1 異世界/分断
駆け足な展開ですみません(>_<)
修学旅行ーーー学生にとって大きなイベントであるそれに、バスに乗った学生達は皆はしゃいでいた。
信濃学園2年4組の生徒30名、誰一人欠席もなくバスに乗っており、思い思いに親しい友人と談笑したり、仮眠をとったりと、自由にはしゃぐ中で、座席の一番後ろに陣取る3人の男子生徒もまた、例外なく楽しげに話をしていた。
「にしても、修学旅行が京都って・・・中学生じゃあるまいに・・・」
「仕方ないだろ。うちの学園は昔ながらの古くささを売りにしてるしな」
「まあ、でもいいんじゃないー。皆で旅行は楽しいよー」
修学旅行に対して文句を言う左側に座るごく普通の容姿が特徴的な男子生徒の名前は松原暁斗。
そんな彼の言葉にため息混じりにそう言ったのは右側に座る鋭い目付きと、端正な顔立ちが特徴的な男子生徒で、彼の名前は神藤一樹。
そして、その二人の間に座る中性的な顔立ちの男子生徒は宮園弘。
騒がしいバスの中でも彼ら3人の回りにはわりと静かな雰囲気が流れていた。それもそのはず・・・この3人は小学生からの幼なじみで、小、中、高と義務教育プラス高校生活の2年の11年近くの時を共に過ごしてきたのだ。今さら修学旅行くらいでおおはしゃぎすることはないがーーーそれでも、やはりこういったイベント事には多少なりともテンションはあがるものだ。
「あっくんは楽しくない?」
「あっくんはやめろって、何度も言ってるだろ弘。・・・楽しくない訳じゃないけど、バスはあんまり好きじゃない」
「暁斗は本当にバス嫌いだよな」
「・・・まあな」
二人からの視線に耐えられずに思わず視線を前方に向ける暁斗。すると、何やら前の席の女子生徒と一瞬視線があったような気がした。
(・・・気のせいか?)
前に座る女子生徒は友人と楽しそうに談笑していたのですぐに気のせいだろうと判断して視線を窓の外へと向ける。
「バスっていうのはなんでこう・・・」
隣の二人に聞こえないくらいの小声で呟く暁斗。そんな暁斗には気づかずに隣の二人は普通に会話を続けていた、
「それにしても・・・なんか変な道通ってるよな」
「確かに・・・てっきり高速道路かと思っていたのに、なんでこんな谷を通ってるんだろうね、いっくん」
「頼むからいっくんはやめてくれ弘・・・」
中性的な顔立ちの弘は昔から変わらずに二人のことをそう呼んでいる。流石にこの年齢で友人から呼ばれるには可愛すぎる呼び名に二人は辟易しているが・・・悪気のない弘にはまったく改善されることはなかった。
そんな楽しげな二人の会話をBGMに暁斗はうとうとと、静かに眠りの波に誘われていったーーー
そこは綺麗な花畑だった。
幼い頃より見慣れた景色だが、決して現実のものではない光景。
太陽は燦々と降り注ぎ、肌に心地よい風がふき、一面は綺麗な名も知らぬ花が綺麗に咲いておりーーーそして、その中心には紅色の髪の美女が静かに立っている。
幼い頃より何度となく見てきた光景なので、暁斗にはこれが夢だとすぐにわかった。
いつものように声を出そうとするがーーーやはり何度やっても話すことは出来なかった。
夢なのだから当然と言えば当然なのかもしれないが、それでも聞きたいことがあった。どうしてこんなところに一人でいるのか。どうしていつもそこにいるのか。そして・・・どうしてそんなに寂しそうな表情をしているのか。
そんなことを思っていると美女は珍しくこちらに視線を向けてから口を開いた。
『ごめんなさい』
その言葉の意味を聞く前に暁斗の意識は浮上していくのだった。
「ーーーきと。暁斗!しっかりしろ!」
「ん・・・なんだよ一体」
