あかみん
今日の授業が終わり、部活に精を出す。
ちなみにバスケ部でポジションはセンターだ。
…と、思ったがまだボケてた。
オレはサッカー部でフォワードだった。
着替えて体育館にいったらクラスメイトのバスケ部に何しに来た!?と驚かれたよ。うん、何でそんなボケしたのか分からなくて自分もビックリだ。
部活終了。駅に向かって歩き出し、ふと気が付く。
オレ、自転車通学で近場の駅から逆とまではいかないが道が全然違うぞ。
…変な夢見るし、ボケかましまくるし疲れてんのかなオレ。
晩飯食って、風呂入ってアイス食おうとしたら親父と姉ちゃんに食われてて仕返しにビールのつまみのスルメと姉ちゃんのヘソクリカロリーのポテチ盗んで漫画読みながら食ってたら戦争に発展して。
なんだか散々だったから普段は23時以降に寝るオレも今日は21時30分頃には睡眠する事にした。
宿題?明日、相生にジュースとパン奢って写させてもらうよ。
…で、寝たはイイがまたオレは露出狂になってたよ。
昼前にも学校の夢で見た胸の重い女にな。
服装は少し変わってたが昼間の下着に、上に灰色の作業着を着ただけ。
作業着はぶかぶかだし、たぶんセットになっていた下の作業ズボンも履くと逆に動き辛かったのだろう。
なんかまだ逃げてるし、女のオレ。
バイクじゃなくなってまた裸足で、今度は倉庫がたくさんある場所を。
ところで女のオレって思考するの味気ないな。
爽やかな記憶のない爽やか男はとしか女のオレを…確か「あかさかあけみ」って最初に呼んでたはず。
じゃぁ「『あか』さかあけ『み』」で可愛らしく呼ぶために『ん』をつけて『あかみん』と呼ぼう。
一気に可愛らしくなったな女のオレ、あかみん。
…可愛くなったよな?まぁイイや。繰り返すが夢だし。
ところであかみんは何から逃げてるんだ。
あかみんの周囲も夜らしくて何も見え…いや、見えた。
イルピンに隠された施設を襲撃した銃を持った連中ではなく…黒いスーツの連中3人ほどに。
昼間の夢の最初にも黒服連中に囚われたオレがいたが、その時のヤツらとは同じかどうかは分からない。
距離もあるし、裸足だから石でも踏んで怪我するのを気を付ければ逃げきれそ…。
いや、そう思ったが突然あかみんの側を氷の槍が飛んできて地面に突き刺さった。
しかも突き刺さった所から氷が広がり裸足で走り抜けるのは厳しそうだ。
ほう。主役は相変わらずのあかみんだが今度は魔法ありのファンタジー物っぽい。
やるじゃないか、オレの夢。目が覚めて覚えてたら相生との話しのネタとして再び採用できそうだぞあかみん。
とはいえ、あかみんことオレは魔法使えない。
姿こそあかみんだが、中身は一般人のオレには魔法なんてからっきしだ。
…違う、コレは夢だしあかみんも魔法使えたぞ確か。
あかみんの使える魔法は…弓矢だ。
けど、何でもイイから魔法の触媒として適当な物でイイから棒がいる。
棒を魔力で捻じ曲げて弓のしなりを作り、魔法で弦と矢を創造して放つのがあかみんの魔法。
弓本体まではあかみん作れないんだよな。だから正確には弓矢の魔法ではないかな?
おっと、鉄パイプ発見。
倉庫の側に長いのから短いのまでいろんなサイズのパイプが地面に並べられていた。
その中から弓に丁度よさそうなのを選んで…あ、黒スーツのヤツら魔法に鉄パイプで対抗すると思ったのか口元がにやけてやがる。
そんな油断しきってる黒スーツにむかって不意をつき、即席弓となった鉄パイプを構えて魔法の矢を連続で放ってやった。
白いエネルギーの塊みたいな矢が3人の黒スーツのうち2人を貫き、ダウンさせる。
血は出ていないみたいだが…気を失ったのかな?
残った一人は驚愕といった顔をしたが、すぐに顔を引き締めて氷の剣を作りだした。
剣を両手に持ってあかみんに向かって走り、間合いを詰めてくる。
あかみんは魔法の矢を放つが黒スーツの氷の剣に弾かれる。
弾かれる、弾かれる。
あっという間にを詰められ、あかみんに向かって氷の剣を横なぎに切りかかる。
あかみんは弓で防御しようとするが、元は鉄パイプ。
氷の魔法剣が相手では鉄パイプじゃ紙切れのようにスパッと切れて真っ二つに。
ヤバいよー。ピンチだよー。
黒スーツも勝った気になって口元が凄いにやけてる。
けどさ、弓矢がなくなったからって戦えなくなったワケじゃないんだよ。
昼間は施設にスパイしに行ってたろオレ?
つまりオレはスパイなエージェントで肉弾戦もできるワケよ。
…あれ?あれはあかみんじゃなくて別のオレだったっけ?
まぁイイや、夢ってのはご都合主義だもの。
今までの弓矢の速度と打って変わり、鉄パイプを捨てたあかみんの打撃はとんでもなく早かった。顎、喉、腹と3連打して完全に怯んだ黒スーツに向かって魔法矢を短剣のように持ち、突き刺した。
だってコレは夢だもの。
オレは肉弾戦のできるエージェントで魔法も使えるあかみんでもあるんだ。