロフィート
「 マオ、何時から泳げるようになりました? 」
マオ
「 大分前から泳げるっての!
温泉の中で泳ぐ練習したんだよ 」
セロフィート
「 泳ぐなら水着を用意しましょう 」
マオ
「 セロも一緒に泳ぐだろ? 」
セロフィート
「 ワタシもです?
吟遊詩人は泳ぎません 」
マオ
「 セロはカナヅチなのか? 」
セロフィート
「 いいえ。
泳げる先代は居ました。
泳ぎ方は知ってます。
先代が泳げたのです。
ワタシも余裕で泳げます 」
マオ
「 なら一緒に泳ごうよ 」
セロフィート
「 ワタシは泳ぎません 」
マオ
「 えぇ゛~~~何でだよぉ~~ 」
セロフィート
「 マオ、準備が出来たら出掛けましょう 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
マオキノ
「 マオさま、おべんとうたのしみにしていてくださいませエリ。
うでによりをかけておつくりいたしますエリ 」
マオ
「 マオキノは昼食用の弁当を作ってから合流するのか? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
マオさまのことはセノコンにおねがいしてますエリ 」
マオ
「 マオキノ、気を付けて海に来てくれよ 」
マオキノ
「 マオさま、ごしんぱいいりませんエリ。
マオさまよりつよいですからだいじょうぶですエリ。
よゆうでうみへたどりつけますエリ 」
マオ
「 なら良いんだけど…… 」
お弁当を作ってくれるマオキノとマオキノの分身体をBARに残して、オレはセロと一緒にBARを出る事にした。