身体につたわる気だるさを感じつつ目を覚ます。なんだか頭が痛むと思い触れるとヌメっとした感触に違和感を覚える。触れた手を見てみるとそこには真っ赤な血がついており、ここでようやく暁斗は自身が怪我をしていることを知る。
「これは・・・」
「大丈夫か暁斗?」
「あっくん!良かったよぅ起きて」
「一樹、弘。これは一体・・・」
そう思い身体を起こすと同時にここがバスの中ではないことに気づく。辺り一面木々で覆われたまさに森と言ってもいいほどに自然が豊富な場所のようだ。いきなりの事態に戸惑いつつも暁斗はある程度予想を立てて聞いた。
「バスの事故か?」
「うん。でもなんか変だったんだよね」
「変?」
「ああ。運転手と担任の松井の姿が見えない。おまけに記憶にある事故った場所と違うんだよな」
聞けば、妙な道を走っていたバスが転落したそうだが、その時見えた場所とは明らかに異なる場所にいるということだ。そして、転落事故のわりに怪我人がほとんどいないということが一番の疑問点だった。
「暁斗以外に怪我人は一人もいないんだ」
「かすり傷一つもなかったと?そんな馬鹿な」
そう思い周りを見渡すが、確かに怪我人は一人もいなかった。しかし、精神的にはかなり堪えてるようで皆の様子はどこか大人しかった。錯乱している人間がいないことに少しだけ安堵していると、ふと視線を感じてそちらを見ると、バスの中でこちらを見ていた女子生徒とまたも視線が合いそうになった。そう何度も続くと気にはなるがひとまずはこの状況を把握するのが先決と思い暁斗は立ち上がって言った。
「とりあえず、色々やらなきゃな。携帯は使えるか?」
「ダメだよー」
「なら、連絡手段はなし。食料は多分お菓子類があるかどうかといったところか。一樹。この辺りの散策行く気はあるか?」
「危険かもしれないが、そうだな。行くよ」
「あ、なら僕も行くよー」
「いや、弘はここに残って他の生徒のメンタルケアにあたってくれ」
そう言ってから暁斗と一樹は最低限のものを持って散策に出掛ける。迷わないように目印をつけながら進んでいると一樹が聞いてきた。
「それで?暁斗は何か知ってるのか?」
「いきなりなんだ?」
「随分と落ち着いてるからな。それに何か話があったから弘を置いてきたんだろ?」
鋭い指摘に暁斗は目印をつけながら言った。
「俺の兄さんの事故の話は知ってるよな?」
「修学旅行のバスの転落事故の話だな。それがどうかしたのか?」
「現場にはバスの残骸の一部と教師と運転手の遺体しかなかったそうだ。兄さん達の痕跡は一切なし。まるで神隠しみたいな話だけどなんだか似てないか?」
3年前に暁斗の兄は修学旅行のバスが崖から転落して死亡した。しかし遺体は見つかっていないのだ。教師と運転手の遺体はあったが残りの生徒の死体は一切なかったことから神隠しなんて呼ばれているが、まさに暁斗達が今置かれている状況と酷似しているのだ。
「つまり、暁斗はこれが神隠しだとでも?」
「わからない。けど、教師と運転手の姿はなく、バスの一部が欠損していたことを確認した。そうなると考えられるのはそんなオカルトな話かあるいは・・・異世界にでも飛ばされたと考えるべきだろうね」
「非現実的な話だな」
一樹の台詞に思わず頷く暁斗。しかし、少しだけ兄の真相に近づけるかもしれないと思っていると、近くの茂みからがさがさ、と音がしたのを見て思わず身構える。すると、何やらプニプニした・・・そう、まるでスライムみたいな生き物が姿を現した。
「なあ、親友よ。あれはなんだ?」
「スライムだろ?」
「そうかスライムか・・・そうなると異世界の可能性が高いな」
思わず暁斗はスライムを手招きするとスライムは何の躊躇もなく近づいてきて暁斗の手の上にプルンと乗った。
