↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この町の獣たちは俺にしか引き取れない  作者: 小雪ブンタロウ
5/7

修学旅行 上

修学旅行編は上 中 下

に分かれます。

ツムギの正体が分かってから数日、ユズの遊び相手として時々、ツムギが家に来てくれる。そのついでに、これまたついでに古寺が来てくれたりもする。



ちょー嬉しい。




「よいしょっと。よーし、洗濯物終了」


ユズの服を干すのは、なんて言うか…小っ恥ずかしい。



ピンポーン


「はーい、今行きまーす」


庭で洗濯物を干していたから玄関前まで直行〜。


「こんにちわ」


深い紺色の髪をたなびかせて丁寧に挨拶してきたその少女は


「風華はいますか?」


ユズと同じで、狐の人間であるツムギだ。


「あぁ、い」


俺が返事をしようとした瞬間、世話のやける狐の人間が俺を突き飛ばしてきやがった。


「ふごっ!」


「ムギー!あっそぼー!!!」


めちゃくちゃ飛んだじゃねーか。痛ぇわ。









十分にイベントだらけの高校2年生のスタートだが、まだ一つ残ってる。



そう。修学旅行じゃい。


「もうすぐ修学旅行だけど、ユズは持っていくべきか、ツムギに迷惑かけるべきか…」


「持っていくって何?!私は荷物じゃない!」


「ツムギに…いや……うーん…」


「ねぇ!聞いてるのユキト!」


「……よしっ…持っていくか」


「もぉぉ!」


「ん?何だユズ。え?なんで手を突き出してるんだ?まさか風を起こそうなんて考えてないよな?」


ユズは大きく手を広げ、悪戯をする妹のような笑顔だった。


「おい!ちょ、まて、おま」


「ウィンド!!」


「あほー!!!!!!」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


キーンコーンカンコーン


「…ふぅ…………」


「おい、ユキト。お前大丈夫か」


大丈夫なわけねぇだろ。ヒナタの視界に顔が真っ赤に腫れてる俺の顔が見えねえのかこのやろう。


「うるせぇ。バナナ野郎」


「バナ、バナナ野郎?!」


顔が腫れてることなんかどうでもいい。いや、どうでもいいことはないが。


修学旅行で、ユズのホテルの部屋に古寺がいて良かったー。古寺がいなかったらエラい事になりそうだった。奇跡だ。ほんと奇跡だ。


「ユッキトー!」


「はいよー」


「みゆが呼んで…」


「かしこまりました」


まっちょれ古寺ぁぁ!!今行くどぉぉぉ!


「へ?」










「古寺ー呼んだ?」


「あ、御子柴君。あの、ちょっと聞きたいことがあって」


「お、おう」


何だこの雰囲気?これはあれか?フラグか?これがフラグってやつか?きたんじゃねえかこれ。ついに俺にフラグがたったんじゃ…。


「最近、ツムギがお世話になってるみたいだけど、何か変なことしてない?」


うん、古寺いい子。すごく、いい子。変なこと考えた自分にウィンドしたあと、古寺に120%の土下座を800回したい。


「大丈夫、大丈夫。むしろお礼したいくらいだ。週末はいつもユズの相手してくれるし。ユズ、すっごい喜んでたぞ」


「ほんと!?」


かわいい、目がキラッキラしてる。


「あぁ」


「ツムギも結構ニコニコして帰ってきてるし、良かったー」


やばい、幸せだ。こんな時間がずっと…


キーンコーンカンコーン


「あ…」


「あ…」


次って確か…。


「体育だった!!!!すまん、古寺!じゃあな」


「う、うん!こちらこそごめんね!」







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜その日の夕方〜

「ツムギって子分かります?」


昨日のことも含めて、九(いちじく)様にいろいろ相談しにきた。



「あぁ!ツムギが無事だったんですね。よかった」


「ツムギはコナーですけど、一応こちら側らしいです」


「え?!どどどうしてですか?」


美人狐に一から丁寧につたえた。


「なるほど、そうゆうことでしたか。くろうしたのですね」


「あ、そうだ。一応言っときます。ツムギはまだ、その古寺っていう子には内緒にしたいみたいなんです」


「分かりました。森に誓って言いません」


「あ、あと修学旅行っていう学校の行事何ですけど…」


「えぇ、知ってますよ」


「人間の世界のこと結構知ってますよね」


「人界で暮らしてたこともあったので」


まじで?会いたかったぁ。









それから少し修学旅行について検討した。


「やっぱり、やめといたほうがいいですか?」


「困りましたね。ユキトさんはどうしたいのですか」


そりゃ、おいて行きたい。けど…


「結構楽しいと思うし、家に1人はそれでかわいそうだし、家が大丈夫か心配だし…」


「ふふっ、本当に優しいですねユキトさんは」


「え?。い、いやぁ、俺はただ…」


「修学旅行、楽しんできてくださいね」


にっこりラッシュじゃねーか。やっベーな。


「はい!」


「うーん。そうですね。あなたが風華と、いや、狐と関わってしまった以上、私の特殊能力を身につけておいたほうが良いですね」


「九(いちじく)様の特殊能力?」


「私の特殊能力は回復です。ヒールといいます。本当はもう使えますよ。あとはユキトさんが練習するだけです。」


「え?!そうなんですか?!あ、でもどこまでならヒールできるんですか?」


「体の傷はもちろん、もし腕が無くなったとしても、脳と心臓、体力さえ残っていればヒールが可能です。傷が酷ければ酷いほど体力消費は激しいです」


「なーるほど」


「あと!回復能力所持者の中でも私だけにあるわざがあるんです!」


「そ、そんな大事な技、人間の俺に教えてもいいんですか?」


「ユキトさんなら問題ないですよ」


なんかめっちゃ嬉しい。


「私だけは、自分以外の生物のヒールも可能なのです!」


「だけど、少し難点があるんです」


「難点?」


「ヒールという表現が好ましいのかは分かりませんが、例えば風華の腕をヒールするとします。ヒールをすると、ヒールした分、自分の腕に痛みだけが発生するんですよ」


「なる……ほど…」


「けど、臓器をヒールする際は覚悟してくださいね。実際には何の問題もないのですが、とても耐え難い激痛があなたを襲います」


使い方を考えねーとな。


「分かりました。ありがとうございます」


「えぇ。練習はまた今度ですね」


「はい!さようなら!」


ふぅ………風華、腹すかしてるだろうな…。



帰って風華に飯作っか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。