第1話 伝説のソードを手に入れた!
「ついに伝説のソードを手に入れたぞ!」
北の果ての大地、遥か彼方。
その伝説を追って僕はついに念願のソードを手にした!
この剣を手にした者は必ず世界の王となる。
そんな言い伝えを信じて、ついに手にしたのだ!
【伝説のソード:能力】
とにかくすごい。
振れば敵が死ぬ。
持っているだけでモテる。
お腹が空いたら、美味しいごはんが出てくる。
僕はそんな能力であればと、剣に願いを込めた。
剣が輝き、僕の願いに応えてくれたように感じた。
それにしても寒い。
ビンを割って、カチカチに凍ったポーションを齧りながら、なんとかここまで来たけど、この猛吹雪の中、来た道を引き返すなんて事は無理だろう。
でも、きっと大丈夫……。
僕にはこの、伝説のソードがあるから!
僕は剣を空にかざし、願いを込めた。
すると、どこからともなく声が聞こえて来る。
『私はこの地に眠る氷河の精霊。 この不毛の大地の果てまで辿り着いた、勇敢なるあなた様に我が力を授けましょう』
声を受け取った僕の胸に、暖かな光が宿る。
それが僕の中へと入っていくと、不思議な事に全く寒さを感じなくなった。
「氷河の精霊の精霊さん、ありがとう! すごく、楽になったよ」
何処にいるのかもわからない精霊に向けて声を出す。
すると、目の前の吹雪の中から白い影が現れた。
そしてそれは、僕と同い年くらいの美しい少女の姿となる。
「勇者様、私は氷河の精霊アイシス。 勇者様の力のお陰でこの姿になる事が出来ました」
「そうか……これが、このソードの力!」
「決してそんな事はありません。 私が姿を保てるのは、そのソードを手にした勇者様の力あってのものです」
「うん、ありがとう! そう言って貰えると、僕なんかでも少しだけ自信を持てたよ!」
「それだけのお力があるのに、謙虚なのですね、勇者様」
「そうかな? そう言えば僕からの自己紹介がまだだったね。
僕はスート。 ムンスペルス族のスートだ! よろしくね、アイシス!」
「はい、スート様! 今後ともよろしくお願いします」
こうして僕は来た道を引き返し、遠く離れたムンスペルス族の集落へと向かった。




