④約束の地へ
「本当に硬いんだから………二人共」
フォースィは二人の覚悟に諦め、両手を軽く上げて降参する。
「そういうフォースィさんは今後、どうされるおつもりですか?」
傍で見ていたバイオレットが尋ねた。
フォースィはクライルの言葉に答えを出せないままでいた。
彼からの情報で、頭の中にあった複数の母が一人にまとまった。魔王と戦った母は、最後に魔王と共に生きる道を選んだ事も分かった。
だが何故タイサが魔王に一番近いのか、それが分からなかった。もしも魔王と話ができれば、より母の事を聞けるかもしれない。フォースィの中で、魔王に対する新しい興味が大きくなっていた。そう言う意味では、魔王軍と交渉する王女と共に行く利点は大きい。
「そうね………取り敢えず、どんな歴史になるのか面白そうだから、このまま貴方達についていく事にしようかしら。貴方もタイサにあったら、何て言葉をかけるべきか、考えておく事ね」
「そうですね………考えておきます」
フォースィの意地の悪い返しに、バイオレットは特に表情を変える事なく即答する。
明日にはカデリア自治領との境界線であるシモノフの大関所跡に到着する。そこからさらにブレイダスまでは三日、ゲンテからはさらに一日の時間を要する。魔王軍の動きが、どこまで変化しているかは予測もつかない。
だが、デル達にとっては、戻る事も止まる事も許されず、進み続けなければならない道であった。