「というか、大丈夫なのか?モンスターだろ?」
「まあ、食べられたらそれで終わりということで大人しく諦めよう」
そう言いながらスライムを撫でると思ったよりも心地の良い感触に思わず安堵してしまう。そうしてバスの元までスライムを持ち帰るとクラスメイトは最初こそ驚いてはいたが、大人しいスライムに皆は場違いにも癒されるのだった。
そうして皆がスライムに夢中になってる間に暁斗はとある人物に話しかけていた。
「なあ、小林。聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「松原?なんだい?」
「小林はオタクだよな?異世界転移とかのラノベも読んでるんだよな?」
「まあ、そうだけど。それが何か?」
「こういう場合。クラスで異世界に転移した場合にどういう展開がテンプレか教えてもらえるか?」
そう聞くと小林は少しだけ考えてから言った。
「普通ならクラスメイトの一人が主人公で弱いチートを持っていて、成り上がるパターンとかかな?でも、正直この段階でクラスメイトの裏切りとか錯乱がない状態ならそこまでは気にすることはないかな」
「チートって具体的にはどんなもんなんだ?」
「そりゃ、やっぱり凄いのでしょ。見るだけで相手を石化させたり、魔法をばんばん打てたりとか」
そんなことを話していると、不意に茂みからぞろぞろと鎧を着た騎士がこちらに向かってくるのを見て思わず身構える。騎士達は暁斗達を囲むようにして広く展開すると、リーダーらしき男が前に出て言った。
「皆様。お初にお目にかかります。我々はフィース王国の騎士です。突然の事態に困惑されているかと思いますが、我らが国王陛下が皆様をお呼びです。どうかご同行ください」
「従わなければどうします?」
「その場合は無理矢理にでもご同行していただきます」
腰の剣を見せつけくることでこちらを威圧する騎士に暁斗達は大人しく従うしかなかったのだった。
森を抜けると大きな城がそびえ立っていた。その城を見てクラスメイトは皆、この場所が異世界なのだと改めて認識できつつ、騎士に従って歩くと、所謂謁見の間に通されることになる。
玉座に座る白髭の国王は暁斗達を見ると厳かに言った。
「皆の者よくぞ参られた。私が諸君を呼んだこの国の主。ヴィクテレア・フィースである」
「呼んだ・・・ということは、ここは異世界なのですね?」
暁斗の質問に騎士が慌てて止めようとするが、それを国王は制してから頷いて言った。
「その通り。ここは諸君が知る世界とは違う理の世界だ。あの場所に呼んだのは諸君らを試すためでもある」
「試す?」
「諸君らはこの世界に来るにあたり身体能力の大幅な向上に加えて、なんらかの特殊な力を得ているはずなのだ。そうだな・・・そこの者名前は」
そう聞かれたので暁斗は真っ直ぐに答えた。
「松原暁斗」
「松原殿。ではそこの騎士にステータスカードを貰うといい」
「ステータスカード?」
「そう、ステータスを記したカードである。そなたの名前を刻むと自然と得ている特殊な力などを確認することができる身分証のようなものだ」
そう言われて受け取ると、小さなカードには確かに暁斗の名前が刻まれていたのだった。
★★★★★★★★★
名前 松原暁斗
能力 回復補助
詳細 回復能力の補正
★★★★★★★★★
暁斗の能力は回復補助。名前から察するに回復能力の手助けをするものだろう。国王は騎士から報告を受けてから暁斗に視線を向けると言った。
「稀にいるのだ。そなたのように身体能力の向上がほとんどなく、能力が低い者は。だが、そんなそなたのような者でもこの緊急時には必要なのだ」
「そもそも?なんで俺達を呼んだんですか?」
