気迫の勝負
関羽の体を巨大な真紅の竜巻が包み込んだ。そして周りに砂を巻き上げながら、大きく弾き飛ばされた。
「うあああああ」
関羽は偃月刀を手放すと、そのまま地面に落下した。当然受け身すら取れずに、四肢をヒクヒクと痙攣させながら、仰向けになっていた。
「嘘でしょ。部長が・・・・」
黄忠は持っている弓を投げ捨てて、関羽の元に駆け寄ろうとした。しかし、それを趙雲が押さえつける。ここで出て行けば反則負けである。まだ試合は終わってはいない。
「あの攻撃は何なんでしょう・・・・」
諸葛亮は誰もが抱いているであろう疑問を口にした。それに答えられる人間は劉備だけだった。彼は欠伸をしながら、諸葛亮の頭に手を置くと、面倒臭そうに言った。
「あれはな。気の塊をぶつけたんだ。あの呂布って女はマジでゴリラ女だぜ。顔は綺麗だが、気そのもので相手を吹っ飛ばすなんて、なんて莫大な気を体に秘めてやがるんだ。ありゃ、関羽部長の負けだな」
「ちょっと、少しは前向きなこと言ってくださいよ~」
諸葛亮は両腕を振りながら言った。
「い、今のは何?」
関羽は偃月刀を足で拾い上げると、砂だらけの服を手で払った。
「ふん、龍虎砲。私はそう呼んでいる」
「はあ・・・・はあ・・・・。まずい。左手が折れたかも」
関羽は左手が力無くぶら下がっているのを見た。先程の龍虎砲で左手に負担が掛かったらしい。
「良かったわね。利き手じゃなくって」
「ありがとう。心配してくれて・・・・」
関羽は偃月刀を右手で強く握り締めると、切れ長な瞳をより鋭利な形にして、呂布をじっと睨み付けた。
「青竜乱舞」
関羽は体を回転させると、全身の気をまるで竜のような形にして纏った。そしてそのまま呂布の突っ込んだ。
「あれは・・・・、久しぶりに見たわね」
趙雲は関羽の青竜乱舞を見るのは二回目だった。初めて見たのは、去年の地区大会の決勝戦である。その試合は、結局負けてしまったが、そのあまりの破壊力に、他校の生徒達の視線を釘付けにした、関羽の必殺技だ。
「龍虎砲」
呂布はそれに対して、先程同様に方天戟を回転させて竜巻を放った。関羽の青竜乱舞と、呂布の龍虎砲がぶつかり合って、バチバチと轟音を立てていた。二つの気が交わり合い、ドーム状にグラウンドに広がって行った。そして今度は、そのドームの内部で関羽と呂布は、偃月刀と方天戟をぶつけあい、闘っていた。
「はああああ」
「せやあああああ」
金属同士が擦れ合い、奇妙なメロディーを生んでいた。同時にドームが割れて、二人の体は外に投げ出された。呂布と関羽はそれぞれ、自分のベンチ側のフェンスに背中から激突し倒れた。




