なんか思ってたのと違う
台風の影響で学校なかったんで投降します。
やってしまったぁああああああああ!まさか、こんなところに人がいるわけないと思って攻撃したら、実は冒険者でしたって?ははははは、洒落になってない!
まさか異世界で初めてであった人間に対して、襲撃を仕掛けてしまうとは………。思えば、聖光の剣と切り結んでる時点でアンデットじゃないってわかったはずなのに……。迂闊にもほどがある。
しかもしかも、二人ともものすごいレベルの美少女じゃないか!よかった、ジャッジメントとか使わなくて。聖光の攻撃を中心にしてたから、二人には怪我はない。こんな美少女相手に怪我させるとか、世界の損失としか言いようがない。
一応とっさに土下座してみたけど、異世界にも土下座ってあるのかな?もしなかったらいきなり襲い掛かった挙句、おかしな行動にでたイタイ子になってしまう。
「えっと、とりあえず、誤解も解けたみたいだし、顔を上げてもらえるかしら?」
「これが土下座。初めて見た」
とりあえず、そう言われたので、言われた通りに顔を上げる。座っていた二人と視線が合う。
……こうして改めて見てみると、本当に美少女だなぁ。
ショートカットの大剣二刀流の子は、ノルンさんって言ったっけ?深みのある青色の髪とサファイアを思わせる瞳。眠たげな表情をしており、背は低めだ。今の僕の身長より少し低いくらいだから、百五十センチくらいだと思われる。体の線は細く、小さい。何がとは言わないよ?
鎧とワンピースが合わさったような防具を着ており、よく似合っている。パッと見は木陰で読書とかしているのが似合いそうなんだけど、傍らに突き刺さっている二本の大剣がものすごい存在感を放っている。ギャップ萌え?ちょっと違うか。
ツインテールの子は、いかにも魔法使いです!という恰好をしている。輝かしい金髪と、エメラルドの瞳を持つ彼女は、この薄暗い迷宮にいてなお、太陽のように輝いている。背は僕と同じくらいで、ノルンとは違い、出るところは出て、引っ込むところは引っ込むという女性の憧れのような体形をしている。
着こんでいるローブ、手に持っている杖、そして指にはめている指輪から強力な魔力を感じる。マジックアイテムとかそういったものなのかな?
「ほんとにすみませんでした………」
「……まあ、反省してるみたいだし、私たちのお願いをいくつか聞いてくれたら、許してあげるわ。ノルンもそれでいいかしら?」
「うん、構わない」
「わかった、僕にできることなら、死力を尽くす。だから死ねとかそういうのは勘弁してもらえるとありがたいかな………」
「そ、そんなこと命令しないわよ!まったく、私があなたにお願いしたいのは、三つ。一つは、私たちと一緒に、この迷宮を攻略してほしいの」
迷宮の攻略か。そういえば、この迷宮って下界最高難易度の迷宮のはずだよな。そんな迷宮に二人で挑戦するなんて、この二人って結構すごい?
「二つ目は、あなたのことを教えてほしい。ステータスのこととか、なんでこの迷宮に挑戦しに来たのかとか、いろいろ」
これは、ナルアのことと転生のこと以外を話さなきゃ、それ以外のことは教えてもいいだろう。転生者の称号と、邪神関連の称号は、ナルアに隠してもらった。神の隠蔽は、下界の魔法で破ることは不可能だそうだ。なんかこう、神様ぱわーとかが使われているらしい。ナルアが手振り身振りで教えてくれた。すげー可愛かった。
っと、話がずれたな。それで、三つめは何なんだろう?
「三つめは……この迷宮を攻略し終わってから言うわ。それで、どうかしら?」
「うん、僕はそれで構わないよ。そんなことで許してもらえるなら、安いもんだよ」
「そう、よかったわ……………………敵対することにならなくて」
「ん?何か言った?」
「ううん、なんでもないわ。あ、そういえば、まだ自己紹介をしてなかったわね。私はリンネ・コードよ」
「わたしは、ノルン・ブリンガー。よろしく」
あ、魔法使いの子はリンネって名前なのか。初めて知った。
それにしても、お願いとやらが結構軽くてよかったな。迷宮の攻略の手伝いと、素性の説明だけでいいなんて。優しい人なのかな?そうじゃないにしても、いい人なのには間違いなさそうだ。
「僕は、ネクロ。よろしくね。リンネ、ノルン」
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リンネ、ノルン、ネクロの三人は、『冥界回廊』の中を、しゃべりながら歩いていた。
「えぇ!?ネクロって、最初は人間だったの!?」
「びっくり。どうして魔物になったの?」
「それはよくわからないんだよね。でも、僕は一度死んでる。それだけは確かだよ。死んだから魔物になったのかもしれないし、何か別の理由があるのかもしれない。真実は、神のみぞ知るってやつだね」
主な話題は、ネクロのことだった。能力値のうち二つがカンストしている存在など、規格外という言葉では収まらないほどなのだ。ネクロはそのあたりをいまいちよく分かっていない。
「精神値は魔物になった後、最初にステータスを確認したら、すでにカンストしてたよ。耐久は、そのあとに[無敵]っていう称号を手に入れたらカンストしたんだ」
「うーん、いきなりステータスがカンストすることなんてあるのかしら?それに[無敵]なんて称号、初めて聞いたわ」
「どうやったら、ネクロって倒せるんだろう?剣で切っても、透過で意味がなくて、魔力をともなった攻撃は、高すぎる精神値の前には無意味」
「………ちょっと倒せないわね……なんかこう、防御とかを無視できる手段があれば勝てるかもしれないけど、そんな効果があるスキルや神遺物なんて聞いたことないし」
「………本人の前で、討伐の算段立てるのはヤメテ?怖い」
二人して首をかしげるリンネとノルンに、ネクロが情けない声を出す。それを見て、二人はくすりと笑みをこぼした。
「なんか、思ってたのと違う。戦ってるときは、なんか怖かった」
「そうね、でも、私はこっちの方が好みかしら?」
「わたしも、こっちがいい」
「んー?なんか言った?」
ネクロが、こそこそと言葉を交わす二人に、いぶかし気な目を向ける。そして、ハッと何かに気が付いたように顔をこわばらせると、二人からじりじりと距離を取った。
「ま、まさかすでに僕の防御を抜く手段を思いついたとか………?」
「「違うわ!!」」
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