「我が国は現在魔王の脅威に晒されている。それを打ち破るために諸君を呼んだのだ」
簡単に説明すると、この世界はファンタジー小説のように魔法と呼ばれる力があり、魔力と呼ばれるものも存在するそうだ。そして魔力を持つ人間以外の生き物のことを総じて魔物と呼び、さらに人に近いものを魔人と呼ぶそうだ。そしてその魔人が1000年の時を経ると魔王にクラスアップするそうだ。魔王はとんでもなく凶暴で、残忍で殺戮を好むとのこと。しかもその魔王に対してこの世界の人間の力ではあまりにも脆弱すぎて太刀打ちできないので、暁斗達を呼んだということだ。
その説明を聞いてから暁斗は思わず聞いていた。
「俺達を呼んだのはわかりましたが、呼んどいて帰れないなんてことはないですよね?」
「無論だ。役目を果たせば帰還は叶うだろう」
その言葉にクラスメイトの何人かはほっとするが、暁斗はどうにも信じきれなかった。どことなく嫌な予感を抱きつつも暁斗は最後にもう一つ聞いていた。
「三年ほど前に似たようなことはありませんでしたか?今みたいに大勢を呼んだとか」
「さて、何分記憶力が衰えておってな。覚えておらん」
その言葉で暁斗は確信した。この人達を信用してはいけないと。
それぞれ部屋を用意してもらってステータスカードを貰ってから暁斗と一樹と弘は、暁斗の部屋に集まっていた。どうしても確認したいことがあったからだ。
「一樹。弘。二人の部屋は俺より豪華だよな?」
「うん。あっくんの部屋に来てびっくりしてるよー」
「暁斗だけグレードの低い部屋というのは偶然ではなさそうだな。明らかに向こうはお前を軽視してる」
「まあ、それはいいんだよ。それより二人のステータスカード見せてくれる?」
「ああ。構わないぞ」
★★★★★★★★★
名前 神藤一樹
能力 勇者の剣
詳細 魔王を倒せる絶対の剣
★★★★★★★★★
名前 宮園弘
能力 勇者の盾
詳細 魔王の攻撃を無効化する盾
★★★★★★★★★
「やっぱり・・・俺はどうやら向こうからしたらハズレ扱いみたいだな」
どう見ても魔王に特化した二人のステータスカードに暁斗はそうもらす。回復補助は別にダメではないだろうが、それでも魔王を倒すのには明らかに不向きな力だ。
「あと、二人はこっちに来た時に俺だけ怪我をしてるって言っていたが、多分俺だけ身体能力が向上してないからなんだろうな」
「何故暁斗だけ?」
「それはわからない。けど、この待遇の差を見るに俺はいつ切り捨てられても不思議じゃない」
その言葉に一樹と弘は眉を潜めるが暁斗は構わず続けた。
「それに魔王を倒しても元の世界に戻れる保証はない。最悪こちらに骨を埋める覚悟を持った方がいいかもしれないな」
「縁起でもないこと言うなよ。らしくない」
「そ、そうだよ。あっくんが死ぬわけないじゃん」
「いや、もしもの場合にはなんとしても生き残ることを最優先にしてくれ。それから・・・俺に何かあったら二人は絶対に無理をせずに生きてくれ」
その言葉と共に立ち上がる暁斗。部屋を出ようと開けると何故か連れてきたスライムが扉の前に置かれていた。今は確か女子の元にいたはずと、思っていると、不意に見覚えのある後ろ姿に暁斗は思わずスライムを抱き上げてから駆け寄っていた。
「天ノ川さん!」
天ノ川そら。クラスメイトの一人だがあまり話したことはない。それでも暁斗の勘違いでなければこちらを時々伺ってるように思えたのだ。そうして暁斗が声をかけると、彼女は立ち止まってから聞いた。
「何かご用ですか?」
「いや・・・このスライムを扉の前に置いたのって天ノ川さんだよね?」
「はい。そうですよ。お話中だったようなので外で待っててもらいましたが何か?」
