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切り取られた世界  作者: 本郷透
4/13

冬の気付き

サブタイトルで分かるかもしれませんが、今回はツバサ視点。

誰かが世界を動かそうとしている。


店の中で死んだように眠る子供、エリーを見ながらにわたしは悟った。

店の外では何か、とてつもない事が起ころうとしているのだと。


わたしはあの日から世界を閉じた責任として、永遠に切り取られたこの世界を見つめるという道を選択した。

エリーをこの店で見守りながら、同時に三周目迎えた世界を見つめ続けている。




規則的にループしていくかと思いきや、二周目と三周目はまだ不安定で、魂の時間のみがループする。身体が付いては行かず、一周目で子供だった人間の身体は成長を遂げた。

しかしながらに、この全てが止まった空間に居るわたしにおいては、何も変わらない。




「エリー、この世界は開こうとしているよ」




答えが返って来る訳でもないのに話し掛けてみる。


九十九くんが居なくなってから、この店にはわたし1人だ。

正確にはエリーと2人だけど、意識があって行動しているのはわたし1人。

実質この空間で生きているのは1人なのだ。

寂しいと思った事がない訳ではない。

今だって十分に寂しい。


でも、


孤独に負けて逃げ出す事は出来ない。

この子を置いて店から出る事は出来ない。

この空間を手放す事はーー決して出来ない。


この店の店主は今、わたしだ。

それはSHOPと言う名のこの店……空間との暗黙の契約だった。エリーを眠らせたあの日から。

だからわたしはここに縛られ続けなくてはならない。

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