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頂上対決

 関羽と呂布は互いに無言で打ち合っていた。強い者には分かることだが、二人の全身は凄まじい気で包まれており、それがぶつかり合うたびに火花を散らしていた。呂布の方天戟が関羽の前髪を掠めたかと思えば、今度は関羽の偃月刀が呂布の頬を掠める。一進一退の攻防とは正にこのような闘いを言うのだろう。試合を見守る誰もがそう感じていた。


「せやああああ」

 関羽は甲高い声で叫ぶと、偃月刀で呂布の体を弾き飛ばした。試合が始まって最初の一撃である。

「くうううう」

 呂布は背後に吹き飛びながらも体勢を整えると、フェンスを踏み台にして、逆に関羽に向かって行った。そして方天戟の先端で関羽の顔を思い切り殴り付けた。

「ぐぐ・・・・」


 関羽は地面に膝を突くと、何とか倒れずに踏み止まった。互いに距離を取ると、3分が経過し第1ラウンド終了の銅鑼が叩かれた。両者の呼吸音だけが会場に響いている。関羽は諸葛亮から水の入ったボトルを渡されると、それを一気に飲み干した。最早、話す余裕すら無いのか、ゼーゼーと苦しそうに呼吸していた。


「み、見ろよ・・・・」

 試合を見守る生徒の一人が、観客席の上段を指した。何と、そこには、この頂上対決を見届けようと、他校の生徒達が集まっていた。その中には曹操や孫策、袁紹といった、劉備達もよく知る顔ぶれから、見たことも無いような生徒達もたくさんいた。彼女らは皆、全国大会の参加者であり、強豪校の対策を練るために敵情視察に来たらしい。


「おいおい、凄いなこりゃ。そんない楽しいか?」

 劉備は半ば呆れながら言うと、背後から槍の柄で頭を叩かれた。そこには馬超がいた。

「こら、試合が始まるよ。関羽部長はきっと、この試合を僕達に見せたいんだよ。これからのために、きっと何かを掴めるかも知れない」

「別に掴みたくないっすよ。俺は美女達と酒池肉林の日々を・・・・あだ」

 さらに頭をポカッと叩かれた。


 そうこうしているうちに、第2ラウンドの銅鑼が叩かれた。先程とは打って変わって、両者、一定の距離を保ったまま動こうとしない。


「関羽よ。そろそろ本気で行こう」

「そうね」

 呂布と関羽は不敵に笑い合った。その瞬間、呂布の構えが変わった。方天戟をその場でグルグル回転させると、巨大な真紅の竜巻がうねりを利かせて、関羽に向かって真っ直ぐ放たれた。


「な、なんだありゃ?」

 劉備は迫力に圧倒されて一歩後ろに下がった。周りの生徒達も同じように後ろ下がっている。会場中を暴風が吹き荒れる。何かとてつもない力が動いている。

「くそ、これほどまでとは・・・・」

 関羽は偃月刀をしっかり握ると、呂布からの攻撃に備えた。そして今、巨大な真紅の竜巻が関羽に到達しようとしていた。

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