「いや、ただ最近なんだか視線を感じるから気になっただけだよ。気にしないで」
そう言うと彼女は暁斗に構わずに歩き出したが、ふと立ち止まってからポツリと言った。
「私は何があってもあなたの味方です。だから生きてください」
「え・・・」
今度こそそのまま歩いていく彼女を見ながら暁斗はなんとも言えない感覚になるのだった。まるで懐かしいような変な気持ち。スライムを抱き締めたまま暁斗はしばらくそこで考え込むのだった。
一方その頃。部屋に残った一樹と弘は黙りこんでしまっていた。先ほどの暁斗の言葉になんとも言えない不安な気持ちになっていた。
「なあ、弘。暁斗の話どう思う?」
「あっくんが死ぬわけないよ。だから気にしない」
「そっか。だよな」
そうは言いつつ一樹は暁斗の兄の失踪とこの異世界転移という現象に深い結びつきを感じてしまう。大丈夫だという気持ちと同時に万が一のことを想定してしまうのだった。
翌日。騎士団のメンバーに引率されて近くの森で訓練をする。能力、所謂チートは発動しようと思えば出来るようで皆苦労なく使えていたが、俺だけはその感覚を掴めずにいた。
「回復補助・・・あの、すみません」
近くの騎士に話しかけるとあからさまに面倒そうな表情をされるが気にせずに俺は言った。
「魔法はどうやったら使えるのですか?」
「さて、私達は騎士ですので知りません」
「すみませーん」
「はい。ただいま伺います」
別のクラスメイトの元には嬉々として向かう騎士を見てから俺はため息をついてしばらく考えるのだった。そうして時間を無為に過ごしていると、一汗かいたのか一樹が剣を片手にこちらにやってきて言った。
「どうにも、暁斗への態度が悪いなここは」
「仕方ないよ。むしろまだ生かされてることに驚くべきだろうね」
「そうは言っても限度があるだろ」
「せめて魔法とか回復道具についてわかれば能力と使えるかもしれないのにね」
「魔法ねぇ・・・本当にファンタジーな世界だよな」
チートである剣を持ち上げるとそれを片手で操って言った。
「こうして初めて剣を持ったのに初めてのような気がしない。きっとこれが能力なんだろうな」
「魔王殺せる剣だしね。一樹は勇者といったところか」
「お前の上に立っての主役なんて毛ほども嬉しくない」
「ありがとう。気を使ってくれて。でも・・・あんまりやらない方がいいかもね」
チラリと見ると騎士達が明らかにこちらを不服そうに見ていた。
「一樹まで巻き添えになるのは良くないでしょ」
「俺は気にしない。弘だってそうだ。ダチだろ?」
「そうだね。ありがとう」
そんな風に話してる時だった。
「ま、魔物が出たぞ!」
その声にそちらを見ると大きな熊の魔物の群れがこちらに向かって突き進んできた。それを見るとほとんどの生徒が逃げだす中で、一樹と弘だけが逃げ遅れたクラスメイトを助けるために熊に向かっていった。俺も逃げるべきだろうが、逃げ遅れの生徒を助けようと救助活動に励むが、そんな努力も空しく、一匹の熊に背中を引き裂かれる。
「ぐっ・・・」
「暁斗!」
「あっくん!大丈夫!?」
心配そうに近づいてくる二人に微笑みかけるが、その時に後ろから猪の魔物が突然現れて俺はその猪に突き飛ばされる。物凄い勢いに思わず目を瞑りそうになるのを抑えるが途端に浮遊感があって、気づく。俺は猪に崖の方まで突き飛ばされたということに。近くで急いできたのか、一樹と弘が唖然としている姿を見て俺は微笑んで言った。
「ごめん。二人は生きて」
その言葉を最後に俺はそのまま落下に身を任せるのだった。こんなところで終わることに多少の無念はあるが、あいつらなら大丈夫だろうと俺の意識はそこで途絶えるのだった。




